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タムロン 10-24mm/F3.5-4.5 Di Ⅱ VC HLD (B023) 使用レビュー

こんにちは。 カメラ担当の池田です。

今回は今春2017年3月に発売されました、タムロンの新製品
10-24mm/F3.5-4.5 Di Ⅱ VC HLD (Model B023)の使用レビューをお届けしたいと思います。

35mm換算で16~37mm相当になる超広角ズームレンズです。

 

前モデルのSP AF10-24mm/F3.5-4.5Di Ⅱ (Model B001)からの大きな改良点は、手ブレ補正機能と高速AFを実現した新モーター「HLD」が搭載されたことでしょう。それでいて、重量はわずか34g重くなっただけで、大きさもほとんど変わっていません。

手ブレ補正効果は4段とかなり強力で、手持ち撮影を大きくアシストしてくれます。

新モーターのHLDは、駆動力に優れているモーターで、オートフォーカスも静かでスムーズ。そして高精度のピント合わせを実現しています。前モデルのB001は駆動音が気になりましたが、B023は全くと言っていいほど気になりません。またHLDによりフルタイムマニュアルフォーカスが可能となりました。

 

その他の改良点としましては、高画素時代に合わせた光学設計、簡易防滴構造の採用などが挙げられます。

 

それでは、実際に撮影した画像をご覧いただければと思います。ちなみにカメラは私の愛用しているキヤノンEOS7D MarkⅡです。

 

まずは描写のチェックから。

10mm F3.5 ISO100で撮影

10mm F8 ISO100で撮影

広角側の開放F値で出やすい周辺光量落ち。この写真以外でもテストしましたが、開放F値でも気になりませんでした。F8ではもちろんのこと周辺光量落ちはありません。

 

画質をチェックするため、両方の写真の中心部分を拡大してみます。

10mm F3.5 ISO100で撮影分の拡大画像

10mm F8 ISO100で撮影分の拡大画像

この画像サイズではわかりにくいかもしれませんが、パソコンでさらに拡大して見ましても、F3.5とF8で撮影した画像の差はほとんどありませんでした。開放側からでも、十分な画質が得られるレンズと思って良いと思います。

 

続いて、周辺部の画質について見てみましょう。

F8で撮影した画像の右下を拡大してみます。

周辺部は像が少し流れたようになっています。超広角レンズではありがちな現象で、拡大しなければわからないことですが、ちょっと気になります。

 

次は違う画像で、歪曲収差について見てみましょう。

10mm F6.3で撮影

若桜鉄道の八東駅のレトロな待合室を撮影した画像です。左右をご覧いただけえばわかりますように、若干ですが樽型の収差が見られます。しかし、ズームレンズでは歪曲収差がないレンズのほうが稀で、収差はあって当たり前のところがあります。しかも、超広角ズームの広角側でこのレベルの収差なら優秀ではないでしょうか。

 

そしてもう1枚。

15mm F6.3で撮影

これまたレトロな駅舎の若桜鉄道安部駅です。木製の改札口がとても良い雰囲気です。ここではズームの中間域15mmで撮影しています。この焦点距離なら、ほとんど歪曲収差はありません。色々撮影しましたが、結果として収差がやや目立ったのは広角側だけでした。

 

次は逆光耐性のテスト。

10mm F8で撮影

万博公園の大きな木に近寄って見上げて撮影した1枚で、雲の隙間から太陽が顔を出した瞬間に撮影しています。かなり強い光でしたので、小さなゴーストが見えますが、タムロン独自のBBARコーティングのおかげで最小限にとどめていると感じます。他のレンズで同じ状況ではテストしていませんが、この状況だと少しのゴーストが出て当然?のような気もしますので、十分使えるレンズと言えるでしょう。

 

描写のチェックはこれくらいにして、次は超広角レンズの魅力として最短撮影距離が短く、被写体に寄って撮影する、いわゆる広角マクロ撮影のご紹介です。

このレンズは最短撮影距離が0.24mで、最大撮影倍率は1:5.3とかなり接写ができます。

広角マクロ撮影ってどんな写真が撮れるのかと言いますと・・・

13mm F8で撮影

10mm F3.5で撮影

上の2枚はともに最短撮影距離付近まで近寄って撮影しています。通常のマクロレンズとの違いは、背景にあります。通常のマクロレンズは背景をボカして撮ることが多いと思いますが、広角レンズでのマクロ撮影は、背景を大きく取り入れることができ、どのような場所に花が咲いているかを表現することができるのです。せっかく遠くまで撮影に行って、花のアップだけ撮っていてはもったいないですよね。広角レンズは広い風景をただ広く撮るだけではありません。撮りたいと思う主役の被写体に近寄って撮影することが作品づくりの第一歩となります。

また、この写真は2枚ともかなり厳しい体勢で撮影していて、カメラを構えている私はかなり不安定な状況でしたが手ブレ補正効果もあり、ブレることなく撮影できました。

今回は低速シャッターでどこまで手持ち撮影できるかテストできませんでしたが、4段補正ということを考えますと、夜景撮影などでも活躍することは間違いないでしょう。

 

ここからは、10-24mm/F3.5-4.5 Di Ⅱ VC HLD (Model B023)で撮影した、その他の写真をご覧ください。

19mm F8で撮影  鳥取県若桜町若桜駅にて

13mm F8で撮影  鳥取県若桜町若桜駅にて

10mm F8で撮影  鳥取県若桜町若桜駅にて

若桜鉄道の終着駅である若桜駅には多くに桜があり、SLと桜を絡めた撮影が楽しめます。給水塔や転車台も残り、鉄道ファンにはたまらない場所です。何度も訪れている場所ですが、今回は超広角レンズで、日頃は撮影しない画角で色々撮影を楽しみました。超広角は新鮮でいいですね!

 

13mm F4.5で撮影  滋賀県高島市にて

24mm F8で撮影  滋賀県高島市にて

13mm F5で撮影  滋賀県高島市

4月中旬、桜満開の滋賀県高島市。ここでも超広角レンズの世界を楽しみました。高島市の今津町あたりには、大きな桜の木があり、超広角レンズが活躍します。

 

以上が実写レビューとなります。

最後にまとめとしまして・・・

ユーザーが前モデルから改良して欲しいと思うところが、すべて改良されているというのが第一印象で、描写や手ブレ補正機能だけでなく、外観も高級感たっぷりで、簡易防滴構造や防汚コートも嬉しい限りです。撮る楽しみだけでなく、持つ喜びも与えてくれる、そんな1本です。

そして、やはり超広角レンズの世界はおもしろいです。実際にレンズを装着してファインダーを覗かないとわからない世界。ぜひ、みなさんに超広角レンズの魅力を感じて頂きたいと思います。

 

この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで

 

 

 

 

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