こんにちは。 カメラ担当の池田です。
今回はキヤノンの新製品レンズEF-S18-135/3.5-5.6 IS USMをご紹介いたします。
前回の使用レビューで紹介しましたEOS80Dと一緒に3月発売された注目のレンズで、EF-S18-135/3.5-5.6 IS STMの後継機種になります。
主な特長としましては……
- EFレンズ初のチップ状の小型モーター「ナノUSM」を搭載。高速・高精度のオートフォーカスを実現。従来機種と比較して、最大で約4.3倍の駆動速度!
- 動画撮影時では、従来機種より静かでなめらかなオートフォーカスを実現。
- 電動パワーズームアダプターPZ-E1を装着することで、電動による滑らかなズーミングが可能。
などが挙げられます。
それでは、新しくなったEF-S18-135/3.5-5.6 IS USMの実力はいかに! 実写レビューといきましょう。使用したカメラはEOS80Dです。
まずは、画角比較から。
このレンズは35ミリ換算で28.8mm~216mm相当の7.5倍と高倍率ズームで、あらゆるジャンルの撮影に対応できる1本となっています。
写真をご覧いただければわかるように、広角側では棚田の全景を撮影することができ、望遠側にするとカタチの良い田んぼを切り撮ることができ、この1本あればバリエーション豊かな作品づくりが楽しめます。
続いて周辺光量のチェック。
周辺光量落ちの目立ちやすい広角側で、絞りは開放に近いF4で撮影してみました。結果として周辺光量落ちは見られませんでした。
また、わずかに画像周辺部で像が流れる感じは見受けれますが、F4での撮影と考えますと描写は概ね良好です。F8やF11で撮影しますとシャープ感は高まります。
そして、手ブレ補正の効果をチェック。
上の2枚はそれぞれ1/13、1/10秒とかなり低速シャッターで手持ちで撮影していますが、約4段分の手ブレ補正のおかげで、手ブレすることなく撮影できました。
手ブレ補正効果が大きいと夜のスナップ撮影などでは大きな力となります。
そして1枚目の写真はEOS80Dの使用レビューでも紹介した1枚ですが、解像度が良くわかる写真です。ISO3200でこの画質は秀逸ですよね!
逆光耐性はどうか……。
太陽の強い光線が田んぼに反射していますが、ゴーストやフレアは出ませんでした。新しいレンズとは言え、キットレンズでこの逆光耐性は優秀だと思います。
そしてもう1枚。
棚田を散歩しているとクモを発見。せっせと巣作りに励んでいました。
このレンズの最短撮影距離である39cmあたりで、背景の太陽を大きくボカして撮影しました。
これだけの強い光線にも関わらず、ゴーストやフレアはなく、クモの足がシャープで繊細に描写されています。
また、ちょこちょこと動き回るクモに苦戦しましたが、スピードアップしたオートフォーカスのおかげで何とか写真にすることができました。「ナノUSM」の性能を実感した瞬間でした。
ついでにボケ味のチェックも。
単焦点や大口径ズームレンズで得られる大きなボケは期待できませんが、被写体との距離、背景の処理を考えて撮影すれば、キレイなボケを出すことができます。
上の写真では背景に点光源を入れてますが、口径食(ラグビーボール状のボケ)もほとんどなく、円形でキレイなボケになりました。
そしてもう1枚。
タンポポの綿毛。かやぶき民家を背景に、綿毛にグッと近寄って撮影しました。
撮影する時に出来限り被写体に近寄り、被写体と背景の距離を遠くにすれば、キレイなボケを出すことができます。
そうすることで上の写真のように標準ズームレンズとは思えないくらいの自然で滑らかなボケをつくり出すことができるのです。
さらにもう1枚。
車の窓に反射した夕陽がとてもキレイだったので思わずシャッターを切った1コマです。ピントを合わせた部分のシャープ感とそこから滑らかにボケていく感じが最高ですね!
最後は、この日に見る事ができた、山里の美しい夕景の写真をご覧ください。
EOS80Dの性能もあると思いますが、夕景独特の空のグラデーションを見事に再現してくれました。
夕景は刻々と状況が変わりますので、レンズ交換をしなくていい高倍率ズームはシャッターチャンスを逃すことなく撮影できるのでありがたいですね。
以上、今回このEF18-135/3.5-5.6 IS USMを使用して感じたことは、新しいナノUSMのおかげでオートフォーカスが速く、高倍率ズームで便利だったこと。
高倍率ズームですが、諸収差は最低限に抑えられているような感じで、描写力に関しても十分だと感じました。
個人的に欲を言えば、EOS80Dのキットレンズなので、ボディに合わせて防塵・防滴にして欲しかったなぁと思います。
今では、EOS80Dだけでなく、EOS8000DやEOS KissX8iのキットレンズにもなっていますので、標準レンズも一緒に買いたいと思っている方はぜひご検討くださいませ。
この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田