こんにちは。 カメラ担当の池田です。
今回はとっても気になる撮影用品の使用レビューです。
その商品は、風景写真家にとっては強い味方になるであろうケンコーの新製品フィルター「ZX(ゼクロス)C-PL」です。
ZX(ゼクロス)フィルターの特長は、平面性に優れ、レンズの性能を落とす事のないように設計された高品位フィルターです。
これまでにプロテクトフィルター、NDフィルターが発売されていましたが、今回そのゼクロスシリーズにC-PLフィルターが仲間入りしました。
PLフィルターは風景撮影では必需品で、コントラストを高めて色彩を鮮やかにしたり、葉っぱや水面、岩などの反射を除去したりと、色んなシーンで使用することの多いフィルターです。
このZX(ゼクロス)C-PLフィルターの何がすごいのか?
- 新開発の高透過偏光膜の採用で、イエローの色かぶりが少なく、ニュートラルな色再現を実現。
- ZXシリーズの特長でもあるフローティングフレームシステム。究極の平面性により撮影画像の周辺部分まで超高解像を実現。
- PLフィルターでは初めての0.3%以下の超低反射。
以上の3点が主な特長です。
一言で言えば、「最高級のC-PLフィルター」なのです。
今回はそんなZX(ゼクロス)C-PLフィルターを使用して撮影してきましたので、そのレビューをお届けしたいと思います。
実写
C-PLフィルターを使用すると、作例写真のように青空が濃くなり、鮮やかでコントラストの高い画像が得られます。
ここで注目して頂きたいのが、雲の色です。今まで、C-PLフィルターを使用すると、若干イエローかぶりすることがありました。しかし、このゼクロスは色がイエローかぶりしたり、濁ることなくキレイな白い雲を写しだしてくれました。
ニュートラル性の高い、新開発の偏光膜を採用しているからなのでしょう。これなら、雪景色の撮影にも使えそうです。
そして画質。
ZX(ゼクロス)フィルターの最大の特長は、何と言っても高解像の画質です。
フィルターなしとフィルター使用の画像の右下部分を拡大してみます。
ご覧のように、フィルターを装着しても画質は落ちているようには感じません。本来フィルターを装着すると、画像の周辺部では画質劣化が見られることがありますが、この画像を見る限り画質に悪影響は及ぼしていません。
フローティングシステム採用により、高い平面性を保っているからこそ、このような画質が得られるのでしょう。
以前にZX(ゼクロス)NDフィルターの使用レビューブログの中でも書きましたが、これだけ解像度が高いとフィルターの2枚重ねも何の抵抗もなくできます。
NDフィルター+C-PLフィルター、プロテクター+C-PLフィルターなどの組み合わせで使えそうです。C-PLフィルターを装着する時に、プロテクトフィルターをはずすという作業とは「さようなら」です(笑) でも、超広角レンズ使用時にはケラレに注意が必要です。
もう1枚作例写真を・・・
柿畑に咲く彼岸花を捉えた1枚です。
柿の葉や地面に生えている草のテカリで、締まりの無い写真になっています。
ここでC-PLフィルターの出番です。
葉や草の反射が除去され、引き締まった画像になりました。C-PLフィルターは反射を除去し、被写体が持つ本来の色を写し出すことができます。
どれくらい反射がとれているのか、画質のチェックも含めて画像に右下を拡大してみます。
草の反射がキレイに除去され、草本来の緑色が表現できました。フィルターを使用しても草や彼岸花の描写はとてもシャープで画質も申し分ありません。
次は画像左上を拡大してみます。
柿の葉の反射が抑えられ、C-PLフィルターなしでは少しざわついた感じだったのですが、C-PLフィルターを使用することで、落ち着いた描写となりました。
何度も書いてますように、描写力も落ちることなく、柿の実の質感がよく出ています。画像周辺にもかかわらず高い解像力です。これがゼクロスの実力なんですね。
最後に使用感についてですが、ケンコーの今までの最高級C-PLフィルターはZeta EX C-PLでした。このフィルターの魅力は、最大で約1段分しか暗くならず、ファインダーが明るい状態でPL効果を確認できる優れものでした。
1段分しか暗くならないということは、その分速いシャッタースピードで撮影できるということで、絶景の中を走る列車や青空の中を飛ぶ飛行機など、シャッタースピードが重要になってくる動く被写体を撮影する場合でも使いやすくなります。
ZX C-PLも1段分しか暗くならないところは同じですが、PL効果を確認するため前枠を回す動きがとてもスムーズになっています。これはPLフィルターではとても重要なことで、レンズにフードを装着したまま前枠を回すことも多く、スムーズに動かないととてもストレスを感じる部分でもあります。
ZX C-PLフィルターは画質だけではなく、操作の部分においてもこだわった逸品となっています。
まとめ
やはり、最高級の名にふさわしい光学性能でした。デジタルカメラも高画素化され、その性能を引き出すためにレンズもどんどん性能がアップしてきています。そうなれば、フィルターの性能アップも不可欠となってきます。
最近では、画像のチェック・評価はパソコンでピクセル等倍で確認する時代にもなってきているように思います。
そんな時代にしっかり対応してきたのがZX(フィルター)C-PLフィルター。小さなプリントでは従来のC-PLフィルターとの差はわからないと思いますが、写真展などで大きなプリントをされる方にはオススメの逸品です。
少し高価なフィルターではありますが、高価なレンズをお持ちなら、そのレンズ性能を落とさないためにもZX(ゼクロス)フィルターの使用をオススメいたします。
フィルターで画質を落としてしまうのは、もったいないですからね!
この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで