今回は「デジタル一眼レフカメラの露出について」少々お話をしたいと思います。
画像素子やフィルムに光を当てることを露出(あるいは露光)といいます。撮影された写真が自然な明るさ・色彩で表現される露出を適正露出といいます。
そこでこの画像
2004年の秋、デジタル一眼レフカメラの普及版初期機種・キヤノンEOS60Dに他社製のマニュアルフォーカスの400ミリレンズに1.4倍のテレコンバーターを付けて896ミリ相当でマニュアル露出で撮ったものです。630万画素のカメラですがフィルム時代から電車を撮っていると床下の機器まで写し込む必要から露出をオーバー目にするクセがついてしまっており、その結果シャープさを欠く画像になってしまっています。
その左上の部分を拡大したのですが、ひさしの影の部分に対してヘッドライトのハイライトの部分がピント位置はほぼ同じであるのによりボヤけています。なぜこういうことが起こるのでしょうか。
デジタルカメラの画像を記録する部分(センサー)には、ひとつひとつの画素に集光用のマイクロレンズが配置されています。カメラのレンズを通ってきた光を効率よく集めるためのレンズなのですがオーバー気味の露光がこのレンズに干渉(乱反射)してハイライト部のにじみを発生していると思われます。そしてこれがデータとして記録されるため、RAWで撮って後から露出調整を施してもこのにじみは解消されませんので注意が必要です。
では、現在のデジタルカメラはどうなのでしょうか。
キヤノンのEOS7D Mark2に、これも他社製の24ミリのマニュアルレンズを付けてみました。
露出オーバー目
その部分拡大
アンダー目で撮った部分拡大
背景の落ち方と比較するとハイライト部はよく粘っています。現在の機種では昔ほどのにじみは出ないようですが比較するとやはりピント・画質が甘く感じられます。デジタルカメラでは露出は切り詰める方向で撮られた方が良さそうです。