戦後国産レンジファインダー機の時代に国内光学メーカーで繰り広げられたのが「大口径標準レンズ競争」。
きっかけは昭和２５年に政府主導で光学ガラス工場を所有していた５社が共同で新種光学ガラスの開発に入った事。
大口径標準レンズ競争の口火を切ったのは帝國光学（ズノー）の5cmF1.1ですが、帝國光学は先の５社に入っていず、新種ガラス搭載レンズとしてはその後小西六（現コニカ・ミノルタ）のヘキサノン50mmF1.2、富士写真（現富士フイルム）のフジノン50mmF1.2と続き、日本光学が満を持して昭和31年に投入したのが、このニッコールN5cmF1.1レンズ。
このレンズは初期型のマウント内爪と後期型の外爪と呼ばれる２種類、そして僅かですがL39スクリューマウントが存在したとも言われ約1200本から2000本生産されたと文献などによって諸説ある謎の多いレンズです。
今回ご紹介は後期型の外爪式です
レンズの特性F1.1～F/1.4では、極中心部分は若干コントラストが低めですが解像力は比較的良好、しかし、周辺部分ではコマフレアによってコントラストは低下し、ふうわりとベールのかかったような柔らかい描写となります
また、特に遠景では像面湾曲のために、画面中間部分では解像力が低下し、周辺で再度向上する特徴があります
F/2～F/2.8では、中央部分から中間部分の解像力とコントラスト共に向上します。F/2.8ではごく周辺を除き充分シャープになり、ボケ味もかなり改善されます。F/4～F/5.6では画面均一でシャープでボケ味も良好ですね F/8～F/16では画面均一で十分なシャープネスが得られます。
店頭中古価格 498000円（税込）
商品ランク：ランクB
付属品：F.Rキャップ
商品PLU：2222050135572
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