オリンパス OM-D E-M10 MarkIII 使用レビュー

こんにちは。 カメラ担当の池田です。

朝晩の冷え込みが本格化し、北の大地北海道や標高の高い山からは紅葉の便りが届くようになりました。

今回はこれからの秋の行楽にピッタリのカメラをご紹介したいと思います。

その商品は9月にオリンパスより発売されました新製品「OM-D E-M10 MarkIII」です。

チルト式液晶の採用など、外観は前モデルのOM-D E-M10 MarkIIと大きく変わりはありませんが、中身(機能)は進化しています。

それでは、その進化した機能をご紹介していきたいと思います。

  1. オリンパス最上位モデルと同じ画像処理エンジン「TruePic VIII」を搭載。高感度撮影時のノイズを低減。
  2. 121点のAFポイント。これも最上位モデルE-M1 MarkⅡと同じ。
  3. イメージ通りの写真が撮れるシーンモードの搭載。
  4. 専門的な知識が必要な9種類の写真表現を新たにAP(アドバンストフォトモード)としてモードダイヤルに集約。
  5. 静止画の切り出しが可能な高画質4Kムービー。

主な進化点は以上ですが、基本的なスペックもご紹介しておきます。

  1. 約1605万画素 4/3Live MOS センサー。
  2. ボディ内5軸手ブレ補正機能。補正効果は約4段。
  3. 8.6コマ/秒の高速連写。
  4. 15種類の充実したアートフィルター機能。
  5. スマホに画像を簡単転送できるWi-Fi機能。

以上が主なスペックです。


使用レビューの前に、操作面で進化したところをご紹介いたします。

操作面で進化したところは2点。

まず1点目はシーンモードです。

今まではシーンモードにダイヤルを合わせて、自分の設定したいシーンをボタンを押しながらひとつひとつ見ていく必要がありました。

このE-M10 MarkIIIでは操作が簡単でわかりやすくなりました。


実際に写真で見ていきましょう。

まずは、モードダイヤルを「SCN」に合わせます。ここまでは今までと同じです。このあと写真には写ってませんが、ボディの左側のショートカットボタンを押しますと、下のような表示になります。

6種類のシーンが表示され、自分の設定したいシーンを選択します。

例えば「風景を撮る」を選んだ場合はこのような表示です。

通常の風景モードもありますが・・・


朝日や夕日を撮るのに適した「夕日」モードなどがあります。


「動きのあるものを撮る」の場合

一般的なスポーツモードはもちろんのこと・・・


設定が難しい、「流し撮り」モードもあります。

「スポーツモード」は高速シャッターで被写体の動きを止める設定になりますが、「流し撮り」モードはシャッタースピードを遅くして被写体の躍動感を出すように設定してくれます。タイミングの取り方や被写体の追いかけなど多少の練習は必要かと思いますが、ぜひチャレンジしてほしい機能です。


このように、シーンモードの設定がとても簡単になり、特にカメラ初心者の方にはオススメのモードです。


そして2点目。

モードダイヤルにAP(アドバンストフォトモード)が新設されました。

APモードに設定することで、難しい知識がなくても特殊撮影が可能です。


星景写真などを撮影する際に使用する「ライブコンポジット」機能や2枚の画像を1枚に合成する「多重露出」機能などが、このAPモードに集約されています。

カメラ初心者の方でも、手軽にワンランク上の写真が撮れるようなつくりとなっています。


さて、ここからはOM-D E-M10 MarkIIIの使用レビューをお届けいたします。


大阪ステーションシティ時空の広場で開催されていたフラワーアートミュージアムで撮影した1枚です。

チルト式液晶の強みはローアングル撮影などのアングルの自由度の高さ。ローアングルで撮影したのは建物の光をボカしたかったからです。この写真を撮影したレンズは標準レンズのMズイコー14-42mm/3.5-5.6 EZですが、背景のボケがとてもキレイです。このボケはスマホやコンパクトデジカメでは出せません。一眼カメラはセンサーが大きいので、これだけボカすことができるのです。

そして、ここでアートフィルターを使用して撮影してみました。

その写真がこちら・・・

アートフィルターの「ファンタジックフォーカス」にして、露出もわざと少し明るめにして、メルヘンな感じを表現してみました。

アートフィルターと言えば、OM-D E-M10 MarkIIIには「ブリーチバイパス」という新しいアートフィルターが搭載されました。

カタログを見ると、「フィルム映画のようなしっとりとした渋みのある印象に。」と書いてます。

どんなシーンで使えば良いのか。とりあえず撮ってみました。

早朝の琵琶湖の風景です。この日は雲が厚く、朝陽を見ることができませんでした。でも琵琶湖と雲の色が何とも言えない雰囲気でしたので、ここで「ブリーチバイパス」を使用してみました。

その写真がこちら・・・

光輝く湖面がキレイに表現できました。この時、色んなアートフィルターを使用しましたが、「ブリーチバイパス」が私のイメージにはピッタリでした。

アートフィルターの効果は撮影前に液晶やファインダーで確認できますので、色々試してみると良いでしょう。


夜明け前の琵琶湖。南東の空が赤く焼けてきました。

ここでは、シーンモードの「夕日」にして撮影。見た目より少し赤が強調され、印象に残る1枚に仕上げることができました。上でも書きましたように、シーンモードが使いやすくなったことで、写真の仕上がるレベルが上がることは間違いないと思います。


大阪ステーションシティにて。ここでは高感度の性能を見ていただきたいと思います。この写真はISO3200で撮影していますが、ノイズはまったくと言っていいほど出ていません。新しい映像エンジンだから、このようにノイズの少ない画像が得られるのでしょう。

前モデルのOM-D E-M10 MarkIIはISOオートではISO200~ISO1600までの範囲でしか使えませんでしたが、OM-D E-M10 MarkIIIはISO200~ISO6400まで使えるようになりました。

ちなみに、マニュアルで設定すれば最大でISO25600まで拡張することも可能です。


日没後の鶴見緑地公園にて撮影した1枚です。日没後の林の中と言うこともあり、かなり暗い状況でしたので、ISO感度は6400で撮影しています。それでもノイズが少なくクリアな画質となりました。オリンパスのマイクロフォーサーズ一眼は、他社の一眼よりセンサーが小さいので高感度に弱いと言われてましたが、それはもう過去の話で、ISO6400が常用で使えるようになりました。技術の進歩は早いものです。


JR湖西線にて、連写性能のテスト。これは最初のカットです。

ここから連写を開始!



これが最終カットです。

約8.6コマ/秒と前モデルの約8.5コマ/秒よりほんの少しだけ連写性能がアップしました。大きく進化はしていないものの、秒間8.6コマは一眼レフで言えば中級機以上の性能であり、エントリーモデルのOM-D E-M10 MarkIIIでこの連写性能は十分だと思います。

そしてオートフォーカス性能も良く、動いている被写体でもピントをはずすことなく、しっかりと喰いついてくれました。

但し、動いている被写体を撮影される場合、完全なオートでは撮れない可能性もあります。そこで一番簡単な設定は、シーンモードの「スポーツ」で撮る事です。この設定にすることで、動く被写体を追っかけてくれる「C-AF」というAFモードになり、ピントの合った写真が撮れる可能性が高まります。

さらにオートフォーカス精度を高めるのであれば、私がこの写真を撮影した設定、シャッタースピード優先でAFモードは「C-AF TR」(追尾AF)にすることで、狙ったターゲットにしっかりピントを合わせて撮影できます。


琵琶湖の有名スポット、白鬚神社です。

数多くあるオリンパスの特殊機能の中でも特に人気のあるライブコンポジット機能を使用して、鳥居と星の撮影にチャレンジしてみました。結果は失敗です。何が失敗かと言いますと、この日は天候が悪く、星の軌跡がキレイな線になりませんでした。

天候さえ良ければ、キレイな星の軌跡が撮れたと思います。

星景写真の撮影に最適なこのライブコンポジット機能も設定が簡単になりましたので、手軽に星の撮影が楽しめます。


秋の花をダブルズームキットに付いている望遠レンズ、Mズイコー 40-150/4-5.6Rで撮影してみました。

望遠レンズは遠くのものを大きく撮るだけでなく、近くの被写体を大きく撮影でき、さらには大きなボケ味を出すことができます。

1枚目の彼岸花の写真では背景がキレイにボケています。これが望遠レンズの魅力です。

2枚目の蕎麦畑の写真は、奥の彼岸花にピントを合わせたため、手前の蕎麦の花が滑らかな前ボケとなりました。

最初の方でも書きましたが、このボケ味や立体感はスマホでは難しく、一眼だからできる表現なのです。



最後に、今回OM-D E-M10 MarkIIIを使用して感じましたのは、カメラが初めてという方にとって使いやすくなったということ。シーンモードの操作方法や種類の豊富さ、そして新しく設けられたアドバンストフォトモードは、オリンパスが得意とする特殊撮影をとても身近なものにしてくれました。

映像エンジンやオートフォーカスエリアなどはフラッグシップ機のE-M1 MarkⅡとなっており、基本性能も十分満足できるものとなっています。

これだけの性能でありながら、ボディ重量が約410gと軽量コンパクトで、どこへでも持っていきたくなる1台です。大きな一眼カメラを持っている方にはサブ機としてもオススメです。

軽量コンパクトで充実の機能のOM-D E-M10 MarkIIIは行楽、旅行にピッタリの1台です。



この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで





操作面で進化したところは2点。

まず1点目はシーンモードです。

今まではシーンモードにダイヤルを合わせて、自分の設定したいシーンをボタンを押しながらひとつひとつ見ていく必要がありました。

このE-M10 MarkIIIでは操作が簡単でわかりやすくなりました。


実際に写真で見ていきましょう。

まずは、モードダイヤルを「SCN」に合わせます。ここまでは今までと同じです。このあと写真には写ってませんが、ボディの左側のショートカットボタンを押しますと、下のような表示になります。

6種類のシーンが表示され、自分の設定したいシーンを選択します。

例えば「風景を撮る」を選んだ場合はこのような表示です。

通常の風景モードもありますが・・・


朝日や夕日を撮るのに適した「夕日」モードなどがあります。


「動きのあるものを撮る」の場合

一般的なスポーツモードはもちろんのこと・・・


設定が難しい、「流し撮り」モードもあります。

「スポーツモード」は高速シャッターで被写体の動きを止める設定になりますが、「流し撮り」モードはシャッタースピードを遅くして被写体の躍動感を出すように設定してくれます。タイミングの取り方や被写体の追いかけなど多少の練習は必要かと思いますが、ぜひチャレンジしてほしい機能です。


このように、シーンモードの設定がとても簡単になり、特にカメラ初心者の方にはオススメのモードです。


そして2点目。

モードダイヤルにAP(アドバンストフォトモード)が新設されました。

APモードに設定することで、難しい知識がなくても特殊撮影が可能です。


星景写真などを撮影する際に使用する「ライブコンポジット」機能や2枚の画像を1枚に合成する「多重露出」機能などが、このAPモードに集約されています。

カメラ初心者の方でも、手軽にワンランク上の写真が撮れるようなつくりとなっています。


さて、ここからはOM-D E-M10 MarkIIIの使用レビューをお届けいたします。


大阪ステーションシティ時空の広場で開催されていたフラワーアートミュージアムで撮影した1枚です。

チルト式液晶の強みはローアングル撮影などのアングルの自由度の高さ。ローアングルで撮影したのは建物の光をボカしたかったからです。この写真を撮影したレンズは標準レンズのMズイコー14-42mm/3.5-5.6 EZですが、背景のボケがとてもキレイです。このボケはスマホやコンパクトデジカメでは出せません。一眼カメラはセンサーが大きいので、これだけボカすことができるのです。

そして、ここでアートフィルターを使用して撮影してみました。

その写真がこちら・・・

アートフィルターの「ファンタジックフォーカス」にして、露出もわざと少し明るめにして、メルヘンな感じを表現してみました。

アートフィルターと言えば、OM-D E-M10 MarkIIIには「ブリーチバイパス」という新しいアートフィルターが搭載されました。

カタログを見ると、「フィルム映画のようなしっとりとした渋みのある印象に。」と書いてます。

どんなシーンで使えば良いのか。とりあえず撮ってみました。

早朝の琵琶湖の風景です。この日は雲が厚く、朝陽を見ることができませんでした。でも琵琶湖と雲の色が何とも言えない雰囲気でしたので、ここで「ブリーチバイパス」を使用してみました。

その写真がこちら・・・

光輝く湖面がキレイに表現できました。この時、色んなアートフィルターを使用しましたが、「ブリーチバイパス」が私のイメージにはピッタリでした。

アートフィルターの効果は撮影前に液晶やファインダーで確認できますので、色々試してみると良いでしょう。


夜明け前の琵琶湖。南東の空が赤く焼けてきました。

ここでは、シーンモードの「夕日」にして撮影。見た目より少し赤が強調され、印象に残る1枚に仕上げることができました。上でも書きましたように、シーンモードが使いやすくなったことで、写真の仕上がるレベルが上がることは間違いないと思います。


大阪ステーションシティにて。ここでは高感度の性能を見ていただきたいと思います。この写真はISO3200で撮影していますが、ノイズはまったくと言っていいほど出ていません。新しい映像エンジンだから、このようにノイズの少ない画像が得られるのでしょう。

前モデルのOM-D E-M10 MarkIIはISOオートではISO200~ISO1600までの範囲でしか使えませんでしたが、OM-D E-M10 MarkIIIはISO200~ISO6400まで使えるようになりました。

ちなみに、マニュアルで設定すれば最大でISO25600まで拡張することも可能です。


日没後の鶴見緑地公園にて撮影した1枚です。日没後の林の中と言うこともあり、かなり暗い状況でしたので、ISO感度は6400で撮影しています。それでもノイズが少なくクリアな画質となりました。オリンパスのマイクロフォーサーズ一眼は、他社の一眼よりセンサーが小さいので高感度に弱いと言われてましたが、それはもう過去の話で、ISO6400が常用で使えるようになりました。技術の進歩は早いものです。


JR湖西線にて、連写性能のテスト。これは最初のカットです。

ここから連写を開始!



これが最終カットです。

約8.6コマ/秒と前モデルの約8.5コマ/秒よりほんの少しだけ連写性能がアップしました。大きく進化はしていないものの、秒間8.6コマは一眼レフで言えば中級機以上の性能であり、エントリーモデルのOM-D E-M10 MarkIIIでこの連写性能は十分だと思います。

そしてオートフォーカス性能も良く、動いている被写体でもピントをはずすことなく、しっかりと喰いついてくれました。

但し、動いている被写体を撮影される場合、完全なオートでは撮れない可能性もあります。そこで一番簡単な設定は、シーンモードの「スポーツ」で撮る事です。この設定にすることで、動く被写体を追っかけてくれる「C-AF」というAFモードになり、ピントの合った写真が撮れる可能性が高まります。

さらにオートフォーカス精度を高めるのであれば、私がこの写真を撮影した設定、シャッタースピード優先でAFモードは「C-AF TR」(追尾AF)にすることで、狙ったターゲットにしっかりピントを合わせて撮影できます。


琵琶湖の有名スポット、白鬚神社です。

数多くあるオリンパスの特殊機能の中でも特に人気のあるライブコンポジット機能を使用して、鳥居と星の撮影にチャレンジしてみました。結果は失敗です。何が失敗かと言いますと、この日は天候が悪く、星の軌跡がキレイな線になりませんでした。

天候さえ良ければ、キレイな星の軌跡が撮れたと思います。

星景写真の撮影に最適なこのライブコンポジット機能も設定が簡単になりましたので、手軽に星の撮影が楽しめます。


秋の花をダブルズームキットに付いている望遠レンズ、Mズイコー 40-150/4-5.6Rで撮影してみました。

望遠レンズは遠くのものを大きく撮るだけでなく、近くの被写体を大きく撮影でき、さらには大きなボケ味を出すことができます。

1枚目の彼岸花の写真では背景がキレイにボケています。これが望遠レンズの魅力です。

2枚目の蕎麦畑の写真は、奥の彼岸花にピントを合わせたため、手前の蕎麦の花が滑らかな前ボケとなりました。

最初の方でも書きましたが、このボケ味や立体感はスマホでは難しく、一眼だからできる表現なのです。



最後に、今回OM-D E-M10 MarkIIIを使用して感じましたのは、カメラが初めてという方にとって使いやすくなったということ。シーンモードの操作方法や種類の豊富さ、そして新しく設けられたアドバンストフォトモードは、オリンパスが得意とする特殊撮影をとても身近なものにしてくれました。

映像エンジンやオートフォーカスエリアなどはフラッグシップ機のE-M1 MarkⅡとなっており、基本性能も十分満足できるものとなっています。

これだけの性能でありながら、ボディ重量が約410gと軽量コンパクトで、どこへでも持っていきたくなる1台です。大きな一眼カメラを持っている方にはサブ機としてもオススメです。

軽量コンパクトで充実の機能のOM-D E-M10 MarkIIIは行楽、旅行にピッタリの1台です。



この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで