こんにちは、カメラ担当 吉冨です。
本日、ご紹介しますのは富士フィルムから2017年2月27日に発売されました「X-T20」です。
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左側が「X-T20」、右側が従来機「X-T10」
ご覧の通り従来機「X-T10」と、外観はそっくりです。
クラシカルで可愛らしいデザイン、サイズ感はそのままに機能面は大幅にパワーアップしています。
従来機「X-T10」から、進化した点としては・・・
- 「有効画素数約1630万画素→約2430万画素」画素数がアップしています。
- 画像処理エンジン「X-Processor Pro」搭載で処理スピードが約4倍速くなっています。
- 液晶は「タッチパネル対応」になっています。指で触れた場所にピントを合わせる「タッチAF」、ピントを合わせてシャッターを切る「タッチシャッタ―」、再生時には「スワイプコマ送り」や「ダブルタップ拡大」等、操作性が向上しています。
- オートフォーカス速度が向上しています。AFアルゴリズムの改良により高速かつ高精度のオートフォーカスを実現しており、コントラストAF時の読み出し速度は約2倍はやくなっています。
- AF-Cのカスタム設定を搭載。コンテニュアンスAF時のカスタム設定が出来る様になっているので、動きのある被写体の補足が高精度に行えます。
- 「4K動画」対応になっています。従来のフルHD動画に加えて、4K動画搭載で本格的な動画撮影が可能です。動画撮影時には従来通りフィルムシミュレーションを適用することができます。
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左側が「X-T20」、右側が「X-T2」
同社、フラッグシップ機「X-T2」と比較するとひとまわり小さいサイズ感です
上記のスペックをみて、お気づきの方もいると思いますがX-T2と、ほぼ同等のスペックを持っています。
では、フラッグシップ機「X-T2」と比較して、どこが違うのかといいますと・・・
- ファインダー倍率の違い、「X-T20は0.39型」「X-T2は0.5型」とX-T2の方が大きなファインダーを搭載しています。
- 防塵防滴使用の有無、「X-T2は防塵・防滴・耐低温」仕様になっています。「X-T20は非対応」です。
- メカシャッター使用時の最高シャッタスピードの違い「X-T2は1/8000」「X-T20は1/4000」まで対応しています。
その他にも、SDカードスロット数の違い(X-T20はシングルスロット、X-T2はダブルスロット)など他にも違う部分はありますがセンサーや画像処理エンジン等のベースの部分は同じものがついておりエントリー機とは思えないハイスペックな仕様になっています。
高感度テスト
この写真の中心部分を等倍で拡大して感度別で比較していきます。
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ISO 800
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ISO 6400
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ISO 12800
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ISO 51200
結果はISO 6400まで高感度ノイズが少なく常用できる範囲だと感じました。
さらにISO 12800でも高感度ノイズが出てくるものの、高い色再現力と適度なシャープさで実用出来る感度ではないでしょうか。
動体撮影
X-T20には、多彩なフォーカスモードが搭載されており被写体に合わせて最適なモードを選択することで、高い動体追従性能を引き出すことができます。
測距点は91点(最大325点)。高速AFが可能な位相差AF対応範囲は横50%、横75%の広い範囲の面積をカバーしています。
AFモードは1点ポイントの「シングルAF」、範囲を指定できる「ゾーンAF」、カメラが自動で判別してピントの合った範囲がわかる「ワイド/トラッキングAF」の3種類から選択できます。
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被写体に合わせた設定で高精度な動体捕捉が可能です。
「AF-Cカスタム設定」を搭載で、5つのプリセット設定から選択、さらには「障害物に強い」「加速減速に強い」など被写体の動きに合わせて最適なパラメーター調整もできるので、動体撮影がメインの方も満足いく性能になっています。
実際に「AFーC+ワイドトラッキング+連写」で動体撮影した写真が以下の4枚です。
ピントを外すことなく、しっかりと追っかけてくれます!
今回の被写体は、コントラストが低くピントを合わせるには少々難しいはずですが、ほとんどピントを外すことがなく高い動体追従性能をみせてくれました。
連写性能も約8コマ/秒と、X-T2と同等レベルです。
作例
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フィルムシュミレーション/ACROS ISO 200 SS1/60 絞り値F4
新に搭載されたフィルムシュミレーション「ACROS(アクロス)」も使うことができます。
階調豊かなモノクロ撮影が出来るので、エントリーユーザーの方も手軽に本格的なモノクロ撮影を楽しむことが出来ます。
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アドバンストフィルター/トイカメラ ISO 200 SS1/900 絞り値F2.8
アドバンストフィルターも8種類(トイカメラ/ミニチュア/ポップカラー/ハイキ―/ローキー/ダイナミックトーン/ソフトファーカス/パートカラー)から選ぶことができます。
フィルターを変えることで印象をガラッと変えることができるので、表現の幅を広げることができます。
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フィルムシュミレーション/PROVIA ISO 800 SS1/60 絞り値F4
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フィルムシュミレーション/ASTIA ISO 200 SS1/200 絞り値F1.8
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フィルムシュミレーション/クラッシククローム ISO 200 SS1/120 絞り値F4
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フィルムシュミレーション/PROVIA ISO 200 SS1/2700 絞り値F1.6
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フィルムシュミレーション PROVIA ISO 200 SS1/550 絞り値F5.6
まとめ
冒頭でも述べたように、「X-T2」との主な違いは「防塵防滴耐低温仕様」や「SDカードスロットの数」「ファインダー倍率の違い」などがあるので、それらの機能を必要としないユーザーのかたであれば「X-T20」はコンパクトなボディサイズに高い基本性能を持ち合わせている、素晴らしいカメラです。
上位機種「X-T2」と、ほぼ同等の基本性能でありながらカメラ任せのオート機能「アドバンストSRオート」や、直観的な操作ができる「タッチパネルディスプレイ」などエントリーユーザーには嬉しい機能がプラスされており、「これから新しくカメラを始めてみようかな」と考えている方にオススメの一台です。
この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 吉冨まで