レトロフォーカス対対称型【レンズグルメ番外編】

さて、久々のレンズグルメは広角玉でよく取り上げられる「レトロフォーカスタイプ」

最近デジタル機のセンサー精度の高まりを受けて、各社「大型化してもとにかく精度高いレンズを!」と単焦点、特に広角玉でよく採用されています。

先日、まえだもディスタゴン35/1.4ZF.2の紹介で取り上げましたが、「ミラーが有ってバックフォーカスの取れない一眼にはレトロフォーカス、ミラーが無い分バックフォーカスの取れるレンジファインダ機には対称型」と触れましたが、これ、ミラーが無い「ミラーレス機」はどうなの??という事で試してみました。

「ディスタゴン」対「ビオゴン」

カメラは現状最強ミラーレス機の呼ばれ高い「SONY α7R」

歪曲、周辺光量の各種補正はOFFで試写してみました。

まずはディスタゴン。現行バリバリの「コシナ ツアイス  ディスタゴン25/2 ZF.2」で行ってみました


なんともはや「鮮鋭」の一言。広角玉特有のタル収差はわずかに見られますが25mmというミリ数を考えれば十分な像再現ではないでしょうか。

開放近い域からしっかり勝負出来る、素晴らしい解像力。

本当にサイズくらいしか欠点が見当たらない1本。

さあ、お次はビオゴン。名レンズの代表格「コンタックスGビオゴン28/2.8」・・・さてどうでしょうか


作例2はかなりええ勝負してくれますが、作例1、3では周辺ピント流れと光量落ちそしてマゼンタかぶりが・・・周辺部になればなる程入射光角及び像がななめになって行き出て来るのが原因、画素数が上れば上がる程画素1ピッチ当たりが小型化するのでより顕著に表れるのだとか。

という事は・・・画素数の低いα7や7Sではとなりますが、実際そちらではマゼンタかぶりは多少ながら抑えられるそうですが、ピン流れや光量不足は抑えられない様です。

もちろん、フイルム時代の設計とデジタル時代の設計の差というのもありますが、光学特性の厳しくなる分大きくなっても「バックフォーカス分」設計に余裕の持てるレトロフォーカスタイプがミラーレス機のレンズにも採用されている理由がわかった感です。

さて・・・こんな感じでまたレンズグルメやりましょうか

神戸元町 まえだ