こんにちは。 カメラ担当の池田です。
今回、ご紹介する商品は2016年3月25日に発売されました「キヤノンEOS80D」です。
前モデルのEOS70Dが発売されたのが2013年8月28日ですので、約2年半ぶりのモデルチェンジということになります。
EOS70Dもミドルクラスの機種としてかなり良いカメラだったのですが、このEOS80Dはさらに進化しています。
EOS70Dと比較して、進化した主な点は……。
- 画素数 約2020万画素⇒約2420万画素 さらに高画質に!
- 映像エンジン DIGIC5+⇒DIGIC6 さらに高速処理に!
- 常用ISO感度 ISO100~12800⇒ISO100~16000 高感度撮影がさらにキレイに!
- 測距点 19点オールクロス⇒45点オールクロス 測距点が大幅にアップ、動体撮影に威力を発揮!
- AF輝度範囲 EV-0.5~18⇒EV-3~18 暗いシーンでのAF性能がアップ!
- ファインダー視野率 約98%⇒約100% フラッグシップと同じスペック!
さらに新たに搭載された機能としまして・・・
- オートホワイトバランスに雰囲気優先とホワイト優先の2種類を搭載。
- 新ピクチャースタイル「ディテール重視」の搭載。
- 人工光源のちらつきを検知し、露出のバラつきを制御するフリッカーレス機能。
などなどです。
その他のスペックとしまして・・・
- 雨の日でも安心! 防塵・防滴構造。
- 10万回の作動テストをクリアした信頼のシャッターユニット。
- Wi-Fi機能搭載でスマートフォンに簡単転送。
- ひと味違った作品づくりができるクリエイティブフィルター搭載。
- 多重露光、HDR(ハイダイナミックレンジ)機能搭載。
などがあります。
それでは、素晴らしく進化したEOS80D。撮影した写真とともに使用レビューといきましょう!
オートフォーカス性能
まずは、一番気になるオートフォーカス性能。
カメラの設定はフォーカスポイントを45点自動選択、そしてフォーカス動作はAIサーボにセットして、私の好きな鉄道を連写(秒間7コマ)で狙ってみました。
フォーカスポイント自動選択にも関わらず、しっかりと先頭の機関車にピントを合わせてくれています。このまま連写を続けます。
機関車が影の部分に入りましたが、しっかりとピントを合わせ続けています。
1枚目から最終カットの3枚目の写真まで、ピントをはずすことはありませんでした。
この間、連写で撮影したカットは15コマほど。素晴らしいオートフォーカスの喰いつきでした。
45点自動選択でこれだけの力を見せてくれましたので、ゾーンAFにすればさらに高いオートフォーカスを実現してくれることは間違いないでしょう。
進化したのは測距点の数だけではなく、AIサーボもAIサーボAFⅡになり大きな進化を遂げています。
さらに、オートフォーカスの追尾特性などはカスタム機能で、自分なりの設定にカスタマイズできます。
初期設定でも十分ですが、ここの設定を変えることで思い通りのオートフォーカスを実現してくれることでしょう。
そしてもう一つ、この連写の際にとても重要な部分も進化しています。それは連続撮影可能枚数です。
JPEGだけで撮るならEOS70Dでも問題はなかったのですが、RAWやRAW+JPEGで撮影する場合には連写途中でシャッターが切れなくなってしまうことがありました。
EOS80DではRAW+JPEG/ラージ・ファインで約20コマの連続撮影が可能で、EOS70Dの8コマから大幅にアップしています。
これは動体を撮影する人にとってはありがたいことです。
高感度テスト
続いては定番の高感度テスト。
映像エンジンも最新のDIGIC6になり、常用ISOが100~16000になりました。拡張することでISO25600まで上げることも可能です。
常用ISOの上限感度16000で撮影した画像をご覧ください。
さすがに上限感度ということもあり、拡大すれば多少ノイズは目立つのですが、ISO16000ということを考えれば、十分ではないでしょうか。
これ以下の感度なら、さらにキレイな描写を得ることができます。
高感度撮影でキレイな描写が得られるということは、下のような暗いシーンでの動く被写体を止めて撮影することができます。
新大阪駅を通過する列車です。私の設定ミスで若干アンダー写真になってしまいましたが、しっかり止めることができました。
夜に走行する列車を止めて撮影できるなんて、数年前では考えれなかったことですよね。高感度性能はどこまで進化し続けるのでしょうか……。
また暗いシーンでのオートフォーカス性能も向上しています。中央測距点(1点)は-3EVという低照度でもピントを合わせることができます。ちなみにEOS70Dは-0.5EVでした。
そして、フリッカーレス撮影も可能になりましたので、屋内スポーツの撮影などでも活躍すること間違いなしの1台だと思います。
ここからは、EOS80Dの特徴を活かしながら撮影した写真をご覧いただければと思います。
上の2枚は、バリンアングル液晶をフルに活用し、ローアングルで撮影したものです。とくに1枚目の写真はローアングルで花のほぼ真下から撮影したものです。
この時は本当にバリアングル液晶があって良かったと思いました。
さらにライブビュー撮影でもオートフォーカスが速いことも特筆すべきところで、これはEOS70Dから継承されている性能で快適そのもの。ストレスを感じることはありません。
夜の大阪駅です。上の花の写真と同じようにローアングルで撮影しています。
ここで見て頂きたいのが、屋根の部分。ISO3200という高感度にも関わらず、素晴らしい解像感です。
元画像をパソコンの画面で拡大してみると、細部まで繊細に描写されており少し驚きました。これが2400万画素の力なんですね。
上の2枚は山里の夕暮れ時を撮ったものです。この時期の田んぼは田植えの直後ということもあり、水が入っていて夕暮れ時は田んぼに映る太陽や空がとてもキレイです。
この時間帯に撮影する時、私はホワイトバランスをオートではなく太陽光にセットします。そうすることで、赤味を強調することができます。
この2枚の写真を撮影した棚田では、EOS80DにEF-S18-135/3.5-5.6IS USMを装着して被写体を探しながらお散歩感覚で撮影しました。
棚田ですので、勾配もありちょっとキツかったのですが、ボディとレンズを合わせて1.3kg弱と軽く、その機動力を活かして撮影に集中することができました。
軽いと言ってもチープ感はまったくありません。
山の彼方に沈む太陽。この日は西の空が霞んでおり、そのためか神秘的な色の太陽となりました。
その神秘的な色をEOS80Dは見事に描写してくれました。ここでは太陽を大きく撮るために、レンズをEF70-300/4-5.6L IS USMに交換して300mm側で撮影しました。
300mmと言ってもEOS80DはセンサーサイズがAPS-Cサイズ!ということは1.6倍の480mm相当の超望遠レンズになります。
「望遠に強い!」、これがAPS-Cサイズセンサーの魅力なんです。
まとめ:素晴らしいオートフォーカスで動体撮影に最適
EOS80Dを使っての感想ですが、やはりオートフォーカス性能は素晴らしいと感じました。
測距点の数、動体追尾性能のアップ、連続撮影可能枚数も大幅に増加し、ミドルクラスとしては文句のつけようのないスペックとなっています。
あえて言うなら、連写性能を秒間8コマくらいにして欲しかったことぐらいでしょうか。とにかく、動体撮影にはオススメの1台です。
画質面では、フルサイズに匹敵する高感度撮影が可能になったことは嬉しいですね。
その他、新EOSシーン解析システムと進化した測光センサーにより、オートでも失敗の少ない写真が撮れるようになっています。
EOS70Dが発売された時も大きな衝撃を受けましたが、今回のEOS80Dではそれ以上の衝撃を受けました。それくらい素晴らしいカメラだと感じました。
動体撮影だけでなく、風景写真やスナップ写真などでも活躍を約束してくれるEOS80D。写真を趣味にしたいと思っている方にぜひオススメしたいカメラです。
また、フルサイズ機をメイン機としている方には、サブ機としてもオススメできる1台です。
レンズもいっしょにご検討の方は、キットレンズにもなっている「EF18-135/3.5-5.6IS USM」がオススメです。
このレンズとの組み合わせでは高速オートフォーカスが可能で、EOS80Dの良さを最大限発揮できます。
この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで