こんにちは。カメラ担当の池田です。
今回はフジフィルムのXシリーズ用単焦点レンズ、フジノンXF56mmF1.2Rの使用レビューを書いてみたいと思います。
このXF56/1.2RをXシリーズのボディに装着すると、画角は35mm換算で85mm相当になります。
いわゆるポートレートレンズですね!
もちろんポートレートだけでなく、幅広い分野で使えますよ。数日間、このレンズを使用して色んなシーンを撮影してきましたのでご覧ください。
まずは人物写真(ポートレート)から。絞りF1.2の開放で撮影。
背景には桜の木の枝がありますが、キレイにボケてスッキリしています。さすがはF1.2のボケ味です!
続いては紅葉撮影に行った時の写真です。標準ズームレンズのXF18-135/3.5-5.6Rとの比較をしてみました。
まずはそのXF18-135/3.5-5.6Rの写真から。ズームレンズですが、焦点距離は56mmぐらいにセットしています。
この時の開放F値は5.0です。そして次はXF56/1.2Rで撮影(F1.2)した写真です。
どうですか? ボケの違いはすぐにわかりますよね! 背景のもみじがキレイにボケています。
その他にも……落ち葉や前ボケを活かした写真なんかも撮れちゃいます。風景写真の分野でも十分使えますよ!
そして今が旬のイルミネーション写真も作例をお見せしていきます。ここでは、ボケ味を比較をしてみました。
まずは開放絞りF1.2で撮影した写真①です。点光源の円形ボケが大きく表現されてキレイです。
このレンズは開放でも優れた描写力を発揮するのですが、次の写真は、あえて少しシャープ感を出すため、F2.8に絞って撮影した写真②です。被写界深度が若干深くなり、シャープ感も出ています。しかし、残念なのが点光源が円形ボケでなくなってしまったこと。
拡大して比較してみましょう! まずはF1.2の拡大写真③。
キレイな円形のボケになっています。
次がF2.8の拡大写真④。どうですか?
一見キレイに見えますが、良く見ると、円形ではなく8角形ぐらいのボケになってますよね。
円形7枚絞り羽根を採用しているのなら、もっと円形にボケて欲しいと感じます。
それともう1つ辛口評価をいたします。それは、開放F値の時に起こる口径食です。
上の写真④のように中心部分は本当にキレイな円形ボケになりますが、画像周辺部には口径食が見られます。
口径食とはどんな現象か……?
写真①の右上部分を拡大してみます。
中心から離れたボケがラグビーボールのような楕円になっています。これが口径食です。
このレンズだけに起きる現象ではありませんが、高価なレンズだけに辛口評価をしているだけです。
もう1枚の作例写真をご覧ください。
梅田茶屋町キャンドルナイトの写真です。同じように右上を拡大してみます。
この写真は少し絞ってF1.6で撮影しています。
一般的に口径食は絞れば軽減されるのですが、F1.6でも出ています。
これ以上絞ると円形ボケではなくなりますので、絞りの選択が難しいところです。
そんなこんなで少し扱いの難しいレンズかも知れませんが、点光源が入らなければボケ味はとてもキレイです。
更に上質のボケ味を求めるなら、先日発売になりましたXF56/1.2R APDがおすすめです。
このレンズはアポダイゼーション(APD)フィルターを搭載して、今回紹介しましたレンズよりさらに滑らかなグラデーションのあるボケを実現しています。
もちろんその分、高価になりますが……。また機会があれば、この新しいレンズも試してみたいと思います。
最後にXR56/1.2Rで撮影した写真をご覧ください。まずは大阪ステーションシティにて。
F1.2で撮影。
F2.0で撮影。
F2.8で撮影。
F2.0で撮影。
共通データ:カメラボディ・・・X-T1 手持ち撮影
今年の12月は異常気象と言えるぐらい寒いですが、風邪をひかないよう防寒対策をして撮影を楽しんでくださいね。
この記事に関するお問い合わせは・・・心斎橋本店 カメラ担当 池田まで