SONY α7使用レビュー【マウントアダプタ編】

さて、今回のレビューはSONY α7

今年の11月で発売後2年になるのですが、「お値打ちフルサイズ機」というだけでなく「フルサイズミラーレス機」として今なお人気の一台。

まえだ、フルサイズ機ではニコンDfにどっぷりですが、このα7やっぱり魅力を感じるのがそう

「マウントアダプター遊び」

何度か採りあげさせて頂いておりますが、このマウントアダプタ遊びでよく耳にしますのが

「広角玉をつけたら周辺部がかぶる!」

実際こんな感じ・・・

この現象、マウントアダプタ遊びでも人気の高いレンジファインダ用広角レンズに現れる事が多いのですが、原因の一つとして、レンジファインダ用の様なバックフォーカスの少ないレンズになると、周辺部のセンサーに対しての入射角が鋭角になりいわゆる「斜め光問題」が顕著に表れてしまうからなのです。

その中でも、センサーに組み込まれている赤外カットフィルターは斜めに入って来ると「赤外波長の吸収力が弱まってしまう」という特性があり、その上にセンサーはフイルムと違って「赤外波長にもしっかり反応してしまう」特性から周辺部色カブリも出てしまうという、困ったちゃんな事態に。

フイルムはというと、赤波長自体弱い波長で、反応が鈍いのでそう影響は無かったのです。

もちろん、フイルムも赤波長に反応する様パンクロマチックタイプが今の主流なのでしっかり色も出ます。

このあたり、フイルム現像、焼き付けをされた方はピンと来るところだと思います(分からなかった方、「東芝暗室用電球」などで検索されれば「ををっ!」と分かるかも・・・)

もちろん、最近のレンズとなるとレンジファインダ用といえ対策が施されておりフォクトレンダー スーパワイドヘリア15mmの様に「フルサイズデジタル機に使う」という前提でモデルチェンジをされる、新製品を展開されるメーカーさんもあります。

それ以上に、「Gビオゴン21mm使いたい!」などが「マウントアダプタ遊びの醍醐味」。

それに応えるべくSONYさん、α7のアプリPlayMemories Camera Appsの拡張アプリで「レンズ補正」なるアプリを展開されています。

有料アプリにはなるのですが、色カブリだけでなく、周辺光量落ちや倍率や歪曲といった各収差補正も出来るそうで、「色カブリだけ除きたい」なんて使い方にも有効かと。

さて・・・まえだはこのアプリを入れたのかと言われると・・・すみません、入れておりません!。

収差や光量落ち、良くも悪くも「個々のレンズの特徴」でもあります。

ヘクトール28mm/6.5の周辺落ちや、ズミルックスM35/1.4ファーストの「どうしようもないまでの暴れっぷり」を取り除いてしまっては、面白みも何もなくなってしまうとあって、あくまでも「味付け、どうしようもない部分に限定して使う」というのが面白いかもしれません。

最後に、少しオールドレンズ達の作例を・・・カメラ内設定で補正等全てオフにしております

ズマロンL35/2.8 ズミクロンに比して人気は低くなるのですが、正直まえだこのレンズをなめてました・・・開放からでもしゃきっとした描写。それよりも、強い光線が入ってもしっかりコマフレアも目立たず再現するところはさすがです。

続いてはエルマーL9cm/4。戦前のレンズですが、シャドー部や周辺部までしっかり再現してくれる1本。魅力はコンパクトさにもあるでしょうか

ヘクトールL13.5cm/4.5

これまた戦前モノですが、先程の9cmとは違い結構軟調な描写。色味もしっとり、派手な発色お好みの方には少し物足りないかも

そして、最後は標準玉・・・

ズマリットL5cm/1.5

ズミルクス登場までの「高速レンズ」。ツアイスの「高速ゾナー」へのライバルとして有名ですが、「甘い」「ボケ玉」「暴れる」と低評価・・・レンズ硝材の関係でキズつきやすいというのも今イチ評価な理由かもしれませんが、使いようによっては素晴らしい描写。

まえだ、帰宅時のスナップ、「夜スナ」が好きですが、この低照度時の絶妙な描写はズミルクスやノクチを「優等生」「単機能決戦兵器」とするとズマリットは「真打はここ一番で最大の力を発揮する!」といったところでしょうか。

でも、まえだこの「軟調」なところを逆手に取ったポートレートがこのレンズで一番好きな点

この「暴れっぷりの中にどんぴしゃ来る点」な描写、たまりません。

神戸元町 まえだ