こんにちは。 カメラ担当の池田です。
さて今回は、撮影技法のひとつ「流し撮り」をご紹介いたします。
流し撮りとは?
動く被写体に合わせてカメラを動かし、背景を流して(ブラして)、スピード感・躍動感を表現する撮影技法です。
ですから、被写体は「動くもの」ということになります。
動く被写体の代表的なものとして、鉄道・飛行機・車・スポーツなどがあります。少し難易度は高い技法ですが、これらの被写体を撮影する際には流し撮りにチャレンジして、一味違った写真を撮っていただきたいと思います。
この写真は、流し撮りではなく、高速シャッターで列車を止めて撮影した、ごく一般的な写真です。
そして、こちらの写真。1枚目と同じ場所から、シャッタースピードを遅くして流し撮りで撮ったものです。同じ場所から撮影していますが、イメージがまったく異なる写真に仕上がります。
カメラは?
一眼カメラが理想です。
その理由として、シャッタースピードが設定できるカメラでないと、流し撮りをするのが難しいのです。一眼でなくても、シャッタースピードを設定できるコンパクトタイプのデジカメでも撮影できますが、オートフォーカス性能など色んな機能面を考えると一眼カメラが最適です。
その一眼カメラの中でも、個人的にはファインダーのついている機種が撮影しやすくオススメです。
どうやって撮るの?
最初にも書きましたように、被写体のスピードに合わせてカメラを動かして撮影します。ポイントは身体全体を動かすのではなく、上半身を横(左右)に動かす感じで撮影すると良いでしょう。
流し撮りはやはり練習が必要です。いかに被写体のスピードに合わせてカメラを動かすことができるかがカギとなります。
上の写真は流し撮りの成功写真。列車がブレずに撮れています。
失敗写真。列車のスピードに合わせて上手くカメラを振ることができないと、このような写真になります。
カメラの設定は?
シャッタースピードをコントロールして撮影する手法ですので、撮影モードはシャッタースピード優先オートまたはマニュアルで撮影します。
シャッタースピードは被写体のスピードや撮影距離などによって異なりますが、だいたい1/15秒~1/125秒の間ぐらいです。
シャッタースピードは遅ければ遅い方が背景が良く流れますが、その分失敗というリスクが高くなります。最初は1/30秒または1/60秒くらいから練習すると良いでしょう。
オートフォーカスモードは、基本的には被写体の動きに合わせてピントを合わせ続けてくれるコンティニュアスAF(※AF-C・C-AF・AI SERVOなどメーカーによって呼び名が違います。)がオススメです。
撮影のポイント!
流し撮りで撮影する際のポイントですが、それは背景にあります。
例えば、飛行機を雲がない快晴の青空バックに流し撮りをしても、背景が流れたどうかわからない写真になってしまいます。これが仮に、夜の空港のターミナルが背景にあったとすれば、ターミナルの光がキレイに流れスピード感ある写真になります。
背景を何にするかが作品のレベルを左右すると言っても過言ではありません。背景を良く考えて撮影しましょう!
作例
上の2枚の写真は、アスレチックで遊ぶ子供を撮影したものです。流し撮りは乗り物だけではありません。動いている被写体なら何でもOKなのです。
流し撮りは運動会などのスポーツ写真でも使えます。ただ、運動会だと1、2回しかチャンスがないので、流し撮りに慣れていない方は少々冒険になりますが、決まった時はガッツポーズしたくなるくらいテンションが上がります。
流し撮りの定番は、今までご紹介してきましたカメラを横に振る撮り方ですが、「ズーム流し」と呼ばれる手法もあります。
これは、向かってくる被写体の動きに合わせて、ズームリングを回して撮影するというものです。一般的な流し撮りより難易度が高くなりますが、夜間は高速シャッターで被写体を止めて撮影することが困難ですので、暗いシーンで向かってくる被写体を撮影するには最適な手法です。
あると便利なアクセサリー
何度も書いてますように、流し撮りはシャッタースピードを遅くしてスローシャッターで撮影します。しかし、晴天時にはシャッタースピードを遅くすると、絞りを最小にしても露出オーバーになってしまうことがあります。
そんな時に便利なのがNDフィルターです。
NDフィルターは光量を落とす(減光する)フィルターで、流し撮りだけでなく、渓流や滝などスローシャッターで撮影するシーンで活躍するアイテムです。
最後に・・・
流し撮りの撮り方をご紹介してきましたが、少しは魅力を感じていただけましたでしょうか? 動く被写体を撮影する事が多い方には、ぜひチャレンジして欲しいと思います。
普通に動く被写体を高速シャッターで撮影するほうが失敗も少なく撮影できます。流し撮りは失敗のリスクも高い撮影技法ですが、決まった時の感動は最高です。
失敗のリスクをなくすには練習しかありません。少し練習すれば、だんだんコツが掴めてくるはずです。
百発百中を目指して頑張りましょう!
この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田