【レビュー】M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.2 PROで撮るキャンドルナイト

こんにちは。カメラ担当の池田です。

先日、カメラグランプリ2018が発表されました。

昨年はオリンパスが三冠を達成し、カメラ業界を驚かせました。

そして今年。グランプリはソニーのミラーレス一眼α9に譲ったものの、レンズ賞はオリンパスのM.ZUIKO.DIGITAL 17mm F1.2 PROが受賞いたしました。レンズ賞については3年連続受賞という事になります。

選考理由は、「にじむようなボケ描写と絞り開放から使える高解像度」で「卓越した描写を持つ極みの1本」として高く評価されました。

このM.ZUIKO.DIGITAL 17mm F1.2 PROの発売前にも、使用レビューを書かせて頂きましたが、今回レンズ賞を受賞したこともあり、改めてこのレンズを使用してみましたので、そのレビューを書かせていただきます。

※発売前ににアップした使用レビューはこちらから・・・M.ZUIKO.DIGITAL 17mm F1.2 PRO 使用レビュー

 

主なスペック

  1. ED-DSAレンズやEDAレンズなどの特殊レンズを贅沢に使用した11群15枚のレンズ構成
  2. 逆光やフレアに強い「Z Coating Nano」を採用
  3. 雨の日でも安心の防塵・防滴・耐低温仕様
  4. 最短撮影距離0.2m、最大撮影倍率0.15倍の近接能力
  5. 質量390g

にじむボケと高い描写力をテストする為に選んだ被写体は、6月上旬に西梅田で開催されました「キャンドルナイト」です。

同じような作例ですがご覧ください。

 

作例

※すべての写真、絞り優先オート、F1.2で撮影しています。

キャンドルナイトの会場に着くと西の空がキレイでしたので、1カット撮影してみました。F1.2という開放F値でありながら高い解像感です。この写真サイズではわかりにくいのですが、右側のビルの窓の部分、細部までしっかり描写されています。開放から使えるというのを改めて実感いたしました。


マイクロフォーサーズで17mmというと35mm換算では34mm相当の画角になり、キャンドルのアップだけでなく全体を写すこともできます。ピントは手前のキャンドルに合わせていますが、F1.2という開放ながら被写界深度が深いのは17mmというレンズだからこそできることですね。


キレイの並べられたキャンドルをボケを活かしながら撮影した1枚です。ピントは一番手前のキャンドルの入った瓶です。そこから滑らかにボケていく感じは単焦点、いやオリンパスのこのレンズの良さですね。


この写真もボケを活かすために、左側のキャンドルにピントを合わせて撮影した1枚です。34mm相当の画角ですので、邪魔なものが入らないよう、被写体にかなり近づいています。背景のボケも滲んでいるように見えるのですが、ボケているキャンドルが多すぎてわかりにくいですね。

少し気になるのは、画像周辺部で見られるボケがラグビーボールのような形をした口径食と言われる現象。これはどのレンズでもあり得る現象なのですが、ボケにこだわったレンズなだけに個人的には少し残念でした。しかし、少し絞ることで口径食は多少解消されると思います。


最短撮影距離付近で撮影した1枚です。近接撮影も得意なレンズで、最短撮影距離は20cmとかなり寄れます。被写体に近づくことで、ボケも強調できます。中心付近の滲むようなボケは見ていて気持ちがいいですね。

また、広角レンズで撮影すると標準や望遠レンズで撮影するのとは違い、ポイントとなる被写体を強調しながらも、背景を多く取り入れた写真表現が可能です。広角レンズで撮影する時は、思い切って近寄ってみてください。インパクトのある写真が撮れるはずです。


多重露光で撮影した1枚です。1枚目はピントを合わせて、2枚目はマニュアルフォーカスに切り替え、ピントを外して撮影しました。マニュアルフォーカスに切り替えるのも、MFクラッチ機構のおかげでワンタッチで瞬時に切り替えができるのはありがたいです。


上の写真と同じ場所で、マニュアルフォーカスにしてピントを最短側にして、わざとピントを外して撮影した1枚です。ボケがとてもやわらかく、何とも言えない幻想的な写真になりました。


オリンパスのミラーレス一眼についているアートフィルター機能の「ファンタジックフォーカス」を使用したものです。滲むやわらかいボケ描写にソフト系のアートフィルターをプラスして、さらにやわらかい写真にして遊んでみました。


まとめ

今回はキャンドルナイトに的を絞って撮影しましたので、このレンズ本来の良さをすべて表現することはできませんでしたが、ピントの合っているところの解像感、F1.2から使える描写力、ただ大きくボケるだけでなく滲むボケを実現している点に関しては、ある程度テストできたように思います。

キャンドルやイルミネーションなどの点光源をボカして撮影する場合は、F1.2にこだわらず少し絞ってF2やF2.8で撮影すると、口径食も少なくなり、より良い写真になると感じました。

34mm相当の画角でF1.2という明るさのレンズですので、星景写真や夜スナップなど幅広いシーンで使えると思います。個人的には、ライブコンポジット機能で星を撮ってみたいと思う1本です。

描写力とボケの質にごだわったM.ZUIKO.DIGITAL 17mm F1.2 PRO。素晴らしい1本です。


この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで