さてみなさん、究極の選択です。あなたが乗るクルマはどちら?
1、見た目はフェラーリで、中身はス◯キア◯ト
2、中身はフェラーリで、見た目はスズ◯アル◯
カメラのナニワ梅田2号店のHさんは「1」らしいですけど、ワタクシは断然「2」です。だって、このご時勢ではフェラーリを街で見かけても、たいして驚かないと思いますが、V12エンジンを響かせながら◯ルトが走っていったらみんなビックリするでしょ。
さて本題です。今回ご紹介するカメラは「京セラ T PROOF」です。なぜこのカメラを取り上げることにしたかというと、
ズバリ!家にあったからです!!
あ、もとい…、
ズバリ!搭載されたレンズ、カールツァイステッサーの描写がすばらしいからです。
初めてこのカメラで撮影した写真を見た16年前、そのシャープさ、ぬけ具合、色のりの良さに驚かされたのが昨日のようです。
それなのに、嗚呼それなのに…。
描写のすばらしいカールツァイスのレンズが搭載されているにもかかわらず、爪ではじくとペチペチと音のするプラスチック丸出しで、洗練という言葉からはほど遠い全体的にノッペリ/ボッテリとしたデザインのボディ…、まるで、フェラーリのエンジンを積んだ○○○ではありませんか。しかし、庶民には高嶺の花であった(←大げさ?)「ツァイスレンズの描写を誰でも簡単に手にすることができるようになった最初期のカメラ」と考えれば、ある意味名機と呼んでもよいのかもしれません。
上は正面から見たところです。レンズ周りのCarl Zeiss Tessar の文字が誇らしい…。でも右下にも Carl Zeiss Tessar の文字が。アピール強すぎてちょっとイタい?
そして、外装だけでなく操作系に関しても残念な部分があります。
1、撮影モードはプログラムのみ
2、露出補正ができない
3、電源を切るたびにフラッシュモードが「オート」に戻る
誰でも親しみやすい、そして使いやすさについて考えられたアルトのように(あ、言っちゃった! でも、スズキさんこれで許してね)、初心者にもわかりやすくするためにあえてそうしたかもしれませんが、やっぱり不満なワタクシです。特にほぼフラッシュを使わないワタクシとしては、毎回フラッシュモードを「オート」から「不発光」に切り替えてから撮影するのがとても面倒です(まあ、明るい場所ならそのまま撮ってもフラッシュは光りませんが)。
でもそれらの弱点を全部を補って余りある写りの良さ、これは何物にも代えがたいです。
そのほかT PROOFにはこんな特徴もあります。
1、生活防水
カメラの名前にproofとあるのはつまり、waterproofのproofってことでしょうか。ちょっと調べてみたところwaterproofとは完全防水を意味するようですが、説明書によると「JIS保護等級4(防まつ形)相当」だそうで、実際のところは、ちょっとした雨なら大丈夫という程度だと思います。ところで下の写真のレンズの下に横に5つ並んだ穴が見えますが、これはレンズのところから入った水が出てくる穴らしいです。てことは、あの穴から鼻水みたいにテレーッと水が垂れてくるのか!。雨の中などで使ったことがないので残念ながらワタクシは見たことありません。
2、N.A(ニューアングル)スコープ
もうひとつ特徴として挙げられるのがN.A(ニューアングル)スコープです。上の写真、右端の黒く丸いシャッターボタンと液晶の間、犬のぬいぐるみが見えている窓がそれです。いわゆるウエストレベルファインダーで、カメラを腰の高さに持ち、撮影者は下を向いて前を撮影します。何が嬉しいかというと、暗く俯いた気分の時にも前向きな写真が撮れます!
こんな状況です
「前向きな写真…」というのは冗談ですが、上から覗けるファインダーがあることで、たとえば低い位置にある花を真横から撮るなど、非常に低い位置からの写真も撮りやすくなります。
有名な写真家のロバートキャパはかつて道路で腹ばいになって写真を撮っていたところ、同行者から「着ているスーツが汚れるのでは」と言われ、こう返した…、
「いい写真が1枚撮れれば、こんなスーツすぐに買えるさ」
しかし、写真を撮るごとに支出ばかりが増えていくワタクシにとっては、ニューアングルスコープはとてもありがたいものです。
※警告!キャパだったかどうか、うろ覚えです。周りの人には言わないように。
以下主なスペック
レンズ:カールツァイス テッサー T* 35mm F3.5
露出制御:プログラムAEのみ
絞り:F3.5~F15.5
シャッタースピード:1秒~1/700秒
撮影距離:0.35m~∞
次回は、その写りについて。
意外な結末が待っています(2019年8月追記)
「え?!今回は撮影した写真ないの?」
とか
「カメラ1台でそこまで引っ張るか?」
など、何に対してもすぐに否定的なことを言う人も多いですが、ここは一つ写真撮影同様、前向きにいきましょう!
だって現像できてないんだもん。