FUJIFILM X-E3 使用レビュー

こんにちは、カメラ担当 吉冨です。

今回のレビューで紹介するカメラは富士フィルムから2017年9月28日に発売された最新機種「X-E3」です。

先代のX-E2も人気ありましたが、進化した所実写テスト交えてご紹介したいと思います!



1.外観

さっそくですが、シリーズ最小・最軽量のボディサイズということで前機種「X-E2」とサイズの比較をしてみます。

向かって左側が前機種「X-E2」、右側が新機種「X-E3」

正面から見た外観だけでは、さほど大きな変化は感じられませんが、実際に持ち比べてみると、サイズダウンと軽量化されているのを感じることができます。


上側が前機種「X-E2」、下側が新機種「X-E3」

前機種「X-E2」にあった内蔵ストロボはなくなり、ストロボを使うときには外部ストロボを取り付ける仕様になっています。

そのおかげで大きくサイズダウンしているので、内蔵ストロボの使用頻度の少ない方には嬉しい変化です。

向かって左側が前機種「X-E2」、右側が新機種「X-E3」

大きな変化点は、これまであった十字ボタンが省かれ新たにジョグダイアルが設けられています。また、タッチパネルも採用しているので直観的に操作ができるようになっています。

さらに液晶画面をフリック操作することでファンクションの切り替えが出来るので、これまで十字ボタンに割り当てて使っていた機能(ISO、ホワイトバランス、フィルムシミュレーショ、AFモード等)を瞬時に切り替えることができます。


2. 向上した機能

従来機の「X-E2」から向上した機能を紹介します。

1.イメージセンサーの向上

「1630万画素のX-Trans CMOSⅡ」⇒「2430万画素のX-Trans CMOSⅢ」

フジフィルム独自の非周期性の高いカラーフィルターの配列で、さらに画素数を上げた最新のイメージセンサーを搭載しています。

このフジフイルム独自のX-Trans CMOSセンサー、いいと言われますが実際何が他と違うのか??

フジフイルムのサイトに図解が有りましたのでまずはそれから

って絵だけ有ってもナンヂャコリャですが、左が一般的なセンサーのカラーフイルター配列の「ベイヤー配列」、効率良く光を取り込めて処理負荷も少なくイイのですが、問題がRGBと等間隔に配列されるという事は「同じ色」ばっかりとかの被写体などで「偽色」や等間隔配列(ビルの窓とかパターン柄の服)でのモアレが発生するのでローパスフイルターやローパスフイルターレス機では画像処理で抑制する。これが多くのメーカーのセンサーですが、X-Trans CMOSセンサーはその等間隔配列をあえてランダムに配列する事で回避しながら、色をより忠実に捉えるというものですが、これ・・・フイルムの発想に近いもの。
そう、カラーフイルムは色相ごとに発色感材を塗っていたのですが、その配列はバラバラ。
発色感材の塗布によってフイルムの再現も微妙に異なるのでフイルム時代のプロカメラマンはバラつき出ない様に「次の撮影で使用する分、同じロット(生産分)で揃えて!」とかお願いしたものです。

色相ごとにセンサーを分けるというのはフォビオンで実現されましたが、光の透過率は色相で変化するので初期のものは「赤飽和」を起こしてしまうとか、今なおより完成度を更に上げようとしてますが、クセの強いのは変わらず(そのクセがまたいいんですけど・・・)

そういう所、さすがはフイルムメーカー、他社には負けないどころか唯一無二のものをフジフイルムの強みで存分に活かしています。



2.画像処理エンジンの向上

「EXR Processor Ⅱ」⇒「X-Processor Pro」

先のX-Trans CMOSセンサーで得た情報をより完成度の高い絵として再現する、しかも「高速で」行える様、旧来より約4倍の処理速度を誇る最新の画像処理エンジンを搭載しています。

同社のフラッグシップモデル(X-Pro2/X-T2)にも搭載されていて、あらゆるレスポンスの向上につながっています。



3.高感度性能の向上

常用感度「ISO 6400」⇒「ISO 12800」

拡張感度「ISO 100-25600」⇒「ISO 100-51200」

イメージセンサーや画像処理エンジンが向上したことで、高感度時の撮影でもノイズの少ない写真を撮る事ができます。


4.オートフォーカス性能の向上

AFアルゴリズムの見直し、測距点数の増加(最大77点⇒最大325点)、処理速度の向上などによって前機種と比べて、動く被写体への追従性能が格段に向上しています。


5.操作性の向上/小型軽量化

小型軽量化

ボディサイズは、Xシリーズでもっとも小さくて軽いボディサイズになっており

幅 7.7mm/高さ 1mm/重さ 13g、小型軽量化されています。

数値ではイメージしにくいと思いますが実際に持ってみると、かなり小さく軽くなっているのを感じます。

操作性の向上

背面のボタンが右側に集中して配置されているので、片手でも操作がしやすいようになっています。

さらに液晶画面も新たにタッチパネルの操作で、フリック操作でファンクションの呼び出しやAFポイントの変更、再生時のコマ送りや拡大・縮小など様々な操作をタッチ操作で出来るようになっています。


3.AF性能

AFアルゴリズムが新しくなったことで、追尾速度が「従来比の2倍」になったということで、実際に実写テストをおこないました。

あらたに「AF-Cカスタム設定」が出来るようになっており、被写体の動きに合わせて5つのプリセットの中から選択することで、より高い精度で動いてる被写体を撮影することができます。

AF設定は「AF-C+秒8コマ連写+ゾーン中央9点+AF-Cカスタム設定/SET 1 基本」で撮影を行いました。

結果は、秒8コマで3秒間/全24コマの撮影で1コマも外すことなく、しっかりと被写体を追従して撮影することができました。

さらに、JPEG/FINEで撮影していたのですが、もたつきなく連写できるほど余裕のあるバッファメモリーと最新の画像処理エンジンの素早い処理のおかげで即座に次の撮影に入ることが出来るのでストレスなく動体撮影を行うことができました。


4.高感度性能

ISO 25600

ISO 51200

最新の画像処理エンジン「X-Processor Pro」を搭載で前機種より常用感度は、1段分高いISO 12800になっています。

結果はISO 12800では、ほとんど高感度ノイズは気にならない程度で十分に実用出来る範囲で撮影することができます。

 ISO 25600では、多少暗部にノイズ感が感じられるもののカラーバランスなどは崩れることはないので実用の範囲内ではないでしょうか。

ISO 51200まで上げると、ノイズ感はかなり強くディテールが崩れ、のっぺりした写りになっています。ですが、嫌な高感度ノイズではなく、さらにカラーバランスはほとんど崩れることなくバランスを保っているので緊急時に使っても良い範囲の感度です。


5.作例

ISO 800 /  F2.8 / SS 1/2000 / クラシッククローム

ISO 800 /  F2.8 / SS 1/18 / Velvia

ISO 800 /  F2 / SS 1/800 / ACROS

ISO 2500 /  F3.2 / SS 1/105 / PRO Neg Hi

ISO 2500 /  F3.2 / SS 1/30 / クラシッククローム

ISO 2500 /  F2 / SS 1/60 / PROVIA



6.まとめ

サイズが小さいので扱いにくいのでは、という心配があったのですが実際に撮影してみるとグリップがしっかり突き出ているので持ちやすく構えやすいので、とても快適に撮影できました。

タッチパネル液晶をフリック操作でファンクションを呼び出す新しい機能は多少のコツが必要ですが、慣れてしまえば便利な機能で即座に必要な機能を呼び出して変更することができるので、ジョグダイアルとの組み合わせることで、これまでの十字ボタンと比べ格段に操作性がよくなっています。

動体撮影では、動く被写体にもしっかりピントを合わせ続けてくれるので電車や鳥などの動き物を撮影されている方でも十分メイン機として使う事が出来る性能を持っています。

動体撮影にもシッカリ対応できて、操作感抜群の扱いやすい小型軽量ミラーレス一眼「X-E3」おすすめの一台です!


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