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【コラム】カメラ今昔物語 【キヤノンA-1編】

カメラ今昔物語。。

こんにちは心斎橋買取センターの たつみ です。

今回は、キヤノン初のプログラムAE搭載機『A-1』のお話です。

 

電子化への道のり

現在ではそれが当たり前にさえ思えるようになった一眼レフの自動露出(AE)機能。

その実現に向けて各社で様々な取り組みがされるようになったのは1960年代の事。

当初は小型カメラに搭載されるようになっていたAEを一眼レフにもとの想いは各社共通の認識でありました。

それは当時の一眼レフはマニュアル露出が基本で、初心者にとってカメラは扱いづらい玄人の道具との半ば諦めにも似た空気が漂っていました(今でもその空気は存在しますが。。)

様々なライフスタイルが確立し、写真市場拡大の為にも一眼レフのAE化は必須課題でもありました。

そうして徐々にいくつかのメーカーからAE搭載機が発売されるようになった後、1976年キヤノンから画期的なAE機能(シャッター優先)搭載モデルが発売されます。

それが『AE-1』でした

世界初のマイクロコンピューター制御方式、各パーツをユニット化をし部品点数を軽減するなどそれまでにはない設計を施すことにより大幅なコストダウンを図る事で低価格を実現。

わずか1年半ほどで累計100万台を突破するほどの大ヒット商品となりました。

その裏には「打倒ニコン!」どころか、小型軽量ジャンルでオリンパス、ペンタックスの台頭で「ここで、一気に巻き返しを!」とカメラ部門だけでなく計算機やコンピュータ、果ては誰でも使える手軽さという事で、ありとあらゆる社内の方を巻き込んでまさに「全社一丸」で挑んだすさまじさがあります。

 

多機能化への挑戦

この成功によりキヤノンは挑戦意欲を掻き立て、更なる多機能化を目指します。

まだAE-1のブームが冷めやらぬ1978年4月。

シャッター&絞りの両優先AEに、これまた世界初の完全自動プログラムAEを組み込んだ『A-1』を発売させます。 

キャッチフレーズは【スーパーシューター】

さらに、絞り込み実絞りAEにスピードライトAEを加えて、実に5モードのAEを搭載し、業界の度肝を抜きます(この年代のカタログには世界初!や史上初!の言葉が凄く飛び交っておりました)

秒間5コマ連写が可能なモータードライブMAや新型フラッシュにリモートコントローラーの開発など関連アクセサリーの改良や充実をする事も忘れません。

(フラッシュは最終的に大~小 合わせて8種類も存在(笑))

当時としては異例のトータルシステムカメラとして脚光を浴びる事になりました

 

考えられた操作感

さて、機能やシステムがてんこ盛りのA-1ですが、肝心の操作感も実に考えられた装いでありました。

外見上の特徴としては着脱可能な大型パームグリップを採用。

これは、AE-1ユーザーから指摘のあったグリップが小さく、ホールディング性がイマイチとの意見に応えたもの(だだ電池交換時やモータードライブ装着の際は外す為、無くしてしまう人も多数出てしまう事にもなるのですが。。)

ファインダーは赤色LEDセグメントを用い、デジタル表記を採用。

シャッタースピード及び絞り値が非常に見やすくこれまた好評を得ます。

また、シャッター⇔絞り 各優先はレバー1つで切替可能。

特筆すべきは絞り優先時の操作。

レンズの絞りリングを扱う事なく本体側で変更できるようにしている事。

いまでは当たり前になっているボディ集中制御を40年も前に実現させていた事を考えると驚異的です。

さらに、露出補正は±2段の1/3刻み。プロやハイアマチュアの期待にも応える内容。

(一方 ISO感度は12,800まで設定可能。。フイルムがISO400までしかない時代にそれは果して(笑))

本当になにから何までいたせりつくせりのA-1。

これらを総称して当時は【カメラロボット】と言われた事もうなずけます。

 

最後に。。

優れた電子化の代償は電池(4LR44)消費量の多さに跳ね返ります(一説にはフィルム20本持たなかった?!との話も。。)

またストロボのTTLダイレクト調光やシンクロスピードの低さなどが課題となります。

それらの宿題はのちに発売される『あの後継モデル』で解決されます。。(この話は次回以降にでも。。)

それでも当時としては全ての面において最高峰の機能を持ち合わせたキヤノンA-1。

かつてカメラ小僧だった方々の憧れの1台であった事でしょう

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