コラム レモン社 新宿店

ジャンク品のレンズを分解してみた(トキナー70-210mm SZ-X210)

こんにちは。

レモン社新宿店のみなみです。

本日は千葉県某所のHARD・OFFさんに来ております。

 

割と近所(自転車で20分くらい)にあり、休日たまに訪問してはジャンク品を漁ったりしています。

ジャンクレンズで気に入ったレンズがあっても、もう存在しないメーカーであったり、修理を受けてくれない。


または気に入っているけど修理代をかけて整備する程ではない(数百円~数千円のレンズに1万円とか修理代をかけれない!)など経験があるのではないでしょうか。

今日はここで探したジャンクのレンズで撮影してみて、あわよくばキレイにしてみようという試みです。


■物色中

ジャンク品売り場に来ました。

カゴにジャンク品と、防湿庫(電源は入って無さそう)にカメラとレンズが無造作に入っています。

※写り込みは見なかったことにしておいてください。

Canonの8mmカメラが数台、パスです。

PENTAX ME Superがありますが、ミラーが上がっています。
電池が入ってないからか、電気系統のトラブルだと手が出せないので、迷いますがパス・・・。

 

レンズは・・・、古いAFレンズが多いです。
シグマ、タムロンの35-80mmとか、ミノルタの28-80mmが見えます。


AFレンズは電気系統がそれなりに絡みますのであまり手を出したくありません。
そのうちやってみようかな。

 

■レンズ発見

ゴソゴソ探すこと数分、MFのレンズが!

 

トキナーの70-210mmです。

ヘリコイドは緩めですが、ズームもできます。
つかズームレンズの割にちっさい。

中は・・・カビてます。

マウントは、ニコンAi仕様(爪なし)

ただ、お値段108円と都内鉄道各線の一駅分運賃(大人のね)よりお値打ちです。

本日はコレに決定!


■仕様

店に古いカタログがありましたので、仕様です。

焦点距離:70~210mm
明るさ:F4~5.6
レンズ構成 :8群12枚
最短撮影距離(マクロ):1.3m
マクロ最大倍率:1:5.1
最少絞り:32
絞り羽根:6
フィルターサイズ:52φ
重量:420g

■状態

続いて状態を確認していきます。

外観 :使用感あり、ヘリコイドラバー白化
レンズ :前玉裏表カビ、後玉前部カビ、中玉カビ、全部ですね。
絞り羽根:動作正常
ズーム、フォーカスリング :異常なし

 

無限遠は出てそうな感じがします。

しかし画像がなんか全体に白い!

やはり全体に行き渡ったカビが問題です。


■まずは清掃から

まずはともかくレンズを前から拭いてみます。

使っているのは3iさんのCURA光学レンズクリーナーです。

新宿店ではこちらのクリーニングセットを取り扱っています。

アルコールフリーなので安心して使えて便利です。

 

お、意外とキレイになりました。

しかしやはり中のカビは気になります。

 

■やむを得ず分解

分解する前や途中で写真を色々と撮っておきます。

撮っておくと後で役に立ちます・・・それは「撮っておく事で、組み戻す際の見直しが出来る」これ結構重要!。また、他のレンズに挑戦する際の資料としても役立ちます。
メーカーが違っても結構似たタイプの構造は多いです。

バラす前に同じ位置に組みなおすために印を入れておきます。
色付けはネジの長さやサイズが違うなんて時には、色を変えておくとこれも後々組み上げの際にスムースに作業できます。

後玉のマウント止めビスを3本外します。

スポンと抜けました。

 

 

絞りリングも外します。

おっとベアリングがあります。これは落とさないように注意。(ほら、撮っておくと、もしこのベアリングを落としてしまって「組み上げたら銀色の玉が残ってた・・・ドコノダコレ??」なんて時にも見直せます)

見たところカニ目がありません、回してみます。

後玉群が取れました。

前側にはカビがっ。 


拭いていきます。

キレイになりました。

絞り羽根が見えます。

絞り羽根の向こう側も拭いていきます。

うーん、カビはまだまだあります。

これ以上の分解は怖いので前玉に移行します。

 

■前だよ!

前玉はこれで回します。

ジャパンホビーツール様の吸盤オープナー

外れました。

裏面にカビが居ますので早速拭いていきます。

まずまずキレイになりました。

 

中玉を目指して更にばらしていきます。

ヘリコイドリングを止めているネジを3本外します。

スポンと抜けます。

表裏に2本あるこのネジが怪しいのですが、ズーム機構に手を出すのは非常にスリリングかつリスキー。

うーん、あとちょっとなんですがこれはここで撤退します!

せこせこと組み直していきます。

 

付けた印と印を合せるように組んでいきます。

組みあがりました。

 

中玉のカビだけ残ってしまいました。

 

前と後ろはキレイになりましたので早速テスト撮影してみます。


■試写

清掃前です。

清掃後。

白い靄のようなものがずいぶん減っています。

清掃前

清掃後

大分クリアになってます。

すいません、画像が手ブレしてるのは勘弁して下さい(汗

 

 

組みなおす前にヘリコイドゴムも清掃してみました。真っ白だったのがずいぶん戻っています。


■教訓

①ズームレンズのズーム機構は危険がいっぱい!

 

②無理はしない!(取り返しのつかないことになる前に撤退する勇気も必要)

 

③分解は自己責任で!(大事なレンズは分解することはやめておいて、専門の修理業者に任せましょう)

④失敗しても「これもまた勉強」と思える大らかなチャレンジ精神で(だから、大事なレンズでやると後悔しますorz)

 

 

当記事のレンズは私物であり、店頭での販売はしておりません。

(カビ玉なんか誰も欲しくないって? そうですね、はい。)

 


当店ではしっかりした技術をもった修理部スタッフがメンテナンスした製品(ライカ製品中心)も取り扱っております。

安心してお買い求めください。

 

 

新宿店のみなみでした。

 

※免責事項について. 平成30年10月現在. 当記事にて記載されている内容につきまして、利用者が当ホームページの情報を用いて行う一切の行為について、何らの責任を負うものではありません。

何卒御了承下さい。

 

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