こんにちは。 カメラ担当の池田です。
今年の秋は新製品ラッシュで、魅力的な商品がたくさん発売されます。
そんな中、今回は注目の1台、キヤノンのミラーレス一眼「EOS M5」をご紹介したいと思います。
まずは簡単にスペック紹介から・・・
- DIGIC7&約2420万画素APS-Cサイズセンサー搭載
- デュアルピクセルCMOS AFで高速・高精度な合焦を実現
- 最高約9コマ/秒の連写性能(AF追従時は最高7コマ/秒)
- 常用ISO感度25600
- 流し撮りモードを搭載
- EOS MOVIE。動画撮影時の手ブレを強力補正、コンビネーションIS。
などなど、他にも色々と進化しているところがあります。
それでは、まずは外観から見ていきましょう。
昨年発売されたEOS M3の上位モデルとして登場したEOS M5。魅力の一つはファインダーが内蔵されたことでしょう。そのファインダーも約236万ドットの有機ELでとても見やすく、光軸上に配置されたこともカメラメーカーのこだわりが感じられます。
液晶はEOS M3と同じチルト式でローアングル、ハイアングルでの撮影が快適に行え、写真表現の幅が広がります。
さらにEOS M5の液晶にはタッチ&ドラッグAFという新しい機能が搭載されました。この機能はファインダーを覗いたまま、液晶を指でなぞるだけでAFポイント(枠)を動かせるという大変便利なもの。
初期設定では「タッチ&ドラッグAF」はしないになっていますので、「する」に変更してください。
そして、その指で液晶のどのあたりをタッチするのか、自分のスタイルに合わせて選択が可能となっています。ちなみに私は今回、右上にセットして撮影しました。
続いて操作系ダイヤルを見ていきましょう。
露出補正ダイヤルをはじめ、シャッターボタンまわりのメイン電子ダイヤル、「DIAL FUNC」ボタンまわりのサブ電子ダイヤルなど操作ダイヤルが豊富で、ストレスなく快適に設定変更などが行えます。特に「DIAL FUNC」ボタンとそのまわりのダイヤルは便利で、ホワイトバランスやISO感度など主要機能を素早く変更できます。
操作ダイヤルはファインダーを見て撮ることを意識して配置されているところがありがたいですね。
ここからは実際に撮影した写真とともに、使用レビューを書いてみたいと思います。
EOS M5には一眼としては初めて最新の映像エンジンDIGIC7が搭載されました。まずはこのDIGIC7の実力を見てみましょう。
逆光で人物をとらえた1枚です。逆光にもかかわらず人物の顔がつぶれず、しっかり描写されています。これはオートライティングオプティマイザという暗部を明るく補正する機能の効果で、初期設定では標準にセットされています。このオートライティングオプティマイザの効果がDIGIC7になって大きく進化したように思います。
ちなみにオートライティングオプティマイザをOFFにすると下のような写真になります。
かなり人物の顔が暗くなってしまいます。逆光での人物写真などではオートライティングオプティマイザはONにして撮影すると良いでしょう。
しかし、明暗差のある風景写真ではこのオートライティングオプティマイザの影響でメリハリがなくなってしまうようです。風景写真の場合はOFFにした方が良さそうです。
この写真はもともとオートライティングオプティマイザを標準にして撮影していたのですが、木の幹の暗部が明るく補正され、少し眠い写真でした。RAWで記録していましたので、カメラ内RAW現像でOFFにすると暗部がしまり思い通りの1枚に仕上がりました。
続いて高感度撮影です。
DIGIC7になり常用ISO感度がEOS M3のISO12800からEOS M5ではISO25600に1段アップしました。
ISO6400から高感度撮影のテストを開始です。
大阪ステーションシティにて、チルト式液晶を活用してローアングルで撮影しました。
このサイズでは画質、ノイズの量が比較しにくいので画面中央部分を拡大します。
ISO6400ではノイズがほとんど見られず、大きな屋根の細部まで見事に描写されています。
少しノイズが見え始めました。でもAPS-CサイズのISO12800での撮影ということを考えると驚きの高感度性能ではないでしょうか。
さすが上限感度になると、急にノイズが多くなり、一気に画質が低下してしまいました。
キレイな画質を保つならISO6400まで、緊急時にはISO12800まで使うのが良いと思います。
高感度でここまで画質がキレイだと、これからがシーズンのイルミネーション撮影などでバンバン使えます。
ということで、旬を先撮り! 少しだけ大阪駅周辺で撮影してみましたのでご覧ください。
高感度でもノイズが少なく本当にキレイです。
DIGIC7は上でご紹介しました逆光時の暗部補正や高感度撮影時のノイズ低減以外に、絞り込んで撮影する場合に発生しやすい回折現象などによる解像感の低下を軽減してくれます。
続いてはこれまた大きく進化したオートフォーカスについて見てみたいと思います。
EOS M5は「デュアルピクセルCMOS AF」という高速で高精度なオートフォーカスを実現しています。
今までミラーレス一眼では苦手としていた動く被写体でテストしてみました。
撮影モードはシャッター速度優先 SS1/500秒 サーボAF 高速連写にセットして撮影しています。
すべての写真にピントが合っており、正直この撮影結果には驚きでした。ミラーレス特有の残像残りやブラックアウトの時間もほとんど気になりませんでした。以前、EOS M3で動体撮影に挑戦しましたが、見事に惨敗しました。それから考えるとEOS M5のオートフォーカス性能は格段に良くなっています。
また連写性能もEOS M3と比較すると約2倍(AF固定で9コマ/秒、AF追従で7コマ/秒)になっており、高速AFと合わせてかなり使えます。
動きものついでに、流し撮りモードも試してみました。
流し撮りモードは撮影モード「SCN」の中にあり、流し効果は3段階あり大・中・小の中から選択できます。
私は流し効果を大にセットして撮影しました。
いかがでしょうか?躍動感あふれる写真がバッチリ撮れていますよね。
本来流し撮りをする場合は、シャッター速度優先にセットして、自分の経験と勘でシャッター速度を決める必要がありましたが、この流し撮りモードはカメラがパンニング速度や被写体の速度や方向を瞬時に解析して、最適なシャッタースピードにしてくれるので、手軽に流し撮りが楽しめます。オートフォーカスの追従性能も納得できるものとなっています。この追従性能はDIGIC7によるシーン解析の能力が大きく関係しているようです。
流し撮りモードの欠点はRAW記録が出来ないこと。RAWで撮影したい方は、シャッター速度優先モードなどでチャレンジしてください。
スナップ写真や風景写真などの一般撮影でのオートフォーカスについてですが、動く被写体でこれだけの力を発揮してくれているので、まったく問題がありません。EOS M3の時は明るくてコントラストの高い状況でも、たまにピントを迷うことがありましたが、今回私が撮影している中ではありませんでした。AFスピードは速く、精度も高いと感じました。
あえて欠点を言うならば、暗いシーンでのAFが少し弱いこと。
どのようなシーンかというと・・・
夜のグランフロントで水面に映り込む光を撮影した1枚です。
この写真を撮影する時はなかなかオートフォーカスが合いませんでした。ピントが合いやすいようにと、水面と向こう側の歩道の境目にAFポイントをセットしているにもかかわらず迷いました。測距最低照度が-1EVというところが影響しているのでしょうかね。
使用レビューは以上となります。
ここからは、EOS M5で撮影した秋の風景をご覧いただければと思います。
最後に、今回EOS M5を使用して感じたことは、オートフォーカス性能が素晴らしく進化していたこと。EOS M3ユーザーには申し訳ないのですが、比較にならないくらい進化しています。キヤノンだけでなく各社がミラーレス一眼に力を注いでいる動体に対してのオートフォーカス性能。正直、一眼レフを越えたとは言えませんが、かなり近づいてきた感があります。
また、DIGIC7による画質の向上も特筆すべきところで、フルサイズじゃなくても十分だと感じます。高感度性能はもちろんのこと、EOSのシーン解析システムはなかなか優秀で、オートで撮影しても失敗の少ない仕上がりになります。
使用していて少し不満に感じたことは、ファインダーがキレイ過ぎて仕上がりと大きな差があること。ファインダーを覗いて撮影し、液晶で画像を確認するとメリハリのない写真になっていました。ファインダーのコントラストが強いのでしょうね。EVF搭載のミラーレスではどの機種でもあり得ることですが、その差が大きいように感じました。
色々と個人的な意見を書きましたが、キヤノンのミラーレス一眼の最上位モデルとなりサブ機としてではなく、メイン機として使える1台になりました。
この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで