こんにちは。 カメラ担当の池田です。
今回は、2018年1月発売予定の新製品レンズ「オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」を試す機会がありましたので、その使用レビューをお届けしたいと思います。
このレンズは、少し前にブログでご紹介しました「M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO」と同じように、「美しくにじむボケ」と「高解像度」の両立ということをコンセプトに開発されたレンズです。
主なスペックとしましては・・・
- 特殊レンズを贅沢に使用した11群15枚のレンズ構成
- 最短撮影距離20cm、撮影倍率0.15倍の高い近接撮影が可能
- ゴーストやフレアを大幅に低減し、クリアな画質を実現するコーテンング技術「Z Coating Nano」を採用
- プロの要求に応える、防塵・防滴・耐低温性能
- F1.2という大口径でありながら、390gと小型・軽量を実現
などなどです。
今回は、このレンズの魅力でもある「美しくにじむボケ」と「高解像度」に注目して、少しだけですが撮影してきましたので、ご覧頂ければと思います。
作例
まずは「美しくにじむボケ」を試してみました。ピント面は実にシャープで、アウトフォーカス面にかけては、滑らかでやわらかく美しいボケを実現しています。
ボケの質が本当にキレイで、ボケているアウトフォーカス部分にざわつきは感じられず、これが「美しくにじむボケ」なんだと実感いたしました。
絞りによるボケの変化を見てみました。
F1.2で撮影した写真のボケは大きく、背景の円形のボケは周辺がにじみ、このレンズならではのボケ味が表現できました。
F2で撮影した写真のボケは少し硬い印象になりますが、それでもキレイな円形を保ち、ピント面のイチョウの葉っぱはF1.2よりシャープになりました。
撮影する被写体や状況に応じて、絞りを変えてみるのも良いでしょう。
このレンズは17mm(35mm換算34mm相当)という準広角レンズですので、開放F値での周辺光量落ちがないか撮ってみました。
結果はご覧のように、周辺光量落ちは見られず、ただただこのレンズの抜けの良い描写力だけが伝わってくる1枚となりました。白の階調もしっかり描写されており、青空も気持ちの良いキレイな発色です。カメラの仕上がり設定(ピクチャーモード)もスタンダードのナチュラルで、PLフィルターも使用していません。もちろん画像加工はしていません。JPEGの撮って出しのデータで、この仕上がりです。レンズ性能だけでなく、改めてE-M1 MarkIIの良さも感じました。
描写力はどれほどのものなのか。本当はF1.2で撮影したかったのですが、このシーンでは被写界深度の関係からF8で撮影した写真をご紹介いたします。
紅葉した木を見上げて撮影した1枚です。
木々の小さな葉っぱまでしっかり解像しています。オリンパス独自の特殊レンズを贅沢に使用した結果がこれなのでしょう。ボケの質が先行したイメージになっていますが、PROレンズの名に恥じない素晴らしい解像力となっています。
上の2枚は逆光耐性をテストするために撮影した写真です。
開放絞りのF1.2で撮影した写真は、太陽の位置が高いにもかかわらず、ゴーストは発生することなくヌケの良い1枚となりました。また太陽の形がはっきりと描写されたことには、少し驚きました。
そしてF8で撮影した写真ですが、これは太陽の光をクロスにしようと思い、絞り込んで撮影しました。絞るとなぜかゴーストが発生。しかし、嫌味のあるゴーストではなく、ある意味これくらいのゴーストは出て当たり前ではないでしょうか。逆に、この状況でもコントラストの低下もなく、これだけの描写をしてくれれば十分だと思います。
17mm(35mm換算34mm相当)という画角とF1.2という明るさは、夜のスナップ写真には最適です。私はスナップ写真が苦手ですので、上の2枚のような写真しか撮れませんが、F1.2という明るさから、手持ち撮影でもバンバン撮影でき、また街の光をキレイにボカすこともできます。上の2枚も背景の光のボケが「にじむボケ」になっています。
まとめ
少し前に使用した45mm同様に、「美しくにじむボケ」と「高解像力」はしっかり実感できました。オリンパスさんのこだわりがぎっしり詰まったレンズだと感じました。
このM.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PROの登場で、25mm、45mmと合わせてF1.2のPROレンズが3本揃いました。こだわりのボケの質と高解像度も同じような感じです。
あとは、撮影する被写体に合わせて選ぶだけです。今回の17mmは街スナップなどに、25mmはスナップから人物写真まで幅広いシーンで活躍しそうです。そして45mmはポートレートや花の撮影にオススメです。
オリンパスのPROレンズにはF2.8通しのズームレンズもありますが、さらに上を求めるなら単焦点のPROレンズが最高です。
この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで