ペンタックス スーパータクマー50mm f1.4 使用レビュー

こんにちは、心斎橋本店カメラ担当「猫の大好きな」見崎です。 

最近、フィルムカメラ時代につくられたオールドレンズの描写を、ミラーレスカメラで楽しむ方が急増しています。 


かつて、オールドレンズを他社のデジタル一眼レフカメラで撮影することは、とても困難でした。 
それはレンズ取り付け部から見えるミラーを動かすための空間があることでフランジバックが長くなり、自由にマウントアダプターをつくることができませんでした。 


しかしながら、今からちょうど10年前にあたる2008年9月にパナソニックからミラーレスカメラDMC-G1の発表をしてから、 様々なメーカーよりマウントアダプターの試作が始まりました。 


センサー面(撮像素子)からレンズ取り付けマウント部までの距離にあたるフランジバックが一眼レフカメラやレンジファインダーカメラより短いことで、世界中のほとんどのレンズをマウントアダプターを通してデジタルで蘇えらせる事が可能になりました。 


今回、商品レビューとして、『アサヒペンタックス スーパータクマー 50mm f1.4』を取り上げます。 

1960年代のフィルム一眼レフ創成期のペンタックス(当時、旭光学工業)の主力レンズの一つにあげられます。 


新品当時、販売期間が10年以上あったため、中古レンズ市場でも容易に見つけ出す事ができます。 

開放絞りf2レンズと比較してf1.4になるだけで被写体深度が薄くなり、オールドレンズの楽しみの一つにあたる雰囲気あるボケ味を作り出すこともできます。 



なお、レンズの商品レビューのお供をしてくれるのは、 
パナソニックDMC-G6(2013年発売)です。 

パナソニックで初めてフォーカスピーキングを内蔵したミラーレスカメラ第一期生なのです。 

尚、パナソニック ミラーレスカメラでは、焦点距離は2倍なりますので、 50mm f1.4は、100mm f1.4の中望遠レンズになります。 

オールドレンズ、「マニュアルフォーカス」のピント合わせに大切な機能になりますので、併せて覚えておいてくださいね。 

それでは、レビュースタート!



1.黄変しているレンズのおかげで温かさの強い描写に




このレンズは、原材料にトリウムが含まれていると言われています。
当時、光学性能を上げるためにトリウムを混ぜる方法がありましたが 、このトリウムの関係で光学ガラスが経年変化をして黄色く変化している個体がほとんどです。 

現代のレンズは、各メーカー共に忠実に再現するので、このレンズで撮影したとき、上の写真のように懐かしさや時が止まったような描写になります。
 



2.逆光 半逆光時のフレアはフワッと柔らかい 




50年以上昔のレンズなので、逆光時の性能は数値上では低下します。写真全体がやや白くなりコントラストも弱く、色再現も弱くなります。  

上の作例は、半逆光で茶猫と背景を白い壁だけにして、色再現の低下が目立たないようにしました。
これを逆手にとってファンタジックな作品にしてみましょう。


こちらの写真は光線状態が最良のときに、猫の玩具を絡めて撮影してみました。

逆光でなければ、オールドレンズならでは、柔らかくカラフルに描写できます。




3.開放絞りf1.4からでも被写体をキリリと描写 




上の写真はf1.4にて撮影。

順光撮影時はピントも合わせた場所は緻密に描写をして、温かみを残しつつも立体感もしっかりしています。 

f2.8まで絞ってみました。

さらに解像力も周辺部の描写も安定します。




まとめ 

歴史あるオールドレンズの中から定番中の定番にあたるアサヒペンタックス スーパータクマー 50mm f1.4を紹介しました。 

このレンズをきっかけに、スーパータクマーを揃えてゆく方もたくさんいらっしゃいますね。 

もし、店内のショーケースにスーパータクマーが何本かあれば、店員に声を掛けて、試写させてもらうと良いです。 


オールドレンズは、新品レンズと異なり、1本毎に状態が変わるので、自分好みのレンズを探し当てましょう。 


カメラのナニワ 心斎橋本店では、定番のオールドレンズは勿論のこと、ぐるぐるボケの大きいレンズ ふんわりした描写のレンズ等、様々なレンズ選びのお手伝いをしますよ。 

是非ともご来店くださいませ。 


モデル協力/見崎家の愛猫 アリアちゃん(1才) ズマロンくん(1才) アイちゃん(8才) ライちゃん(10才)