商品レビュー:やはり開放が楽しいNOKTON classic 35mm F1.4 MC

今回はコシナさんから発売されているロングセラーのVMマウントレンズ、フォクトレンダー「NOKTON classic 35mm F1.4 MC」をご紹介します。

NOKTON classic 35mm F1.4 MC(VMマウント

軽量コンパクトな佇まいで、そこはかとなく某ドイツ製高額レンズにそっくりなデザインですが、お値段は新品ながら「なんとかルクス35mm」の中古品の1/5程度と大変リーズナブルになっております。開放時の緩さ加減とか、絞りリングの操作感覚とかも含め、今回改めて「某レンズ」とよく似た性格のように感じられました。
*今回使用したのはマルチコーティング仕様の「MC」タイプです。シングルコーティング仕様の「SC」については、こちらのブログをご参照下さい。

ちょっと絞れば普通のレンズ
あらゆる絞り値でも均一な描写傾向を見せてくれるレンズが必要な方には、ちょっとオススメしにくいかな、と云うのが正直な感想です。開放時の緩さが大きな魅力なのは間違いありませんが、ちょっと絞ればごくごく普通にシャープな描写となります。

F5.6 1/1250Sec.

F8 1/1600Sec.

F5.6 1/200Sec.

キャビン付近に合焦していますが、奥のベイブリッジも解像できています。

F5.6 1/800Sec.

部分拡大してみますと。

600x400pix

色収差が少々見受けられますが、解像力は充分です。

F4 1/25Sec. ASA2000

今回は初代α7にアダプターを介して使用しています。初代ですので当然ボディ内手ブレ補正は無く、出来ればも少し絞りたいと思いつつ、あんまり感度を上げたくないなぁ、と迷いつつ。手すりに凭れかかりつつの撮影となりました。

  • 歪曲あり
    通常撮影ではあまり気になることはありませんが、時々歪曲が気になるケースが出てきます。

煉瓦やドアの垂直線がまるっとしています。

パネルの継ぎ目がまるっとして。

普通に建物を画面に入れている程度であれば気になるケースもあまり無いとは思いますが、まずは気になった点としてご報告。


  • やっぱり大口径は開放♪
    何でもかんでも絞り開放で使うのも大人気ないと叱られそうですが、それでも開放付近の独特な緩みはこのレンズの大きな特徴です。開放時の周辺光量落ちも、「落ちた方が好み」とおっしゃる方には塩梅よろしいかと思います。

F1.4 1/8000Sec.

F1.4 1/4000Sec. 氷川丸

ちなみに船尾あたりに「船内見学云々」と書かれていますが、ブリッジ付近はこのところ重修理を実施中です。結構腐食が進んでいたのが気になっていたのですが、予定では3月末まで修繕作業が続くそうです。見学ご希望の方は船室見学が可能かどうか、事前にご確認下さいませ。

先ほどのベイブリッジを背景にした船の写真、絞り開放ですとこうなります↓。

F1.4 1/3200Sec.

ちゃんと写るのはもう画面真ん中部分のみ、と云って良いくらいの緩み方です。あ、F2とかでテストするのを忘れてました・・・

F1.4 1/5000Sec. ASA250

中央付近のお二人様以外は緩~くにじんでいく感じです。そう云えば、子供の頃に体育館で見た影絵なんかも、結構影のエッジが甘かったような記憶が・・・むむ。あまりにも昔過ぎて正確には思い出せませんが、そんなちょっと非日常チックなイメージに向いていると思います。

開放時と絞った時とで表情の変わるレンズですが、ある程度性格が掴めれば愉しさ倍増のレンズかと思います。

お問合せはレモン社銀座店
又はナニワグループオンラインまでどうぞ。

フォクトレンダー NOKTON Classic 35mm F1.4 MC
レンズ構成:6群8枚
絞り構成:10枚羽根
最短撮影距離:0.7m
寸法:φ55×28.5mm
フィルターサイズ:φ43mm
重量:200g
*レンズフードLH-6は別売

F4 1/400Sec. ASA250