こんにちは、カメラのナニワ梅田買取センターです。
いきなりですがカメラの世界で「クラシックカメラ」とは一体どれくらいからを言うのでしょうか??
色々カメラを触って来た私でも最近「ふと考えてしまう」時があります。
フイルムカメラ時代は「機械式カメラの中でも戦後大量生産時代に入る頃以前」を指して言っていたように思います。
しかしデジタル機がフイルム機と出荷台数で逆点してから10年以上経ち殆どフイルムカメラ自体が生産されなくなった今となっては「フイルムカメラ」自体が「クラシック」なんて捉えられている節もあります。
では・・・デジタル機でクラシック機は有るのか??
「クラシック」という言葉自体が「古典的」や「伝統的で格調高い」という所では民生モデルが出て僅か20年ちょっとの世界では当てはまらないでしょう。
しかし、「今では使われなくなった規格やセンサーを搭載していた」「メーカーが無くなってしまった」というのは、未だ日進月歩どころか「常に全力疾走」のデジタル界ではままある事。
そんな所で、「古いデジタルカメラ」略して「古デジ」で興味深いものを紹介していきたいと思います。
記念すべき1回目は・・・
みんな大好き(??)コンタックスTVS Digital
このカメラ、2003年12月発売という事はもうすぐ15年・・・
発売当時はGRデジタルもまだ世に出ておらず、「高級クラスのコンパクトデジタルカメラもとうとう出る様になったか・・・」と思ったものです。
まあ、ボタンの配置や液晶が1.5インチと今から見ればもう古さを感じざるを得ませんが外装はチタン、シャッターボタンは人工多結晶サファイアとフイルムTシリーズの流れにしっかり沿って造られた印象。
当時販売されていたフイルムのTVSIIIでなく先代のTVS、TVSIIに似た感じがします。
さて、実際動かすとなると電源入れてから起動まで数秒、最高画質まで上げると書き込みにこれまた数秒かかる「フイルム機」以上にノンビリさんなデジタル機ですが、この頃は特別このカメラが遅いのでなく「こんなもん」でした。
それ以上に・・・
「この起動画面カッコイイ(*´Д`)!!」
この起動画面だけで、ツアイス党はごはん3杯イケてしまいそうな恰好良さ・・・
スペックはもう色々な所で紹介されておりますのでさらっと
まず搭載レンズはCarl Zeiss Vario Sonnar T* 7.3-21.9/2.8-4.8、35mm換算で約35~105mmと、広角側28mmとか「アタリマエー」な今となってはデジタルカメラのレンズスペックとしては時代を感じます。
でも・・・スマホで写真が「アタリマエー」になってからは「光学ズーム」自体無くなったのですから、ある意味新鮮な方もいるかも・・・(スマホは現状どない頑張っても広角と望遠の2焦点レンズ組み込むくらいしか機構的余裕無いですし)
次に撮像素子はCCD・・・
CCD!!(*´Д`)ハアハア・・・
有効画素数約500万1/1.8インチ原色フィルターCCDを搭載。
今や撮像素子といえばCMOS主流でCCDはもう撮像用としては採用されていないと言ってもいいくらいですが、当時のCMOSはキヤノンが中心に頑張って熟成段階のもので、市場投入されてはいましたがまだまだ発色とかはCCDには遠く及ばない。
メリットと言えば「消費電力が少ないくらい」なものの頃・・・そう思うとキヤノンの企業努力と研究力って凄いです。
記録メディアはSD規格・・・でも
ただのSD規格ですので使えるSDメモリーは2GBまでのものです
4GB以上のSDHCカード、32GB以上のSDXCカードは認識しません。(以前4GBのSD規格も存在していましたが、見かけなくなりました・・・)
まあ、こんなスペックですが一つだけ言いたいです
ちゃんと動いていれば今でもまだまだ十分使えるカメラ!だと(ちゃんと動いていれば・・・この部分は後ほどふれます)
まず操作系、正直液晶は見えづらいというか設定すら確認するのが怪しい・・・
今の高精細な液晶を見慣れてしまったというのもあるかもしれませんが、撮影時は「とにかく写っているのが分かる程度」。
その為にも撮影時はこれが活躍するんです
ファインダー
ほら・・・こんな風に
液晶が見づらいというか・・・「見えてなーい!」
でも、ファインダのぞけば・・・
「をを!ちゃんと見えてるー!」
私も昔々(と言っても10年ちょっと前ですが)売場でお客様に言ってました「ファインダーがあれば、液晶見づらい時でも写真撮れますよ!」って・・・
とまあ、前置きはさておき、写りは実際どうなのでしょう?
とにかく撮ってみよう!
シャッター1/350 絞りf5.6 ISO100 ホワイトバランス AUTO
まあ、少し硬い感じですが、色味なんかこれはイイ感じ
シャッター1/8 絞りf2.8 ISO100 ホワイトバランス AUTO
無理してISO100で頑張って撮っているのでなくて、100以上に上げるとノイズの嵐になるという所、これ以上の感度は怖くて上げられない。
だって、ISO400でも・・・
シャッター1/250 絞りf2.8 ISO400 ホワイトバランス AUTO
おおう・・・今のイメージセンサーの高感度特性が上がった事、画像処理エンジンが大幅に進化しているのがよーく分かります。
でも、このノイジーな感じが好きとおっしゃられる方もいるかもかも。
なので被写体が動いたり、構えが甘いと・・・
シャッター1/30 絞りf2.8 ISO80 ホワイトバランス AUTO
もう、手ぶれ補正や安定した高感度に慣れきって、腕が本当になまくらになってるなあ・・・と激しく感じるアラフォーです。
もう一つ特徴というか、この時代のコンパクトデジタル機に言える事でもありますが
「今のカメラと比べてとにかくAFが弱い!!」
ファインダのぞいて合焦ランプついたからシャッター押したのにこんな風に・・・orz
もちろん、殆ど合わせてくれるのですがコントラスト検知のみですのでAF領域内のコントラストが低かったり、どこに合わせていいのかっとなるととにかく迷いまっくってくれます。
しかも、液晶は合焦サインが出てもピントが合ってるかどうかはっきり分からない低解像度と小型。
そして・・・このTVS Digital、ピントが合ってようが合ってまいがシャッターボタンに軽く、それこそ半押しからほんの少しでも力入れるとシャッターが切れてしまう
「RTSか!!!」
と叫びたくたくなるくらい、いい意味でも悪い意味でもコンタックステイストが感じられるシャッター・・でも、またそこがこのカメラのクセを感じさせてくれます
シャッター1/90 絞りf6.7 ISO100
でも、描写はやはりTVSの流れをしっかりくんだイイ感じ。
今の様にD-ライティングやピクチャーコントロールといった画像補正技術もまだまだ未熟、イメージセンサーも言わずもがなな時代、レンズ自体で何とかしないとという所ではこのカメラの今でも使えるポテンシャルの高さがうかがえます。
使ってみての感想
使える、十分使えるカメラではありますが、今のデジタルカメラやスマートフォンのカメラ機能をカメラだと思ってかかると色んな意味でショック受けると思います。
ただ、このカメラ注意点というか致命的な問題が「イメージセンサーの不具合」と「電池の劣化」。
電池はまだ社外品が手に入る(記事執筆時にロワ・ジャパンさんに確認しました所、まだ販売中でした!)のですが、イメージセンサーの不具合はこの時期に発売された他社デジタル機でも頻発していました。
それこそ大半のメーカーのカメラがリコール対象になる位大変な事態でした。
※2022年1月の時点でAmazonでの販売終了となっています。
現状、代替バッテリーも入手不可になっております。
イメージセンサー不具合は京セラは既に受付終了、コンタックスに強い修理業者さんでも修理不能がですので中古品を購入される際には要チェックです(実際、買ったときは大丈夫でも暫くたつとセンサー不良発生はよくあります)。
ジャンク品扱いの場合はほぼこの症状が発生していると考えてもイイくらいです。
購入時に可能であれば実際撮影して、撮影画像をプリントアウトや、カメラのモニタ以外で確認される事をおすすめします。
そういう特有の不具合もあって、元気な個体は最近少なくなって来ているのですがもし使ってみようかなあ?と手にされる事があればゆっくり付き合ってあげて下さい。
きっと今の「進化したデジタルカメラ」では感じられない「ゆったり」した撮影が楽しめるはずです。
さて・・・次はどんな古デジで撮ってみましょうか・・・