レモン社銀座店です。
今回はコシナさんから発売されている「ZEISS Plannar T*2/50 ZM」を使ってみましたが・・・前振りの通り、α7に装着しての撮影となりました。
先日、同シリーズのC Sonnar T*1,5/50 ZMを使ってみて、開放付近の四隅の暴れ具合に惹かれてしまいましたがこちらは如何なものなのか・・・
C Sonnar T*1,5/50 ZMの場合と同じく、こちらもレンズ構成はきっちりPlannarタイプ。
プラナーの性格としては像面湾曲・歪曲収差を抑え、平坦性に優れたレンズとされています。
上の画像でお判りの通り、絞りは1/3ステップでコントロール。普段1/2ステップのレンズに慣れている方には違和感があるかも知れませんが、ミラーレス/デジタル一眼に慣れた方には問題無かろうかと思います。
- 実写
判ってはいたのですが、幾ら平坦性に優れたとは云っても流石に絞り開放・無限遠の条件では四隅の解像力は低下が目立ちます。優しい云い方をすると甘さが残る、とかになるんでしょうか。
部分拡大では。
F5.6まで絞ると。
多くの方はスナップ等での使用を前提としていると思いますが、時々登山の際の機材軽量化の為にこの手のレンズを選択肢に入れた方とお話することがあります。
用途によって許容範囲の基準は大きく変わりますが。
山での撮影等、遠景撮影が多い方は最悪でもF4(まだ不満が残りますが)、可能な限りF5.6は絞り値を確保したいかと。出来ればF8は欲しいところではあります。
一方、中心部の解像感はゾナータイプよりもやや優れていながらもどこか柔らかさが残るように感じられます。
ところで絞り開放での周辺光量については(好みが分かれるところですが)、均質な香料分布を謳ってはいるもののそこそこ落ちてくれるようです。
冬の午後の日差しが色調に影響を及ぼしてはいますが、色ノリはZEISSらしさを感じられるものです。とは云え、SONY用ZEISSよりも暖色系に振られているような気もします。
ZEISS好きのお客様が以前、「紅葉に染まった山と青空を撮るのはライカじゃなくてZEISSだよ。金泥のような味わいがあるんだねぇ」とおっしゃってましたが、そのお客様がお使いだったのもコシナZEISS ZMシリーズでした。涸沢あたりが最高だ、ともおっしゃってましたっけ。
レンズ重量は公称210g、暗所の手持ち撮影も気が楽です。四隅の画質なんて関係ない!と思えるシチュエーションでは絞り解放から軽快な撮影が楽しめます。
公称最短撮影距離は0.7m。なのですが、コシナさんたらVM-E クローズフォーカスアダプターなんて悪魔的にステキなアイテムを販売しているので、このレンズをα7で使うなら是非ともオススメです。マウントアダプターとしては決して安くないのですが、その分だけのお楽しみが待っています。
絞り開放・最短撮影距離で現れる、あるか無いか程度のうっすらとした滲みもこのレンズの魅力に感じられました。
C Sonnar T*1,5/50 ZMのような明確なクセが無い分、物足りなく感じられるか安心して使い込めるか。選択の基準はそこになるかと思いますが、楽しく使えるレンズであることはしっかり判りました。
そうそう、撮影に際しては絞りをかなり変えて撮影していたのですが、特にフォーカスシフトの問題を感じる事はありませんでした。
ご用命はレモン社銀座店
又はナニワオンラインまでどうぞ。
レモン社銀座店 松浦