今回の商品レビューは富士フイルム FUJINON XF16/1.4 R WRです。
35mm判換算で24mm相当で、広角レンズの代表格になりますね。
広角レンズ=パンフォーカスだけではなく、レンズの大口径化により開放での豊かな描写を示してくれるボケ味も堪能できるレンズです。
1、商品の仕様
●レンズ構成:11群13枚
(非球面レンズ2枚、異常分散レンズ2枚)
●焦点距離:16mm(35mm判換算:24mm相当)
●画角:83.2°
●絞り:F1.4-F16
●絞り形式:9枚(円形絞り)
●撮影距離範囲:15cm-∞
●最大撮影倍率:0.21倍
●外形寸法(最大径×長さ):ø73.4mm x 73.0mm
●質量:約375g
●フィルターサイズ:ø67mm
レンズの大きさは犠牲に成らざるを得ません。ミラーレス用の設計で重さは十分抑えられていると思います。
2、実写
今回の実写はX-PRO2を使用しました。また、フィルムシミュレーションはベルビアを使用しました。
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絞り:F2 シャッタースピード:1/60 露出補正:+0.3 ISO:200
最短撮影距離が15cmなので、マクロレンズのようにも使うことができます。
ピントが合致した部分はシャープで、合致部から離れるほどに柔らかいボケ味ですが窓際からの強い光によるハレーションは甘受できる範囲だと思います。
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絞り:F8 シャッタースピード:1/1500 ISO:800
室内からの撮影ではダイナミックさは損なわれてしまいますね。
標準ズームも24mmからのものが多く、24mmというレンズの画角に慣れてしまったことも一因かも知れません。
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絞り:F2.8 シャッタースピード:1/5400 ISO:200
屋外では周辺部のディストーションにより、広角レンズを使用した感がでます。
耐逆光性能にも優れていると思います。
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絞り:F4 シャッタースピード:1/1250 ISO:800
広角レンズのダイナミックさは広がりだけではなく奥行きも表現できますね。
床の模様の恩恵でスピード感も出ていると思います。
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絞り:F1.4 シャッタースピード:1/5400 露出補正:+1.0 ISO:400
最初のポラロイドの写真は一段絞っての写真ですが、上の花は開放の写真です。開放から安心して使えますね。
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絞り:F5.6 シャッタースピード:1/6000 露出補正:-1.7 ISO:400
唯一のACROSSモードでの撮影です。F5.6では周辺の解像力にやや不満がありますが階調の豊かさ、柔らかさは十分です。
3、使用しての感想
●操作感
X-PRO2との相性は悪くないと思います。レンジファインダー機につけるレンズにしては大振りですが重量が重すぎないのと、ボディとの重量バランスは良かったです。
絞りリングは1/3段ごとに動き、ファインダー内で確認できるのでマクロ的な使い方をするときには便利です。
AFとMFの切り替えは引っかかりが強く、ファインダーから目を離すことが多く使いにくかったです。
●描写
画角の広さから太陽を簡単には避けられませんが、ゴースト、ハレーションの対策はバッチリで画質を大きく損なうことのないレンズです。
色の乗りはこってりではなく、かと言ってタンパクでもありません。派手な自己主張もない自然な描写です。
4、最後に
使い込むほどに撮影者の表現力が試されるレンズではないでしょうか。
単なるズームレンズのワイド端ではない表現力を持ち合わせています。交換レンズを増やされていく中で、選択肢の一つにされてはいかがでしょうか。
担当:いりえ