こんにちは。カメラ担当の池田です。
さて、今回も前回に引き続き、「オリンパスOM-D E-M1 MarkⅡ」の使用レビューをお届けしたいと思います。
前回の、第1回目では手ブレ補正の使用レビューをお届けしましたが、第2回目の今回はAF(オートフォーカス)と連写性能のレビューです。
E-M1 MarkⅡの大きな進化点としてAF性能と連写性能の向上があります。この性能がどれほどのものなのか、高速で走行する新幹線をテスト撮影してきましたので、写真とともにご紹介していきたいと思います。
まずは、そのオートフォーカス・連写性能がどれだけ良くなったのか。
少しスペックのご紹介をしておきます。
- 121点オールクロス像面位相差AFと高速画像処理エンジンTruePIC VⅢによりピント精度が大幅に向上。
- AFアルゴリズムの一新により動体追従性能が飛躍的に向上。
- AF/AE追従時で最高約18コマ/秒の連写。(※メカシャッター時は約10コマ/秒)
- AF/AE固定時は最高約60コマ/秒の連写。(※メカシャッター時は約15コマ/秒)
それでは、実写レビューといきましょう。
今回の使用レンズは「MズイコーED40-150mm/F4 IS PRO」と「1.4×のテレコンバーターMC-14」です。
新幹線でオートフォーカス性能を確認
撮影場所は新幹線が時速300キロで通過する山陽新幹線西明石駅です。
ピント追従しながら18コマ/秒で撮影するために、最低必要なカメラのセッティングですが・・・
- AF方式・・・C-AF(ピント追従)
- 連写モード・・・静音撮影(ハートマーク) 連写L
- 顔認識/瞳認識AF・・・OFF
- PROレンズを使用
- シャッター速度・・・1/1000秒以上
などが挙げられます。
まず最初は、上記セッティングの上、AFターゲット(AFエリア)設定を121点のオ―ルターゲットにセットして撮影開始。
最初のカットにはピントがバッチリ合っています。
しかし連写を進めて行くうちに・・・
最後のカットでは、先頭車両部分にピントが合っていません。
オールターゲットでは「AFが追いつかない」「迷ってしまう」といった現象がおきました。高速で走る新幹線、その上コントラストの低い車両ですので、仕方ないのかもしれません。
AF設定を変更してリトライ
被写体の動きに合わせて、カメラを横に振ったりする場合は、ターゲットエリアをグループ5点やグループ9点にすることで、AF精度は上がると思います。
しかし今回はある程度固定したフレーミングの中での追従性能をテストするために、AF方式をC-AF+TRに変更してリトライ。TRとはシャッターボタンの半押しでピントの合った被写体を、半押ししている間追尾してピントを合わせ続ける機能です。さらにAF精度を高めるために、C-AF追尾感度を+2(俊敏)にして食いつきを良くしてみました。
このタイミングでシャッターを半押しして、先頭車両にピントを合わせ、追尾するように認識させます。ここから追尾の開始です。
ここまではしっかり追尾され、そして最終カットがこれ!
コントラストの低い被写体ながらも、最後まで見事にピントを合わせ続けてくれました。C-AF+TRの設定はかなり精度が高く使えます。
暗くなってからのオートフォーカス性能はどうか。
高感度撮影でもキレイなE-M1 MarkⅡ。上の写真2枚はともにISO6400で撮影していますがノイズも気にならないですね。そして、これだけ暗くなってもAF精度は落ちませんでした。カタログには測距輝度範囲が表記されていませんので、どのくらい暗さまでAFが合うのか気になるところです。
まとめ:一眼レフ顔負けの動体撮影能力
以上、動体撮影にチャレンジしてみての個人的な感想ですが、今までミラーレスが苦手としていた動体撮影が一眼レフ顔負けのレベルにまで来ていると感じました。
AF速度・精度・追従性能・連写性能、さらにブラックアウト時間の短縮といった動体撮影に欠かせない部分がすべて進化していました。あるプロカメラマンが「もう一眼レフはいらない」と言ってるVTRを見ましたが、本当にそこまで来ていると私もそう感じました。
E-M1 MarkⅡのAF性能を上手く活かすには、AF方式やC-AF感度、AFターゲット(エリア)などを被写体に合わせて設定することで、さらにその実力・性能を発揮してくれるでしょう。
また、秒間18コマ連写時は電子シャッターになるものの、新しいセンサーとエンジンのおかげでローリングシャッター歪みも低減されているようです。今回、私が撮影した写真では、出にくい状況なのか、ローリング歪みは見られませんでした。
オートフォーカス、連写性能、ともに満足のできるものでした。もしチャンスがあれば、次は流し撮りに挑戦したいと思います。
この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで