こんにちは。 カメラ担当の池田です。
今回はシグマの新製品レンズ「Contemporary 16mm F1.4 DC DNの商品レビューです。
11月22日に発売されますこのレンズを発売前に使用する機会がありましたので、今回はその使用レビューをお届けしたいと思います。
このレンズの特徴を簡単にご紹介しておきます。
【主な特徴】
- マウントはソニーEマウント(APS-Cサイズセンサー用)、マイクロフォーサーズの2種類。
- Artラインに匹敵する高画質。フルサイズの大口径レンズ並みの贅沢なレンズ構成。
- 静粛性に優れたステッピングモーター採用により動画撮影も快適。
- 簡易防塵防滴機構の採用。
- 最短撮影距離は25cm。最大撮影倍率1:9.9
今回、使用したのはソニーEマウント用でしたので、α6000に装着して秋の風景を撮影してきました。
レンズの重量は405gと少しずっしり重さを感じますが、重いという気持ちよりも高級感溢れる外観とその重量感が「良いレンズを持ってるんだ!」という満足感を与えてくれます。
このレンズは16mmですが、ソニーマウントはAPS-Cサイズセンサーのカメラ用ですので、画角は24mm相当になります。※マイクロフォーサーズの場合は32mm相当
それでは作例です。
休憩した道の駅で、色づいた木を撮影してみました。このレンズは絞り開放のF1.4から描写が素晴らしいので、その実力がどれほどのものなのかテストしてみました。
結果、周辺光量落ちもなく、確かにF1.4の開放から高い解像力を発揮しています。
どれほど解像しているのか、中心部分と左側を拡大してみます。
まずは中心部分。
葉っぱ1枚1枚がとてもシャープに描写されています。
次は左側を拡大してみます。
ピントを中心に合わせてますので、被写界深度の関係もあるのと思いますが、中心部よりはわずかに解像度は落ちている感じです。それでも開放F値でこの画質は申し分ありません。
ちなみに、F8でも同じ場面で撮影しましたので、その画像の左側を拡大してみます。
解像度がグッと良くなった感じです。撮影シーンや状況にもよると思いますが、やはり画質にこだわるなら少し絞った方が良さそうです。
このレンズの最短撮影距離は25cmということで、かなり接写ができます。広角レンズでも被写体に近寄れば、背景を大きくボカすこともできます。そしてそのボケ味はやわらかくて良い感じです。
F1.4で接写をすると被写界深度が浅くなり、1枚の葉っぱでも全体にピントが合わないことがあります。そんな時は少し絞ることで、よりシャープな画像を得ることができます。上の写真はF2.8ですが、葉っぱ全体にピントがきており、背景もしっかりボケています。背景には水面の反射がありますが、その反射は円形にボケています。絞り羽根9枚の円形絞りが効いています。
これもローアングルで撮影した1枚です。画質やボケ味は申し分ありません。ここで見ていただきたいのは、かなり強い逆光状態での撮影でしたが、ゴーストが中央の少し上部に出てはいるものの、ほとんど目立ちません。これ以外にも逆光で撮影しましたが、ゴーストはかなり抑えられていると感じました。
これも逆光での撮影。左上部に少しフレアは見られますが、許容範囲内ではないでしょうか。この状況でも全体的にコントラストは落ちることなく、山肌の木々はしっかりと描写されています。贅沢なレンズの構成、コーティングの良さの賜物です。
パワースポット滋賀県高島市の白鬚神社からの朝陽です。残念ながら雲が多くキレイな朝陽を見ることはできませんでしたが、それでもわずかな雲の隙間から太陽が顔を出してくれました。強い光ではないため、ゴーストは見られません。
そして、ズームレンズの広角側で良く見られる樽型収差は見られず、水平線はまっすぐに描写されています。さすがは単焦点です。
広角レンズで撮影すると、、周辺四隅の像が流れてしまうことがありますが、このレンズではほとんど見られません。
まさに錦秋。何本ものモミジの木が重なり、とてもキレイでした。何度も書いてきましたが、解像力は抜群で小さな葉っぱ1枚1枚がしっかり描写されています。
【まとめ】
このレンズは画質に徹底的こだわったArtラインではなく、コストパフォーマンスの良いContemporaryラインですが、Artラインのレンズと言っても過言ではないくらい素晴らしいレンズでした。
高級感たっぷりの外観、開放F値からの素晴らしい描写性能、やわらかくて上品なボケ味などなど、魅力がたっぷりの1本に仕上がっています。
これで希望小売価格57,000円(税別)は安すぎるでしょ!と思ってしまいます。
今回は紅葉を中心に撮影しましたが、F1.4という明るいレンズですので夜のスナップ撮影などにもオススメです。
この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで