さて、今回は新製品レビューということで、ニコンAFS105/1.4Eをご紹介させていただきます。
ニコンさん、昔からこの105mmという焦点距離には殊の外力を入れておられ古くはSシリーズ用の10.5cm/2.5に始まり、ニコンF登場時にFマウントに再設計されたオート10.5cm/2.5に始まる105/2.5シリーズ、Ai化された際に登場した大口径ながらコンパクトかつ軽量ともてはやされたAi105/1.8S、そして外せない所のマイクロニッコールの105mmシリーズ。
今回の105/1.4Eはこの先のレンズ達が築きあげた集大成と言っても過言ではないでしょうか。
このシリーズの設計者というと10.5cm/2.5は日本光学が誇る名設計者脇本善司氏の設計、後の105/2.5は脇本氏の愛弟子たる清水義之氏、Ai105/1.8Sは清水氏と同時期に数々のレンズ設計に当たられた綱嶋輝義氏。
そして今回のAFS105/1.4Eは先のレンズ設計者の流れを引き継ぎ、かの「現代版ノクトニッコール」AFS58/1.4Gに代表される今の「名ニッコールレンズ」を数々世に送り出されている佐藤治夫氏の設計となると発表時から「期待せずにはいられない」ニコンファンの方も多かったかと思います。
前置きが長くなってしましましたが、このレンズのカタログスペックだけ見ても並のレンズで無いと思わせるもの。
レンズ構成9群10枚
フィルター径82mm
重量985g
正直な感想「でかい!」
その大きさは・・・
私の相棒Dfに装着するとなかなかの存在感。
D810でも結構大きい……。
しかししかし、組んでみると以外と重さを感じない辺りはさすがです。
それ以上に最近採用されている電磁絞りの静粛性の高さは「本当に動いているの?」というくらいのもの。
ポートレートで被写体に意識させないや余り大きな音をさせられない環境での撮影、そして動画撮影と活躍してくれそうな感です。
では実写レビュー。
この大口径を活かせるのはやっぱり夜間!まえだ帰宅時に店まわり特に旧居留地まわりをプラプラ撮って歩くのが大好きですので、そこからの作例を。
カメラ Nikon Df シャッター1/12 絞りF1.4 ISO1400
この感はやはり大口径ならではのピント来たところの鮮鋭さとボケ感。特に背景の溶けるような入り方が気持ちいい。
カメラ Nikon Df シャッター1/60 絞りF1.4 ISO1600
少し引きを取っても立体感を作りあげられる所、スナップで中望遠というのもなかなか。
カメラ Nikon Df シャッター1/125 絞りF1.4 ISO1600
特にパターンの続くような背景はガチャガチャしがちですが、じんわりと入って行くこの感と、ナノクリスタルコートレンズのヌケの良さは格別。
カメラ Nikon D810 シャッター1/60 絞りF1.4 ISO1400
こういうコントラストのきついものでも破たんすることなく再現するあたりは秀逸。
カメラ Nikon D810 シャッター1/250 絞りF1.4 ISO1600
点光源のサジタルフレアの少なさ、AFS58/1.4Gの兄弟レンズといっても過言ではないかと。
カメラ Nikon D810 シャッター1/125 絞りF2.0 ISO1600
カメラ Nikon D810 シャッター1/125 絞りF2.0 ISO1600
105mmと言えばやはりポートレート、身震いするような細かい再現力を持った凄まじいレンズ。
今回、帰宅時に毎日のごとく連れ回しておりましたが、正直カタログスペック程の重量感は先にも触れましたが、撮影中には感じさせられないバランスの取れた設計と重量配分で「ちょっと一枚撮りましょか?」みたいなシチュエーションでも気軽に使えるもので、多くが開放から、絞ってf2止まりですが、本当に開放から勝負できる内容のレンズでした。
携行性という点では大ぶりで少し機動力では劣りますが、大口径ズームレンズの事を思うとそうでもない感じで普段単焦点レンズメインの方には是非ともお持ちいただきたいとまえだ感じた次第です。
機会あれば、昼間の写真もご紹介できればと思います。
さて・・・次は何のレンズを試しましょうか。
神戸元町 まえだ