フジ XF18-55mm/2.8-4 R LM OIS 商品レビュー

こんにちは。 カメラ担当の池田です。

今回は「えっ、今さらこのレンズ?」と思われるかもしれませんが、過去に何度も使用しながらもレビューを書いていませんでしたので、今回改めてこのXF18-55/2.8-4R LM OISをご紹介したいと思います。


このレンズはX-T1やX-E2などのキットレンズにもなっており、35mm換算で27~84mm相当の標準ズームレンズです。

キットレンズでありながらF2.8-4と明るく、しかもコンパクトな設計となっており携帯性に優れています。

手ブレ補正効果は約3.5段分で、少し暗いシーンなどでも手持ち撮影が可能です。

最短撮影距離は18mm側で30cm、55mm側で40cmとなっていますが、機種により最短撮影距離で撮影するには、カメラ側でマクロ切り替えをする必要がありますのでご注意を!


それでは撮影した写真を紹介しながら、使用レビューといきましょうか。

今回の撮影地は前回のXF100-400/4.5-5.6の使用レビューと同じ和歌山県が主な舞台です。望遠レンズでは表現できなかった写真をご覧いただければと思います。

まずは和歌山県御坊市を走る紀州鉄道。


29mm F8で撮影。 西御坊駅付近にて。

家の軒先をかすめて走る紀州鉄道はローカルムード満点。上の写真は踏切から西御坊駅に停車中の列車を狙いました。

開放F値にすると、背景の列車がボケ過ぎてしまうので、F8と少し絞って撮影しています。駅へと続く線路がキレイにボケてくれています。


18mm F2.8で撮影。

踏切を広角側で開放F2.8で撮影していますが、開放での撮影にもかかわらず、描写はとてもシャープで、周辺光量落ちもありません。

コンパクト設計なのにこの描写には驚きです。


32mm F9で撮影。

紀州鉄道最後は踏切と列車を組み合わせて撮影。このような風景こそが紀州鉄道の象徴と言っても良いかもしれません。

このわずかな空間に列車をバランスよく入れるのは、なかなか難しいもんです。

そこは今回使用したX-T1の連写性能の力をお借りして、何とか撮影できました。またズーム中間域で撮影していますので、歪みもほとんどなく、キレイな描写となっています。

続いての撮影場所は由良町の白崎海洋公園。

ここは白い岩と青い海のコントラストがとても美しい場所です。


18mm F8で撮影。

18mmということで、わずかですが歪曲収差が見られます。でもズームレンズと言うことを考えますと秀逸ではないでしょうか。

陸地があり少しわかりにくいですが水平線が違和感なく描写されています。周辺光量落ちもなく、青空もヌケの良いキレイな描写です。


24mm F14で撮影。

この画角では水平線が歪むことなく真っすぐに写っています。

F14とかなり絞り込んで撮影していますが、カメラ側(X-T1)の点像復元処理機能もあってか、解像度を落とすことなく白い岩の質感、立体感をしっかり表現できています。


18mm F8で撮影。

太陽の半分を岩で隠して、奇岩をシルエットにして撮影しました。岩で太陽の半分を隠したものの逆光状態です。

しかしながらゴーストやフレアはなく、クリアな画質を得ることができました。フジのコーティング技術は素晴らしいです。


55mm F5.6で撮影。

これまでの白崎海洋公園での写真は、広角寄りで少し絞って全体的にピントを合わせたものが多かったのですが、この写真は白い岩のゴツゴツ感に狙いをさだめ、背景をボカして撮影してみました。

背景のボケ味がとてもキレイな事に正直、驚きです。コンパクトな普通の標準ズームレンズとは思えませんよね。


そして和歌山と言えば……シラス丼です。


35mm F5.6で撮影。 道の駅 白崎海洋公園にて。

旅行の楽しみのひとつはグルメではないでしょうか。スマホなどで撮影されている方も多いと思います。

デジタル一眼ならボケをつくることができますので、スマホやコンパクトデジカメとは違った印象に仕上がります。この写真は料理全体が写るように撮影しています。

もっと近寄って撮影したのが、下の写真です。


36mm F5.6で撮影。

これは最短撮影距離の40cmあたりで撮影しています。今回はシラス丼を撮影しましたが、ケーキなどのデザートを撮影するのにも適していると思います。

そして、この日のメイン。湯浅町栖原での夕陽撮影。


42mm F8で撮影。

夕陽の撮影ポイントと知られる栖原。

まだ夕陽まで時間があり、太陽の位置が高く光線の強い状況でしたが、白トビはしているものの、ゴーストやフレアは出ていません。

白崎海洋公園での写真のところにも書きましたが、逆光耐性は良くできていると思います。


18mm F8で撮影。

上と同じ場所で、18mm側で空をメインに撮影してみました。

空のグラデーションもキレイに再現され、この画角でもゴーストやフレアは出ることはありませんでした。


18mm F5で撮影。

この日は水平線に沈む夕陽を見ることはできませんでしたが、キレイな夕焼けを見ることができました。

カメラのフィルムシュミレーションはベルビア(ビビッド)に設定し、より印象的な仕上がりにしています。

少し暗いシーンでの手持ち撮影ですが、手ブレすることなく撮影できました。水平線の歪みもまったく気になりません。

和歌山撮影旅の最後は、醤油の町「湯浅」を象徴する有名スポットで撮影。


32mm F3.6 1/3秒で撮影。

薄暮の時間帯での撮影。交通量の多い道路からの撮影でしたので、三脚は使用できませんでした。

かなり暗い状況でしたが、ここでも手ブレ補正機能が手助けしてくれました。

1/3秒というスローシャッターにも関わらず、ブレることなく撮影できました。3.5段の補正効果とのことですが、個人的にはもっと補正効果があるのではないかと思うくらいでした。

今回、このXF18-55/2.8-4を使用して感じたことは、キットレンズにはなっているが、一切手抜きのない素晴らしいレンズだと言うことです。

開放F値が明るいにも関わらずコンパクト設計。描写力はキットレンズとしては秀逸で、収差も良好に補正されています。

X-T1はXF18-135とのキットもあり悩むところですが、軽量コンパクトという点ではこのレンズに分があります。機動性・携帯性を考えるなら迷わずXF18-55/2.8-4ですね!


この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで