こんにちは。 カメラ担当の池田です。
今回ご紹介するカメラはパナソニックDMC-GX7 MarkIIです。
現在、パナソニックからはGXシリーズとして、GX8とこのGX7 MarkIIの2機種が発売されています。GX8が画素数(約2000万画素)や防塵防滴などの構造の面で上位モデルとされていますが、GX7 MarkIIも負けていません。
GX7 MarkIIの画素数は約1600万画素とGX8よりは少ないもののローパスレスフィルターレス仕様になっており、新しいヴィーナスエンジン9と相まって、高解像画質を実現しています。
さらに手ブレ補正も強化されており、GX8は6コントーロールの補正でしたが、GX7 MarkIIは7コントロールとさらに進化を遂げています。
また、小型軽量なのも魅力的で、旅行や手軽にスナップ写真を撮りたいという方にはピッタリだと思います。
それでは、実際に撮影した写真とともに、使用レビューを書いてみたいと思います。
ちなみに今回の写真は、青春18切符で大阪を出発して金沢、富山、高山と旅をしてきた時のもので、レンズは旅行に便利な高倍率ズームレンズG VARIO 14-140/3.5-5.6 ASPH O.I.Sを使用しています。鉄道旅ですので、鉄分(鉄道ネタ)豊富な内容ですが、予めご了承ください。
まずは解像度のチェックから。
北陸新幹線開業で賑わう金沢駅。絞りF8 ISO200で撮影しました。
中心部分を拡大してみます。
高倍率ズームですが、この解像力には驚きです。細部までしっかりと描写されていて、ヌケの良い写真となっています。ローパスフィルターレスも効いていると思います。ズームレンズでこの解像力ですので、単焦点レンズを使えばさらにキレイな写真が撮れるはずです。
続いては手ブレ補正の効果を見て行きましょう。
上の写真、シャッタースピードはどれくらいで切っていると思いますか?なんと1/2秒という低速シャッターで撮影しているのですが、まったく手ブレしていません。何枚か撮影してこの1枚だけが成功したのではありません。1/2秒で撮影した写真はすべてブレていませんでした。試しに1秒でも撮影しましたが、それはさすがに無理でした。
驚異の手ブレ補正効果を見せた7コントロールの新しい手ブレ補正「Dual I.S」。今までの角度ブレ補正、シフトブレ補正に加え回転ブレ補正が加わり、低速シャッター時の補正効果が強化された感じです。ボディとレンズでブレを補正しますので、広角から望遠まで安定した補正効果が得られます。
今まで、色々なカメラ・レンズで手ブレ補正の効果をテストしてきましたが、GX7 MarkIIが一番効果が大きかったように感じました。ちなみにメーカーからは手ブレ補正効果の段数が記されていませんが、個人的には5段以上あると感じました。
手ブレ補正効果が大きいとこんな写真も・・・
金沢駅に停車中の「花嫁のれん」号。列車名に合わせたのかホームにはのれんがありました。時折吹く風でのれんが動く様子を撮影したかったので、低速シャッターで風を表現してみました。この写真のシャッタースピードは1/20秒。手ブレ補正がないと心配なスピードですが、このカメラなら安心して使えます。
次はオートフォーカスについて。
パナソニックのミラーレス一眼には空間認識AFという技術が採用されています。この技術は画面に写るすべての被写体との距離を瞬時に算出してピントを合わせる技術で、オートフォーカスの高速化と高い追従性の実現に成功しています。
実際に使用して、オートフォーカスは速くストレスなく撮影でき、ピント精度もかなり高いと感じました。今回の旅行で色々と撮影しましたが、ピンボケの写真はまったくと言っていいほどありませんでした。
上の写真は列車の中から窓越しに撮影したものです。窓越しの撮影の場合、手前の窓にピントがあったり、迷ったりすることも多いのですが、私が狙っていた被写体(列車)に迷うことなくしっかりピントを合わせてくれました。
この写真は1枚目とは逆で、窓に付いた水滴にピントを合わせてそれを主役に、そしてレールを脇役にして撮影しました。ここでも空間認識AFの実力が発揮されたのか、ピントは迷うことなく私の思い通りに撮影できました。
晴れていれば素晴らしい景色が見れる富山県雨晴海岸。ここで走っているローカル列車を撮影してみました。ここでは、高速連写にセットして撮影しましたが、すべての写真にピントがあっており、AFの喰いつきの良さはなかなかのものです。しかし、連写時にミラーレス機で起こりやすい残像が残る現象はこのカメラでもあり、フレームアウトしてしまった写真もありました。
その他のオートフォーカスの機能としましては、-4EVという低照度でのAFが可能であったり、暗闇で小さい物体(星空レベル)にまでピントが合う星空AFなどがあり、かなり充実しています。
そしてパナソニックと言えば4Kですよね。
今回はその代表的な機能、4Kフォト連写とフォーカスセレクトを試してみました。
まずは4Kフォト連写から。
4Kフォト連写とは、秒間30コマの4K動画の中から写真を切り出す機能で、決定的瞬間を撮影するには最適です。また4Kなので約800万画素あり、A3サイズまでの高画質な引き伸ばしプリントも可能です。
被写体はまたまた鉄道。鉄道写真でもこっちへ向かってくる列車を撮影するのは簡単なのですが、後追いと言われる去って行く列車を撮影するのはタイミングが難しいものです。今回はその後追いのシーンで4Kフォトをテストしてみました。
列車が去って行くところ、このあたりで4Kフォト連写(動画)をスタートします。
4K動画撮影中・・・。 まもなく最後尾の車両です。
そして、4K動画の中から切り出したベストショット。
4Kフォト再生で、自分が気に入ったところを写真にすることができます。色んなシーンで使えそうですね。
次はフォーカスセレクト機能。
これも4Kを利用した機能で、1回のシャッターでフォーカスポイントを近い所から遠い所へ変えながら撮影して、あとから好きなフォーカスポイントを選んで保存できます。
飛騨古川の町並みでテストしてみました。
手前の花にピントを合わせた写真。
花を前ボケにして、奥にピントを合わせた写真。
このように1回のシャッターで多彩な表現が可能な機能です。フォーカスポイントに迷った時や、繊細なピントが求められるマクロ撮影などのシーンで出番が多くなりそうな機能です。
恒例の高感度性能も見ていきましょう。
ISO3200ではノイズも少なく、十分常用感度として使えます。
ノイズ量がわかりにくいので、中心部分を拡大していきます。
個人的にはISO6400までは使えると言った感じで、できればISO3200までで使用したいところです。ISO12800も使えないことはないですが、かなりノイズが増えて荒れてきます。ISO25600は正直なところ使いたくありません。
それでも、マイクロフォーサーズという小さなセンサーでありながら、この高感度性能は十分だと思います。
最後は、パナソニックの色を設定する「フォトスタイル」と写真表現を楽しむ「クリエイティブコントロール」について。
GX7 MarkIIは今ブームになっているモノクロ写真が楽しめる設定が増えています。フォトスタイルには「Lモノクローム(ラフモノクローム)」が、クリエイティブコントロールには「ダイナミックモノクローム」と「シルキ―モノクローム」が追加され、通常の「モノクローム」と合わせますと4種類の表現が可能となりました。モノクロファンにとっては嬉しい限りですね。
せっかくなので、飛騨古川の古い町並みでモノクロ写真で遊んでみました。
これはカラーで撮影した1枚。フォトスタイルは「スタンダード」です。
モノクロで撮影すると・・・
「Lモノクローム」は白黒のコントラストがしっかりと効いていて、何となくフィルム時代の白黒写真を思わせる雰囲気になりました。
古い町並みにはモノクロが似合いますね。
クリエイティブコントロールでは、モノクロ以外にもおもしろいフィルター効果がありますので色々と撮影してみました。
クリエイティブコントロールやフォトスタイルを上手く利用することで、写真表現に幅を出すことができます。ぜひこれらの機能を使っていただき、写真を楽しんでほしいと思います。
以上、長々と書きましたが、このGX7 MarkIIを使用して感じたことは空間認識によるオートフォーカス性能と手ブレ補正が素晴らしいこと。この2点については私の予想をはるかに超えていました。そして、写真を撮る瞬間のあの緊張感はないものの、4Kフォトの可能性も少し感じることができました。またウエストポーチに入ってしまう小型軽量ボディは負担が少なく持ち運びが便利でした。今回の旅行ではキヤノンのEOS7Dも持って行ってましたが、ほとんど使用しませんでした。それくらい画質、性能ともに十分だった訳です。
構造面ではファインダーがとても見やすく、大半の撮影をファインダーで行いました。液晶はチルト式でこれまた便利。そして、わかりやすいボタン配置と操作系ダイヤル。パナソニックをあまり使用したことのない私でもすぐに馴染めました。
今回の使用レビューでご紹介した機能はほんの一部で、色んな機能が満載のカメラです。また、機会があれば他の機能も試してみたいと思います。
この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田