こんにちは。 カメラ担当の池田です。
今年は雪が多くて、撮影にばかり出かけているような気がしますが、今回はソニーのα6000を持って雪の美山町へ行ってきましたので、その使用レビューをお届けしたいと思います。
ソニーα6000の発売日は2014年3月14日。今さら3年前に発売されたカメラのブログ?と思われるかもしれませんが、約3年たった今も発売されているのは「売れているから!」です。現在ではα6000の上位モデルとしてα6300やα6500も発売されていますが、α6000もかなりの高性能カメラですので、これで十分という方も多いのです。
ということで、まずは外観から・・・
コンパクトなボディでありながら、グリップはしっかり持てるようになっています。キットレンズのE16-50/3.5-5.6 PZもとてもコンパクトなつくりで持ち運びがとても便利!ウエストポーチにも入るサイズです。
フラッシュも内蔵されていて、いざという時にとても便利です。
カメラの背面を見てみましょう。
液晶はチルト可動式で、ハイアングルやローアングルなどの撮影が簡単に楽しめます。ファインダーは有機ELファインダーでとてもクリアで見やすく、快適に撮影が行えます。他社のファインダー付のミラーレス一眼は、レンズの光軸上にファインダーを設けている機種が多く、一眼レフカメラのようにカメラ上部が少し出っ張ってしまいますが、α6000はファインダーを左側に設けることで、ファインダーなしモデルのα5100と同じようなサイズとなっており、小型化を実現しています。ちなみに、ボディのみの重量はバッテリー、メモリーカードを入れた状態で約344gとかなり軽量です。
それではα6000の魅力に迫っていきましょう。
まずは簡単にスペック紹介から・・・
- 約2420万画素のAPS-Cサイズセンサー搭載
- 高感度もキレイ。常用ISO感度100~25600。
- オートフォーカスの速度と精度を両立させた「ファストハイブリッドAF」と179点AFセンサー。
- AF追従で秒間約11コマの高速連写を実現。
- 簡単にアート作品が撮れる13種類の「ピクチャーエフェクト」機能搭載
などなどです。
ここからは写真とともにα6000の使用レビューを書いてみたいと思います。
今回、雪を求めて訪れたのは、茅葺き民家で有名な京都府南丹市美山町。この季節は雪が積もり、2月末までライトアップされています。日本の原風景と雪のコラボレーションを撮影してきました。
撮影に使用しましたレンズは、ダブルズームセットのレンズでE16-50/3.5-5.6 PZ OSSとE55-210/4.5-6.3 OSSです。
まずはオートフォーカスと連写のテスト。
美山町へ向かう途中、山陰本線を走る特急列車を狙ってみました。
ここから連写開始です。
この間、しっかりピントを合わせ続けてくれています。
そして最終カットがこれ。
この鉄道写真の設定ですが、シャッター速度優先オートで1/1000秒にセット、フォーカスモードは被写体の動きに合わせてピントを追従してくれる「AF-C」に、フォーカスエリアはワイドエリアにセットして高速連写で撮影しています。
私の経験から、白い被写体の場合はピントをはずすことも多い中で、文句なしのオートフォーカス精度を見せてくれました。
フォーカスポイントが179点あり、そのフォーカス範囲は画面の大部分を占めていますので、最終カットのような被写体が画面中央にない場合でも、しっかりとピントを合わせてくれます。この点数の多さは動体撮影の追従性能もアップさせてくれているようです。
鉄道写真はこれくらいにして、美山町茅葺きの里へ。
ご覧通り雪景色。しかし少し残念だったのは、屋根に積もった雪が落ちてしまっていたこと。それでも背後の山には雪が残っており、まずまずの条件といったところでしょうか。
この写真を見て頂くと、2420万画素の力が良くわかります。茅葺き集落や山の木々の細部までキレイ描写されています。普通にLサイズや2Lサイズにプリントするなら、ここまでの画素数は必要なにのかもしれませんが、トリミングしたい時、せざるを得ない時には2420万画素はありがたいと感じます。
今回の撮影のメインは夕方からのライトアップですが、それまでロケハンを兼ねて集落内を散策。
まずは定番のスポットで1枚。郵便ポストの朱色がモノトーンの世界の中でいいアクセントになっています。この写真ではわかりにくいですが、元画像では拡大すると郵便ポストに書いてある「郵便」という文字まではっきり読むことができます。小さいカメラですが、解像度はかなりのものです。
集落を散策していると、茅葺き民家の何でもない風景に目が留まりました。雪国だなぁと感じることができるこの場所を普通に撮影したました。
でもイマイチおもしろくない写真・・・
ここでピクチャーエフェクト機能を使って味付けしてみました。
昔懐かしい雰囲気を表現するため「レトロフォト」にセットして撮影しました。日本の原風景にはピッタリの設定のようです。
ほぼ同じポイントから違う角度で撮影したのがこちら。
「レトロフォト」で撮影。
せっかくなので違うピクチャーエフェクトも試してみました。
「リッチトーンモノクロ」で撮影。
モノクロもなかなか雰囲気に仕上がりました。被写体やその時の状況に応じてピクチャーエフェクトを設定することで、写真表現に幅を出すことができます。ぜひお試しください。
ピクチャーエフェクトのことを書きましたので、クリエイティブスタイルという仕上がり設定について少し触れておきます。ピクチャーエフェクトは画像加工の一種で、大きく写真表現を変えることができます。それに対してクリエイティブスタイルという機能はフィルム選びみたいなもので、仕上がりの色を少し鮮やかにしたり、肌色再現を重視したりすることができます。そのクリエティブスタイルの中には「スタンダード」「風景」「ポートレート」「モノクロ」などがあり、ピクチャーエフェクトの画像加工のような表現をしたくない方にはオススメです。
そして、この場所でもう1カット!
茅葺き屋根にできた氷柱!
ここではピクチャーエフェクト機能はオフにして普通に撮影しています。ここで注目いただきたいのは、背景のボケの大きさです。やはりAPS-Cサイズセンサーを搭載した一眼カメラ!背景がキレイにボケてくれています。このボケはスマホでは無理ですよね。これが一眼カメラの魅力のひとつです。
そして待ちにまった夕方になりました。
茅葺き民家の屋根に雪が残っているところを切り撮ってみました。この写真はISO6400で撮影しています。ブログの画像ではわかりにくいかもしれませんが、3年前のカメラなのにノイズが少ないんです。正直、ISO6400ともなるとノイズは気にはなりますが、個人的には十分使える感度だと思います。
東の空を見るとおの月さんが!
標準ズームレンズで撮影していますので、月は小さく写っていますが、クレーターまでハッキリと描写してくれています。空の色再現もキレイです。
このキレイな月と茅葺き民家を一緒に撮影できる所がないか探し歩いていると・・・ありました!
しかし、月に露出を合わせると明暗差が大きくなり茅葺き屋根は真っ黒(シルエット)になってしまいます。これはこれで作品になるのですが、茅葺き屋根をもう少し表現したい。
そこでソニーの代表的な機能の一つ、Dレンジオプティマイザーを使用してみました。
Dレンジオプティマイザーという機能は明暗差のあるシーンに有効で、暗い部分(シャドー部)から明るい部分(ハイライト部)まで自然な階調表現に自動補正してくれる機能です。初期設定ではオートになっていますが、レベル1(効果弱)からレベル5(効果強)まで選択することも可能です。
ちなみに上の写真はレベル5で効果を最大にしています。ご覧いただければわかりますように、若干空の色も明るくなってしまいましたが、それ以上に屋根のシャドー部の階調を出すことができました。
ここではもう一つ、Dレンジオプティマイザーに似た機能を使用してみました。
それはオートHDR(ハイダイナミックレンジ)機能で、1回のシャッター(レリーズ)で露出の違う3枚の写真を撮影し、カメラ内で合成して階調豊かな写真にするというものです。Dレンジオプティマイザーのレベル5で撮影した写真と同じぐらいの効果が得られています。
それぞれの機能の使い分けですが、オートHDRは3枚の画像を撮影して合成することになりますので、動いているものを撮影するのには向いていません。その点、Dレンジオプティマイザーはあらゆる場面で使用できると言えるでしょう。
そろそろいい時間ということで、昼間も撮影した定番スポットへ。
背景の山にはガスがかかり幻想的な風景。
ISO3200で撮影していますが、ノイズも少なく思い通りに撮影することができました。暗くてもオートフォーカスは迷うことなくピントを合わせてくれました。ここでは少し青味がかった夕刻の雰囲気に仕上げるため、ホワイトバランスはオートではなく太陽光にしています。
ここからは、この日にα6000で撮影した写真を一気にご覧いただければと思います。
チルト式液晶を活用してローアングルで撮影すると、また違った雰囲気になります。
茅葺き集落のはずれにある神社。このようなボケが出せるのも一眼ならでは!
ピクチャーエフェクト「ハイコントラストモノクロ」で撮影。かなりコントラストが高くでパリッとした仕上がりになりました。撮影シーンにもよると思いますが、個人的には上でご紹介しました「リッチトーンモノクロ」が好みです。
ピクチャーエフェクト「トイカメラ」で撮影。周辺が暗くなって、これまた懐かしい雰囲気の写真に仕上がりました。
オートフォーカスの迷いやすい被写体でもしっかりピントを合わせてくれるα6000。雪の白の階調も良く再現されています。
ISO800で撮影。この感度ならバンバン使えます。個人的にはISO3200までが実用範囲で、ISO6400は少しノイズが気になるけど十分使えるレベル。それ以上はできれば使いたくないですね。
ちょっと番外編。
いきなり場所が変わって奈良(笑)
Dレンジオプティマイザ―はオートですが、五重の塔のシャドー部はつぶれることなく、満足のいく結果となりました。空もクリアに描写されています。
チルト式液晶を駆使して、鹿をローアングルで撮影。なかなか新鮮でおもしろい写真ができました。
以上、長々と書いてしまいましたが、ソニーのα6000は3年前に発売された機種とは思えないほど、本当に良くできたカメラです。
何が良いのか? まずはファインダー内蔵でありながら小型軽量を実現している点。小型で持ち運びが便利で、どこへでも持って行きたくなるカメラです。そしてストレスを感じることのないオートフォーカス性能。これはとても重要で、ピントが正確かつ高速でないと失敗や撮り逃しになってしまうのです。α6000は「ミラーレス一眼は動体撮影に弱い」というイメージを早い段階で払拭したカメラではないでしょうか。個人的にはそう思ってしまいます。
手ブレ補正のことについて少し触れておきます。α6000には手ブレ補正機能は付いていませんが、今回使用しましたキットレンズ2本ともレンズに手ブレ補正機能が付いており、1/15秒程度の低速シャッターなら十分手持ち撮影が可能です。この2本以外のEマウントレンズも手ブレ補正機能の付いたレンズがたくさん発売されていますので、心配する必要はないでしょう。
最後にお買い得情報!
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この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで