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120フイルム(ブローニーフィルム)の撮影可能枚数とフィルムの入れ方【実例写真付】

こんにちは、カメラのナニワ千里中央店です。

今日はフイルムの話を少し……。

最近フイルムカメラ熱が増すばかりで現像のご依頼や「どのフイルムを買えばいいのか」というご来店も増えうれしい限りです。

同時に多くなっておりますのが「どうやってフイルム入れたらいいか分からない」というご相談。

現在主に流通しておりますのが35mmフイルム120フイルム(他にもシートフイルムなどございますが別の機会に)

35mmフイルムは「昔使ってたわー」という方も周りに多いと思いますが、120フイルムは平成の世にはハイアマチュアやプロユースが殆どでしたのでご存じの方も写真、カメラを知っている方以外では少ないのが事実。

という事で今回はこの120フイルムについてご紹介をしたいと思います。

 

120フイルムって?

このフイルムを使うカメラ「中判カメラ」の特徴でフォーマットによって撮影可能枚数が変わるという所。

フォーマット 6×4.5判 6×6判 6×7判 6×9判
120フィルム撮影可能枚数 16枚撮り 12枚撮り 10枚撮り 8枚撮り

※撮影可能枚数は、同じフォーマットでもカメラによって異なる場合もあります。(例)ペンタックス645初代モデルは120フィルムで15枚撮りとなっています。

 

120フィルムはスプール(軸)に遮光紙を裏面に重ね合わせて巻きつけたもので、取扱いの際には遮光紙が緩んで露光しないようにする注意が必要となります。

撮影後は、巻上げ側のスプールに巻きつけられるので、巻き戻しの必要はなく、巻き切った後は、撮影済みシールが出てくるので、それを貼って、ゆるまないように固定(しないと感光しちゃいます。)

あっ!残ったスプールは捨てないでくださいね。次に巻き上げ用として使いますので!!

ペーパーに印刷されている数字は、上段から6x4.5判・6x6判・6x9判用の数字になっています。

人気のペンタックス67などは巻き上げ量が機械的(カメラによっては自動的)にカウントされているので巻上げが止まるまで巻けばいい仕組みです。

しかし、カメラの裏蓋に赤窓のあるような古い機構のカメラの場合は、巻き取り時に数字にあわせて巻き取っていくようにします。

その際、直射日光にあたらないようにしてあげる方がよいです。

わずかな時間や弱い光ならイイのですが、強い光だとこの少しのすきまから入りこんでフイルムが感光してしまう事もありますので……。

上の写真、赤窓から見えているフイルムカウント 「1」 はフイルムの中段にある数字が見えているので、6X6判のカメラであることが分かります。

このタイプのカメラで時々見られるのが

「窓が複数あるカメラ」

フイルム室内に「6×4.5判」「6x6判」と取り分けが出来るマスクを入れる事や撮影前に切り替え機構を作動させる事で「枚数重視」「画質重視」と使い分けが出来ます。

ただし、注意点は「フイルムを入れてしまうと殆どの機種はフォーマット変更ができない」「どの窓で数えていたか覚えていないとだめ」という事。

せっかく撮ったのにコマの間隔が広いとか、重なって写ってるなんて事にもつながります……。

 

120フィルムの入れ方

120フィルムの入れ方は大きく分けて、多くの35mm一眼レフと似た裏蓋を開けてフイルムを入れるものと(以後35mm一眼レフ形式と文章内で記載)フイルムバック/フイルムホルダー形式のものがあります。

裏蓋を開けて入れる形式のものは、巻き上げ側のスプールにリーダーペーパーの先端を35mm一眼レフと同じように差し込みフイルムを巻き上げていきます。

2眼レフも形状は変わりますが、基本同じ要領で巻き上げ軸に先端を差し込み巻き上げていきます。

が、その時注意なのが先ほど「巻き上げ量が機械的(または自動的)にカウントされる」とふれたモデル。

この写真で言えば下の写真のカメラがそのタイプです。

フイルムを巻き上げていき、裏紙に印刷された←START→と印刷された部分と、フイルム指標マーク(下のカメラの赤い点の部分)を合わせていないと1コマ目でフイルムがちゃんとが止まってくれず、機種によっては空送りされて「はい、撮影前に終了ー」となってしまう事も。

また、ローライフレックスやミノルタオートコードなど「お作法」と言われる様な特殊なフイルム装填法のカメラもあります。

次にフイルムバック/フイルムホルダー型についての説明。初めて120フイルムを装填されるときに間違いが多いのがこのタイプです。

フイルムは裏紙と重なっている!ということを念頭にレンズを通して光が入ってくる方向を考えながら装填するとよいと思います。

ではマミヤRB67のマガジンで説明します

まずフイルムバックからホルダーを外し、巻き上げ軸と反対側にフイルムをはめていきます。この時にフイルムの向きを間違わなければ後は簡単です。

            上が背面/下側がレンズ側  

          上が背面/下側がレンズ側

上の写真では、レンズを通して下側から光が入ります。遮光紙の黒色面が下側に出てくるようにフィルムを軸に装填します。

           上が背面/下側がレンズ側 

フイルム指標マークにスタートマークを合わせて、遮光紙の黒色面が下側に出ていればOKです。

           下が背面/上側がレンズ側

※通常はここまで巻き上げませんが、このままの状態で巻き上げていくと次の写真のようにフィルムが出てきます。

後はホルダーをフィルムバックに戻し、カメラに装着すれば終了です。

これも「お作法」のあるカメラが・・・そう、中判使いあこがれのカメラ

「ハッセルブラッド」

 

ああ・・・かっこイイ

んぢゃなくて、お作法でしたね。

ハッセルブラッド、A12マガジンのフイルム装填方法説明画像ですが、赤丸部分「フイルム圧板上にある金属板の下にフイルムを通しましょう」とあります。

いかがでしたでしょうか?

少々特殊なところもある120フイルムですが、35mmフイルムより圧倒的に大きなフォーマットから得られる精細な写真はやっぱり魅力。

もし良く分からないなーとかあれば遠慮なくカメラのナニワにご相談ください。長年カメラに携わった専門店スタッフがご説明させていただきます。

もちろん、相談のみ大歓迎です!!

 

あっ!もう一つ忘れていました。

120フイルムは「ブローニーフイルム」と呼ばれたりもします。

その理由ですが……

この120フイルム、もともとイーストマン・コダック社が始めに作った規格です。

その時、このフイルムを使う機種の中でもお値打ち価格(お子様でもお小遣いで買えてしまうくらい)で「ブローニーカメラ」というカメラが作られ、その名前が定着したと言うのが有力な説(英語圏の発音では「ブラウニー」みたいな感じ)です。

んで、そのブローニーカメラ、の「ブローニー」ってのが当時子ども達の間で人気だった漫画の主人公、それとタイアップして売り出したので「ブローニーカメラ」というコダックのマーケティング戦略の結果なのですが……。

その「ブローニー」、はっきり言ってキモカワ!

でも当時の子ども達の間では大人気だったとか(手持ちの画像が無かったので、気になる方はグーグル先生に聞いてみて下さいw)

後「ブローニーフイルム」という呼び方が通じるのは日本だけです。和製英語ですんで。

また、この120フイルム「2Bフイルム」とも呼ばれます(殆ど死語ですが……)

これはアグファ・ゲバルト社(今のアグファフォトは商標と製法を受け継いだ会社で資本的関係は無い・・・のれん分けみたいなものでしょうか)、での120フイルム規格の呼び名です。

以上、120フイルムについての解説でした。

 

 

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