タムロン SP 85mm F/1.8 Di VC USD F016 使用レビュー

こんにちは、カメラ担当 吉冨です。

今回はタムロンから2016年3月に発売された大口径中望遠レンズ「SP 85mm F/1.8 Di VC USD」を紹介します。

同社のSP35mm・SP45mmと同じシンプルなデザインで、外装は金属製と高級感のある造りとなっております。

長さは約90mm、フィルター径は67mmです。


重さはニコン用が約 660g、キヤノン用が約 700gと少しズッシリしていますが、ボディに取り付けると程よいバランスで取回しの良いサイズ感です。

今回はニコンのD810に、こちらのレンズを装着して実写レビューを行いました。

1 . 特徴 

  • 手ブレ補正3.5段分を搭載
  • LD (Low Dispersion: 異常低分散)レンズと、XLD (eXtra Low Dispersion)レンズを採用で徹底的に色収差を補正してくれます。
  • 簡易防滴構造採用で様々なシーンでレンズの使用機会を拡大します。

ポートレート撮影に特化したレンズ設計のため、ピント面はシャープでボケ味は柔らかく、なだらかに出るようにつくられています。

さらに徹底した色収差補正を行い、手ブレ補正機構「VC」、簡易防滴構造などの機能を搭載することで様々なシチュエーションで最高の撮影が出来るようなレンズ設計になっています。


2 . 実写 

開放F1.8  ISO 100 SS 1/8000

F2.8  ISO 100 SS 1/6400

開放値F1.8では程良く周辺光量落ちがでてきます。

少し絞り込んでF2.8にすると、光量落ちを解消することができます。

ポートレートなどの撮影では「トンネル効果」と呼ばれる、周辺部の光量を落とすことで中央部の被写体を引き立たせるといったテクニックもあるので、そういった撮影では光量落ちを活かした撮影もできます。


F1.8  ISO 100 SS 1/2000

最短撮影距離は80cmと他社の焦点距離 85mmのレンズと比較して短いので、小さな被写体でも大きく写しとることができます。


F1.8  ISO 3200 SS 1/320

ピント面はしっかり解像しているものの、ピント合焦部からアウトフォーカス部に至るまでの、なだらかなボケ味は美しく、立体感を感じる素晴らしい写りです。

また9枚羽の円形絞りになっているので、点光源があるような背景でも気にせず絞り開放で撮影ができます。

 


F1.8  ISO 3200 SS 1/640

AFは静音性に優れており、スピードも速くストレスを感じることなく撮影ができました。

大きくアウトフォーカスしている場面でも、超音波モーターの素早いピント合わせのおかげで、高速で精度の高いピント合わせができます。

ポートレートなどの動きのある被写体でも、テンポよく撮影ができるレンズです。



F1.8  ISO 3200 SS 1/250

夜の路地裏と、かなり暗い場所での撮影でしたがレンズのブレ補正がしっかり効いてくれるので、被写界深度の浅い撮影でもブレることなく撮影ができました。

多少の光があれば、夜の撮影でも手ブレを気にすることなく撮影に没頭できます。


3 . その他 

F1.8  ISO 100 SS 1/640

F1.8  ISO 3200 SS 1/500

F2.2  ISO 100 SS 1/800

F2.2 ISO 100 SS 1/320

F1.8  ISO 100 SS 1/1000

4 . 最後に 

最近の単焦点レンズの傾向はピント面がパキッとしており解像しすぎるため、ポートレート撮影では、写り過ぎてしまうことがありますが、このレンズのピント面は絶妙にいい具合に柔らかく、程よい加減で解像してくれます。

さらに、ピント面からアウトフォーカス部に向けてなめらかにボケていく美しいボケ味は、さすが「人を撮るために誕生したレンズ」という名目で設計されただけのことはある写りになっています。

これから、ポートレートなどボケ味を活かした撮影がメインで中望遠レンズを探している方に、オススメの一本です。


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