今回はいつもカメラのナニワをご利用いただいておりますお客様、高野様からいただいた寄稿文を掲載させていただきます。
高野様による寄稿文3回目の今回は、ペンタックスのリアルレゾリューションシステムを使った実写レビューです。
お忙しい中御寄稿いただいた事、厚く御礼申し上げます。
「ペンタックス K-1 リアルレゾリューションシステムの実力」 高野様
今回のレビューでは、メーカーのサイトでは見られない、PENTAX K-1と社外品のレンズとの組み合わせでのレビューを書かせていただきます。
画像の解像感で定評のあるSIGMAのArtレンズとPENTAXのReal Resolution Systemを使うと果たしてどれほどの解像感が得られるのか、ごくわずかなサンプルではありますが、ぜひご覧ください。
まずは、絞りをF13に合わせて解像感を重視した、日中の湖畔を撮影した画像です。
この画像は、比較用に撮影したもののうち、その差が分かりやすい部分を等倍でトリミングしたものなのですが、Real Resolutionを使うことで、山の稜線や対岸に見える建物のエッジが非常にシャープになっている感じがご覧いただけると思います。
一方で、湖面に写った山の稜線には動体補正でも補正しきれない不自然なザラザラ感が出ていて、Real Resolution Systemにまだまだ改善の余地があることを感じられるかもしれませんが、全体の画像を見ていただけば、このザラザラ感も許容範囲であると感じていただけると思います。
オレンジ色の枠で囲った部分が、比較用に切り出した所です。
何の説明もせずにこの画像を見せた友人は、その違いが分からないと言っていたくらい、ネガティブな部分は微妙な差で、PCのディスプレイ程度の大きさの画面であれば、その差は感じられないくらいでした。
とはいえ、大きく拡大した画像ではその違いが一目瞭然で、大伸ばしでプリントする作品こそ、Real ResolutionとSIGMAのArtレンズの組み合わせが活きてくることを感じていただけると思います。
続いては、夜間の風景を撮り比べてみました。
ピントの位置はこの茂みの葉に合わせたのですが、やはりReal Resolutionを使った画像は、葉の一枚一枚がきっちり解像していることをご覧いただけると思います。
夜間の長秒露光においては、動体補正の有無で大きな違いが現れ、3枚目の動体補正をONにしたものでは、不思議な形の雲ができてしまいました。
オレンジ色の枠で囲った部分が、比較用に切り出した所です。
丸で囲んだ部分に不思議な形の雲ができています。
この辺りは、プログラムで機械的に処理をしているので仕方のないことだと思いますが、家に帰ってから発見した時は大きなショックを受けるかもしれません(汗)
しかし、ご安心ください。
Real Resolutionを使って撮影したRAW画像であれば、本体に付属されている「PENTAX Digital Camera Utility 5」を使うことで後から設定を変えることができますので、動体補正のON/OFFはもとより、Real ResolutionのON/OFFも、大きな画面で結果を比較しながら切り替えることができます。
では最後に、この組み合わせならではのシチュエーションで、朝霧に包まれた龍王ヶ淵をご覧ください。
K-1のカスタムイメージ「雅」で、シャープネスは標準からファインシャープネスの+2に上げて、シャッタースピードがやや長めなので動体補正はオフにして撮影しています。
画面の中心あたりをトリミングした画像ですが、葉の一枚一枚がきちんと表現されていることをご覧いただけると思います。
これから紅葉の季節になると、この解像感を存分に活かすことができそうなので、今年の晩秋がとっても楽しみですね!
今回は少しマニアックな内容でしたね。でも、リアルレゾリューションシステムの効果の良くわかる比較写真で、私達ナニワスタッフもとても勉強になりました。
これだけの比較写真を撮影するには、相当な労力を費やしたと思います。
高野様、お忙しい中御寄稿いただきありがとうございました。