オリジナルの良さ【ニコンS3】

最近フイルム機を採り上げる比率が高い気がしますが、今回もフイルム機

ニコンS3

今を遡る事17年前。西暦2000年記念の「ミレニアムモデル」をカメラメーカー各社発売しておりましたが、ニコンが発売したのが「ニコンS3 2000年記念」。

ただ出すだけでなく、当時の製法や技術を限りなく忠実に再現したモデルとあって注目を集めたものです。

ニコン社内でも「過去の技術を未来に継承する」という目的を兼ねていた様でなかなかに意義深いものだったものです。

さて、そこで今回ご紹介のS3はオリジナルモデル。

2000年記念モデルは「限りなく忠実に再現した」という事で今回のオリジナルと少し違う点がありますのでご紹介。

感度表記が違う

オリジナルモデルでは「ASA」表記ですが、2000年記念は「ISO」。これは現代の感度表記が国際規格で統一されている点からであり致し方無い所ではあります。

メッキが違う

オリジナルモデルと比較し2000年記念は少し白っぽい……先日採り上げた「FM3A」の様な風合い。

当時のメッキ技術は現代では公害規定に引っかかってしまうので、オリジナルモデルの少し青みがかったメッキは再現出来ないとか。

そして……

Nikonロゴの位置が違う!

これ、微妙な所ですがオリジナルモデルを見慣れていて2000年記念モデルを見ると「何とも言えない違和感」を覚える所。

まえだも実際2000年記念とオリジナルのロゴ位置を測ったのですが、僅かにですが2000年記念モデルのロゴ位置が高い!。

後は各部仕様が「S3追加生産型」にならっているとか有りますが、オリジナルモデルを忠実に再現した素晴らしいモデルだった2000年記念モデル。

現代のカメラと言う所で安心して使える2000年記念モデルももちろん良いカメラですが、「ライカM3にはどうあがいても同じ土俵では勝てぬ。しかし、日本光学の持てる技術をつぎ込む!」と送り出したSPの姉妹機として日本光学レンジファインダー機の最終期を飾った、そして……数年後のニコンF登場で歴史的大転換を成し遂げる日本光学、いやカメラ激動期に産まれたオリジナルモデルにまえだひかれてなりません。

お値段税込89800円です

神戸元町 まえだ