今回はフォクトレンダー ULTRON Vintage Line 35mm F1.7 Aspherical VMについての商品レビューをお届け致します。
歴史的な名作とされるクラシックレンズを範とするスタイリングに、現代的設計の光学系を組み合わせた“ヴィンテージライン”の準広角レンズ。非球面レンズの採用で、絞解放から優れた光学性を発揮します。
※コシナホームページより
※ボディはライカ M (Typ240)を使用しております。
シャ-プネスはOFF、彩度・コントラストは中にしております。
今回はちょっと遠出をして、神奈川県・鎌倉から江ノ島まで歩いてみました。
先ずは鶴岡八幡宮を越えて鎌倉宮へと参りました。
ちょうど巫女さんが舞の練習をしておりました。
明暗差が強く、明るい部分が白飛びしており、パープルフリンジも出ております。
こちらは「厄割り石」に使う素焼きの盃。これに息を吹きかけ、隣に置いてある石に投げつけて割ると厄除けになるそうです。
素焼きの細かいザラザラとした質感がしっかりと描写出来ており、微妙な色味の違いも表現出来ております。
鎌倉宮を後にして通り過ぎた鶴岡八幡宮へと歩を進めます。
この後に何かしらの儀式を行うようです。神聖な領域なのでしょう、場の空気が違いました。
奥の木の葉っぱ一枚一枚の描写も素晴らしいです。影の部分は完全に潰れてしまっている箇所もありますが、潰れるか潰れないかの微妙な部分は潰れておらず描写出来ております。
こちらでは儀式の準備をしていると思われる巫女さんが。
巫女さんが着ている袴の朱色、実際の色味として表現できております。開放F1.7での撮影ですが、とてもシャープな写りです。
ここから海岸方面へ。
途中、海から離れて裏道へ。ここにきてやっと晴れてくれました。
江ノ電は住宅の間を縫うように走っているので、この様な小さい通りにも小さな踏切がポツンと設置されています。
そして再び海岸へ。
こちらの写真は開放F1.7の撮影。他のF1.7の写真と比べると周辺光量落ちが目立ちますが、画的に白さが際立つ写真となりました。何度見ても開放でのシャープさが際立っていて大変素晴らしいです。周辺考量落ちも少し絞れば目立たなくなります。
逆光での撮影。これ以外にも色々な逆光で撮影しましたが、全くフレア・ゴーストは発生しませんでした。全く以て素晴らしい耐逆光性能です。
雲間から薄く差す天使のはしごが雄大さを引き立ててくれています。
毛の一本一本を写し取る描写力には舌を巻きます。
こちらは最短撮影距離0.5mでの撮影。商品仕様には距離計連動範囲0.7mと表記されておりますが、ライブビューでの撮影が行えるカメラは0.5mでの撮影が可能です。現行のライカレンズの最短は0.7mでたった0.2mの違いですが、その0.2mがとても役に立ちます。
ここから秋葉原へ戻ると辺りは真っ暗に。
F1.7の恩恵はやはり夜に生かされます。昼間のシャープさよりも夜間のシャープさの方がより際立って見えます。
最後に。
描写力は上記に何度も書いておりますが、本当に申し分ないレンズです。コシナさんがデジタルカメラでの使用を考慮して新設計で作られたレンズ。技術の素晴らしを感じました。
ラインナップはブラックとシルバーの二つで、ブラックモデルはブラックアルマイト仕上げ238g。シルバーモデルは真鍮でクロームメッキ仕上げ330g。今回はブラックをメインで使用しましたが、一日気にならず首に掛けて使用しました。シルバーはやはり重さを感じますが、手にした時の感触やレンズの質感を感じられる上品さがあります。
ヘリコイドも滑らかに動くよう設計されており、実際、微妙なピント調整が可能でした。
商品仕様
焦点距離 |
35mm |
口径比 |
1 : 1.7 |
最小絞り |
F16 |
レンズ構成 |
7群9枚 |
画角 |
62° |
絞り羽根枚数 |
10 枚 |
最短撮影距離 |
0.5m |
距離計連動範囲 |
∞~0.7m(カメラにより異なる) |
最大径×全長 |
φ53.0×50.9mm |
フィルターサイズ |
φ46mm |
重量 |
シルバー330g、ブラック238g |
カラー |
シルバー(真鍮製) 、ブラック(アルミ製) |
レンズフード |
標準フード付(別売フードLH-9 S/B) |
担当:88(B1)