こんにちは。 カメラ担当の池田です。
さて今回はオリンパスのレンズの新製品「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3」の使用レビューをお届けいたします。
小型軽量の16.6倍ズームの高倍率ズームレンズで、使う前から便利だろうと確信できる1本です。
今回はオリンパスのフラッグシップモデル「OM-D E-M1 MarkII」にこのレンズを装着して撮影してきましたのでご覧ください。
主な仕様
- 35mm換算24-400mm相当の16.6倍ズームレンズ
- 優れた近接撮影性能で、12mm側では最短撮影距離22cm、400mm側では70cmを実現
- 455gの小型軽量設計
- 安心の防塵・防滴仕様
- ズーム全域で高い描写力を実現
作例
このレンズの最大の魅力は何と言っても35mm換算24mm-400mm相当の16.6倍という高倍率ズーム!そしてマイクロフォーサーズシステムだからこそ可能な小型軽量設計というのも魅力を後押ししています。
1枚目の写真は、大きなブナの木を12mm(35mm換算24mm相当)で撮影しています。広角で撮ることで、巨木ということを表現できました。
2枚目の写真はこのブナの木の新緑のキレイ部分(1枚目の写真の左側の赤枠の部分)を切り取って撮影しています。普通なら、レンズ交換が必要な状況ですが、このレンズがあれば手軽にバリエーション豊かな作品づくりができます。
高倍率ズームレンズですが、この写真を見る限り、広角側、望遠側でも描写力はしっかりとしています。
広角12mmで絞り開放F3.5で撮影した1枚です。
同じシーンをF8で撮影した写真と比較しましたが、描写力に大きな差はありませんでした。絞り開放から高い描写性能を実現しています。
このレンズの特長のひとつとしまして、近接撮影性能が優れている点が挙げられます。
12mmの広角側での最短撮影距離は22cmで、レンズ面から被写体までの距離(ワーキングディスタンス)は10cm、撮影倍率は0.1倍となっています。
また、200mmの望遠側での最短撮影距離は70cmで、ワーキングディスタンスは50cm、最大撮影倍率は0.23倍となります。
1枚目の写真は12mmで最短撮影距離付近で撮影した写真です。広角で近寄ることで、周りの風景を入れた写真表現が可能となります。
2枚目の写真は200mmで最短撮影距離で撮影した写真で、広角側より大きく撮ることができます。背景のボケ味もキレイで、花の撮影でも十分に使えると感じました。
登山やハイキングなどでは機材はできる限り軽くしたいものです。山に行くと花が咲いていて撮影したくなることが多々ありますが、このレンズであればその欲求を満たしてくれます。
逆光耐性はどうかテストしてみました。
このレンズはZEROコーティングが施されており、逆光にも強い設計となっています。
この写真を撮影した時は、太陽の位置が高い状況でしたので、画面の中にまともに太陽を入れると厳しいと思い、右下にある木の枝で少し太陽を隠しています。それでも、かなり強い逆光状態です。
そのような厳しい条件の中でも、ゴーストやフレアが出ることはなく、ヌケの良い写真に仕上がりました。
単なる高倍率ズームではなく、PROレンズ並みにこだわって設計されたと感じることができる1本です。
大阪空港で撮影した3枚の写真。
この写真に写っている飛行機はすべて同じ飛行機で、向かってくるシーンから着陸するシーンまでを連続で捉えました。
このレンズは高速、高精度のオートフォーカスを実現しており、動く被写体の撮影でもまったく問題ありませんでした。
そしてこの3枚の写真、1枚目は200mm、2枚目は15mm、3枚目は200mmで撮影しています。高倍率ズームであれば、このように同じ飛行機で色んなパターンの作品づくりが楽しめます。
大阪空港のように、たくさんの飛行機が飛んでくる場所では、「この飛行機は広角。次の飛行機は望遠」といったように、レンズ交換することができますが、便数の少ない場所や、刻々と状況の変わる夕方の撮影では1つ1つの飛行機が大切になってきます。
こんな時に高倍率ズームレンズは便利なんです。
新緑のモミジをアップで撮影した1枚です。
この写真はボケ味を見るために撮影しています。最短撮影距離の紹介のところでもボケ味について少し書いていますが、この写真からもボケの美しさが感じられます。
ざわついたボケではなく、やわらかいキレイなボケとなっており好感が持てます。
この写真はレンズ性能とは関係ありませんが、植物園内を流れる水路を撮影した1枚です。
新緑の写り込みが美しく、200mmの望遠でキレイな部分を切り取っています。
この写真は手持ちで、1/8秒のスローシャッターで撮影しています。今回使用しましたE-M1 MarkIIはボディ内手ブレ補正機能が強力で、ボディ単体で最大5.5段の補正効果があり、200mmで1/8秒という危険な数値でも手ブレすることなく撮影できました。
まとめ
予想通りの結果で、このレンズ1本あれば風景や花、鉄道、飛行機など、どんな被写体でも撮れてしまうのではないかと思うくらい便利でした。
便利なだけでなく、描写力もズーム全域で満足できる仕上がりで、高倍率ズームだからと言って描写力が犠牲になっていることはありません。逆光耐性も優秀です。
そして高倍率ズームレンズのメリットとして、便利なだけでなく、レンズ交換時に起きやすいセンサーへのゴミやホコリの付着の可能性が大幅に減少するということです。
オリンパスのセンサークリーニング機能は高性能で、ゴミやホコリが付着しにくいと言われていますが、それでもレンズ交換時は神経を使うものです。
このM.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3を使えば、そんな心配をすることもなく撮影に集中できます。
今回はE-M1 MarkIIに装着して撮影しましたが、E-M5 MarkIIに装着してもバランスは良いと思います。
旅行、登山、ハイキングなどに便利な1本です!
この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで