こんにちは。 カメラ担当の池田です。
桜は終わってしまいましたが、花の季節はまだまだこれから!
ということで、今回はそんな花の撮影に人気のキヤノンのマクロレンズEF100/2.8L マクロ IS USMの使用レビューをお届けしたいと思います。
このレンズは2009年10月に発売され、前モデルのEF100/2.8マクロUSMから大きく改良。
手ブレ補正機能が搭載になり、さらにはUDレンズを使用した憧れの赤ライン「Lレンズ」となりました。
最短撮影距離は0.3mで等倍撮影が可能。
気になる手ブレ補正機能は、カメラの角度ブレとシフトブレのふたつを補正するハイブリッドISとなっており高精度な補正を実現しています。
通常撮影距離では約4段分、マクロ領域の1/2倍撮影時は約3段分、マクロ領域の等倍撮影時は約2段分と、撮影距離に寄って補正効果が変わるので少し注意が必要です。
それでは撮影した画像をご覧くださいませ。
綿毛のタンポポ。
この写真は花全体とまわりの状況を入れたくて、撮影距離は50cm前後といったところでしょうか。マクロレンズならではのキレイなボケが印象的です。
描写は硬くもなく、マクロレンズにふさわしい優しい描写だと思います。
せっかくマクロレンズを使っているので、グッと寄ってみましょう。
一気に別世界へ!
これは最短撮影距離の0.3mあたりで撮影しています。
1枚目の写真とはまったく違った印象に仕上がりました。滑らかなボケも最高ですね。このような写真表現はマクロレンズの醍醐味です。
マクロレンズで接写をする場合、被写界深度が浅くなりますので、どこにピントを合わせるのか、ピント位置も重要になってきます。
この写真では、バランスの良い構図と言われています3分割法の左下の交点あたりにピントを合わせています。
そして、ここまでの接写となるとオートフォーカスより、マニュアルフォーカスが便利です。
ムスカリの花を半逆光で狙いました。逆光で撮影すると、花の輪郭が輝きキレイに写すことができます。
ここではF値は4にセットして、少しシャープ感を出しています。マクロレンズでの接写の場合、1段絞ったくらいでは背景のボケは大きくかわりません。
この手法は、私が入社した頃にマクロの得意なプロカメラマンから教わりました。
ここでもうひとつアドバイス!
マクロ撮影は自分で光をコントロールしましょう。
花と太陽の位置を見て少し動くことで、順光で撮影したり逆光で撮影したりすることができます。気に入った被写体があったら、よく観察しましょうね。
上の写真と同じくムスカリの花。
今度は少しひいてムスカリの花が群生しているように撮影してみました。
前ボケもやわらかくてキレイです。ここまでひいて撮影すると、花全体にピントが合い、また違った作風に仕上げることができます。
ひとひらの桜の花びらが芝生の上に落ちていました。
逆光で花びらが透けており、近くにはタンポポの花が咲いている状況。ここではタンポポを前ボケにして、花びらを狙いました。
花びらの質感が良く出ていますね。やはり光線は逆光が最高ですね!
この写真を含め、上で紹介した写真はすべて寝ころんで撮影しています。花の位置まで目線を下げてのローアングルが基本のマクロ撮影。
湿った場所に寝ころんでも衣服が濡れないように、レジャーシートなどがあると便利です。
満開の桜。ここでも逆光で撮影しています。
これまでご紹介した逆光写真と違うのは、この写真は太陽を画面の中(右側)に入れてフレーミングしていること。
太陽は薄い雲に覆われていたため、強烈な逆光ではありませんでしたが、ゴーストやフレアが発生することはありませんでした。
逆光撮影の多いマクロレンズ、この逆光耐性は嬉しいですね。
マクロレンズは接写だけではありません。普通に使えば100mmの単焦点レンズとして使え、花だけでなくポートレート撮影にも最適です。
この写真は、木の上の方にあったカタチの良いところを切り撮りました。
撮影距離は1m以上で、この枝に付いている花全部にピントを合わせたかったのでF5.6まで絞っています。
絞っていますが、背景のボケは単焦点らしいやわらかくて美しいボケをつくり出しています。
写真のご紹介は以上で、今回このEF100/2.8LマクロIS USMを使用して感じたことは、硬すぎないやわらかい描写はマクロ撮影にはふさわしく、さらには手ブレ補正がかなり有効だったこと。
ここ最近、デジタル一眼の高画素化にともない解像度、シャープさを追及したレンズが多く発売されていますが、やはりマクロには多少のやわらかさが必要ですので、このレンズの描写には好感が持てました。
これからの季節は花だけでなく、昆虫も活発に動き出します。マクロレンズの出番は増える事でしょう!
また、マクロレンズを1本持っていれば、遠くへ出かけなくても近くの公園でも撮影が楽しめます。
マクロ撮影が苦手な私でもこれくらいは撮影できます。マクロレンズをお持ちでない方、マクロレンズの世界にチャレンジしてみませんか?
とってもおもしろいですよ!
この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで