昔々ある漫画で言われていました・・・
「逆光は勝利」byたわば先輩
今回は逆光シーンをドラマチックに撮影できるポイントを3つ紹介します。
1.逆光とは
図のように、被写体の背後に光源があってカメラ(撮影者)に向かって指す光の事を逆光といいます。
この逆光、撮影がむつかしいために 「良くない印象」を持っているかた多いのではないでしょうか。
良くない印象の理由をあげると
- メインの被写体が暗くなる
- 露出(明るさ)の調整が難しい
- 明暗差が大きい為、出来上がりの写真をイメージしにくい
などがあげられます。
反対に、この3点を改善すると逆光を味方につけてドラマチックな写真を撮る事が出来るようになります。
それでは早速、「ドラマチックに撮影できる、逆光時の撮影ポイント3つ」をご紹介します!
2.逆光撮影ポイント
☆ポイント①「露出(明るさ)にこだわるべし!」
逆光の撮影時に一番重要だといっても過言ではないのが「測光方法」になります。
測光方法とは 「カメラが明るさを決める時に判定する場所や方法を指定する設定」のことで、代表的な測光方法は以下の3つが挙げられます。
1.マルチパターン測光(評価測光&分割測光)
写真の広い範囲を複数に分割して明るい部分、暗い部分を判断してバランスをとる測光方式です。
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マルチパターン測光
2.中央部重点測光
写真の中央部分(約10~12mmの範囲)に重点を置いて、明るさを判断する測光方式です。
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中央部重点測光のイメージ
3.スポット測光
写真、中央部の狭い範囲で明るさを判断する測光方式です。
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スポット測光(中央指定のイメージ)
主にこの3つがありますが、逆光時にオススメ設定は
「スポット測光」
スポット測光を使うことで、中心部の狭い範囲をピンポイントで測光することができ、周りの明るさに影響を受けないのでポイントとなる被写体が黒潰れすることなく撮影することができます。
メインとなる被写体が中心部のスポットにない場合は 「AEロックボタン」を使うことで上手く撮影することができます。
さらに一眼レフユーザー・ミラーレスユーザーの方に、ぜひ使って頂きたいのが「ライブビュー機能」です。
ライブビュー機能を使うことで良い点は
- 写真の明かるさを確認しながら撮影できる
- 背景のボケ具合を確認しながら撮影できる
- 太陽(光源)を光学ファインダーで覗いて撮影するよりも目の負担が少ない
ミラーレスユーザーの方は無意識に使っている機能ですが、一眼レフユーザーの方は使う機会が少ない為に、その便利さにお気づきでない方も多いのではないでしょうか。
撮影後の写真の明るさをイメージしやすくなるので、逆光撮影時には「ライブビュー機能」がオススメです!
☆ポイント② 「露出決定は思い切ってするべし!」
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写真①
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写真②
写真の①と②は、同じ場所・同じ時間に撮った写真です。
違うのはカメラの設定だけなのですが、印象のまったく違う写真になります。
露出(明るさ)を意識するとは
- 写真①のように、メインの被写体を暗く(シルエット)にする
- 写真②のように、メインの被写体に明るさを合わせる
メインの被写体を暗くシルエットにすることで、立体感や存在感を表現することができます。朝陽や夕陽の撮影時に良く使う手法です。
逆にメインの被写体に露出(明るさ)を合わせて撮影すると、全体的にハイキー調のやわらかい雰囲気に仕上げることができます。ポートレートや花などの撮影にピッタリです。
そして一番やってはいけないのが、どっちにも露出があっていないという中途半端な露出決定です。
メインの被写体に露出を合わせるのか・シルエットにするのか、仕上がりのイメージを持って撮影することが重要です。
逆光シーンの撮影では「思い切った露出決定」が、とても大切なポイントになります。
☆ポイント③「ホワイトバランスで非日常的な雰囲気をつくるべし!」
ホワイトバランスとは、白いものを白く写すために色味を調整する機能の事をいいます。
本来は白色に調整する機能ですが、あえてカラーバランスを崩すことで「自身のイメージしている写真に近づけることができる機能」でもあります。
逆光時はホワイトバランス設定を変えることで、ドラマチックでより印象的な写真に仕上げることができます。
この写真の「ホワイトバランス」を変えてみましょう。
ホワイトバランスを変えるだけで印象が大きく変わりますよね!
ホワイトバランスで印象を変えるパターンは沢山ありますが・・・
- 「青味」を強くしてクールな印象
- 「赤味」を強くして暖かみ・懐かしい印象
- 「白く調整」+「露出オーバー」で幻想的な印象
この他にも数多くパターンがあり、簡単に写真の印象を変える事ができるので、色々挑戦してみても面白い機能です。
ホワイトバランスを変える方法は主に2種類ありまして・・・
- ケルビン設定(光の色を数値で表した単位)「大きい数値:青味が増す」 「小さい数値:赤味が増す」
- シーン設定「青味:白熱電球>蛍光灯>太陽光>曇り>日陰:赤み」
エントリーモデルの一部の機種ではケルビン設定できないカメラもあるので、そういった場合はシーン設定で色温度の調整をおこないます。
ホワイトバランスを変えて日常をドラマチックに写しとりましょう!
3.作例
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使用カメラ:X-T10 WB:5500K 露出補正:+2
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使用カメラ:X-T10 WB:3700K 露出補正:+1.5
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使用カメラ:X-T10 WB:3000K 露出補正:-1.5 「セピア」
4.まとめ
逆光シーンをドラマチックに撮影する際のポイントは3つあげられます
- ライブビュー機能をつかい、写真の出来上がりをシュミレーションする
- 露出決定は思い切る
- ホワイトバランス調整で、非日常的な雰囲気をつくる
以上のポイント3つを意識するだけで逆光シーンを味方につけてドラマチックな写真がとれるようになります。
今まで逆光シーンに良くない印象をお持ちの方も、トライしてみてはいかがでしょうか。
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