秋の撮影シーズン突入という事でしばらく使っていなかった機材を引っ張り出されるという方も多いかと・・・しかし!長い事使わず、特に何もお手入れせず閉まっておくとカメラやレンズって実は・・・カビが生えたり、クモッたりします。
この点はご査定でお持ち頂く際にも結構重要なポイントになって来ますので、実例と対策交えて今日はご紹介したいと思います。
1.クモリ
中古商品で「レンズ内クモリあり」というプライスカードを目にされたお客様から「レンズってクモるの?」と時々聞かれるのですが、窓ガラスと同じで保管環境や経年変化よってはクモリます。
原因の多くは先にも申しました環境によるもので「乾湿による空気中の汚れが付着したもの」・・・そう、焼き肉とかした後にそのまんまにしてあった部屋の窓ガラスとか、度が変わって使わなくなったメガネを久々に「発掘」したりすると白く汚れがついてクモッているのと同じです。
もちろん、撮影に影響の無い程度のものから致命傷のものまでありますが、レンズによって材質の経年変化で生じるものもあります。
例としては次になります。
これくらいになると撮影条件問わず影響アリかもしれません。
このレンズは、「レンズの経年変化」で生じております。もうここまでなると、ファインダーのぞいた時に「霧の中にいている」様に全体的に白くモヤーっと見えているかも。
「クモリ」と一言で言っても程度によっては、撮影にそう影響の出ないもの、クリーニング可能なもの、レンズ自体の交換必要なものがあります。
外側のものは、クリーニングキットなどでご自身でも清掃可能なものが多いですが、内部に発生したものや、経年変化で生じたものは分解清掃やレンズ交換になります。
また、生産終了後長期間(製品によって異なりますが、5年から長いものでも10年程)を経ますとメーカーでの補修部品保有期間切れから修理不能になる事もあります・・・。
予防策は次のカビの項目と共通する所が多いのでまとめて紹介します。
2.カビ
これまた意外かもしれませんが、レンズにも食べ物の様にカビが生えます。というか先のクモリ同様原因の多くは「空気中の汚れが付着したものにカビが生える」と言った方がイイでしょう。
クモリ同様程度の差はあり、撮影に影響の無い程度のものから致命傷のものまであります。ただ、カビに言えるのは「軽微なものであっても今後広がる可能性がある」、「クリーニングしても跡が残る」という点が非常に厄介なところです。
一回発生すると菌の種類にもよりますが、広がるときはそれこそクモの巣の様に、縦横無尽に広がっていきます。
この、カビ画像はクモリも合わせ技で入っているのですが、所々「虫食い」の様にクモリが薄くなっている部分、「ホコリを核としてカビが発生している」パターンのカビの生え方。このホコリ、皮脂(フケ・・・)など恐らく栄養分豊富なものだったのでしょう。
また、「アリエナーイ!」って思われるかもしれませんが、微生物(ダニなど)が入り込んで、その死骸から生えて来るものも・・・(虫嫌いの方スミマセヌ)
先に少し触れましたホコリ、余談にはなりますがデジタルカメラ、特にレンズ交換式のカメラで、時々お客様から「レンズのホコリが写る」とご相談を受けられることがあります。
多くはセンサー上のほこりが原因です。レンズ内部のホコリは実際の所入っていても殆どの場合影響はありません(そのホコリがセンサー上に落ちてしまうという事は考えられますが、かなり低い確率かと・・・。)
ただ、相当大きなもの・・・
この様なレンズ内の部品外れで入ったような大きいものなどが、特に絞りより後ろに入っていれば写りこむ可能性もあります。
また、レンズ全体に細かいチリボコリが入って「クモリ」のようになるとこれも影響アリ・・・
おお、これらの防ぎ方ですね。
一番イイクモリやカビを防ぐ方法、それは・・・
「時々でイイから動かしてあげる」
「カメラバッグに入れるのは持って行く時だけ」
「通気性の良い所で保管」
もったいつけといてこれだけかい!!って思われるかもしれませんが、経験上一番イイのがこの方法というか、様々なカメラ店の店頭に陳列されているカメラ、レンズがカビたりクモッたりしないのもこれがあると思います(買取時に既にクモッてたりカビが生えてるもの以外デスガ・・・。)
お店に行ったら店員さんが商品の陳列整理だけでなくて、カメラに装着したり、各部分を動かしているのは「作動チェックも兼ねて定期的に動かしてカビやクモリを防いでいる」というのもあるのです。
また、実際カメラをお持ちの方には・・・
「高価なものやし、その辺りに転がしておいても危ないからバッグに入れて、大事に押し入れにしまっておこう・・・」という方、おられると思いますが
これ一番やっちゃダメなパターンです!
バッグや押し入れは「湿気を吸うと逃がしにくい」というのと、カビやクモリ発生最大の要因は「空気が動かない」という事。
これでカビの胞子は根を張り、湿気によって広がって行きます。
クモリも同じく、汚れた空気や湿気がレンズ内に留まってしまいます。
それを一番防ぐのは
レンズやカメラを動かすのと通気性の良い場所で保管する事。
これをするだけでレンズ、カメラ内の空気が入れ替わりますので、経年変化でのレンズクモリ以外多くの場合防ぐ事が出来ます。
私自身、所有している機材は空気の入れ替わりする棚に置いて定期的に動かしておりますが、経年変化でクモリが生じたり具合が悪くなった事以外はありません。
過去に一度ものは試しとばかりに壊れてしまったコンパクトカメラを押し入れの中にしまい込んでみたのですが・・・もののの見事に半年経たずにレンズとファインダーの中にカビが生えてしまいました。
後、「タッパーに乾燥材入れて保管してあるから大丈夫!」という方もおられますがこれも「正解」でもありまた「不正解」であるかと。
というのは「乾燥しすぎる」のもあまりカメラ、レンズによってはよろしくないもので、カメラやレンズに張られている素材や、接着剤が乾燥しすぎて劣化してはがれたりしてしまう事もあります。
それこそ大事に長く使って行きたいという方には「防湿庫」がオススメなのですが、「置き場所が無い!!」と言う事もあるかと思います。
「普段からちょこちょこ動かしてあげる」事がやっぱり機械モノなので一番イイ事かと思います。
また、ご自身がお持ちの機材で「これは大丈夫かな?」とか心配なものがあれば、メーカーのサービスセンターに持ち込まれてご相談頂くのが一番確実ですが、お近くに無いとかございましたらカメラのナニワ各店にお気軽にご相談ください。
ご相談だけ大歓迎です!