みなさんは【ドイカメラサービス】をご存知ですか?
あたしはよく知りませんが、昔からナニワの社員だった人に聞くと、いろんなところに店を構えたりして、それはもうイケイケだったそうで、移転する前の心斎橋本店の近くにあり、お客さんが行ったり来たりで値段交渉をしていたそうです。
そんな【ドイカメラサービス】に関係あるのが今回のブログ、そう、今回レビューするカメラは【PLAUBEL makina67】です!
1902年創業のPLAUBELというドイツの老舗カメラメーカーがあり、そこでmakinaのカメラを販売していました。
しかし、1975年にドイグループに売却することなりました。
その後、社長の土居君雄氏がこだわりにこだわって完成させたカメラがmakina67となります。(すーごい はしょった笑)
1978年(昭和53年)9月の「フォトキナ」で発表されました。
「フォトキナ」は今でいうCP+のような催しです。
いろんなカメラが先行公開、展示されたりする、ワクワクのベクトルがはんぱねぇ感じでバイブス上がるパリピな祭りです。
嘘です。パリピな祭りではなく、ちゃんとした催しです。
そして翌年の3月に国内販売が開始されました。
iPhoneのポートレートモードすげぇなと常々思います。
【仕様】
型式: 6×7cm判蛇腹折りたたみ式距離計連動カメラ 画面サイズ: 56×69mm 使用フィルム: 120ロールフィルム 10枚撮り
レンズ: ニッコールF2.8 f=80mm 4群6枚 マルチコート
フィルター径58mmシャッター: コパル#0レンズシャッター
B、1秒~1/500 絞り2.8~22シンクロ接点: X接点 ファインダー: 二重像合致式連動距離計
ブライトフレーム パララックス自動補正
基線長63mm焦点調節: たすきによるレンズパネル繰出し式
ボディ巻き上げレバー上部の大型距離環により調節距離目盛: メーター(白)1,1.2,1.5,2,3,5,10,∞
フィート(赤)3.5,4.5,6,8,12,∞露出計: 連動露出計内蔵 中央部重点測光方式
ガリウム砒素燐受光素子使用
露出表示-LEDによりファインダー内 指示
測光範囲 EV3~EV18(ASA100)フィルム感度目盛り: ASA25~ASA1600 電源: 1.5V銀電池2個使用(G13,S76,MS76,WS14) メータースイッチ: 押しボタン式 フィルム巻き上げ: 一作動レバー式 巻き上げ角185° フィルムカウンター: 自動復元順算式 大きさ: 162mm巾、115mm高さ、113mm奥行(格納時56.5mm) 重さ: 1280g
出典:当時の4か国語表記の使用説明書
当時の使用説明書ですので、一部通じないことがあるのでそれをお伝えします。
- 135判カメラではなく120判(中判)カメラ
写ルンですやコンパクトフィルムカメラなどに用いられるフィルムではなく120フィルム、つまりは中判カメラ用のフィルムを使用します。PENTAX67(通称バケペン)やHASSELBLADなどと同じフィルムを使用します。
6×7cm判なので10枚しか写真を撮ることができません。 - 一眼レフではなくレンジファインダー(RF)カメラ
国産のNikonやCanonの一眼レフカメラではなく、
M型Leicaのような二重像合致式のレンジファインダーカメラです。 - レンズがNikon!!
土居氏のこだわりによりNIKKORレンズが搭載されています。
売却される前にPLAUBELもレンズは製造していました。
アンチコマーが有名でしょうか。他にもテレマキナーなどがあります。
ちなみに焦点距離は35mm判換算約40mmです。 - 中央部重点測光方式
合致させる二重像の中央を測光する方式なので
ピントを合わせた被写体の露出を測ることになります - フィルム感度目盛りの表記がASA
ASAは今でいうISOを表します。
露出計はISO25~1600のフィルムまで対応します。 - 電池は1.5Vの銀電池を2個
昔はいろんな種類の電池があったみたいですが
現在makina67にはSR44というボタン電池を2個使用します。 - メータースイッチ
露出計はカメラ背面部、巻き上げレバー下に位置するメータースイッチを押して作動させます。そして、ファインダー内右側に赤色のLEDで + (明るすぎ)と-(暗すぎ)、緑色のLEDで〇(適正露出)と表示されます。
NikonのNew FM2のファインダー内が似ていると思います。 - サイズ感は中学2年生のお弁当箱
レンズが沈胴しますので、持ち運びするときは、
お弁当箱みたいになります。
イケイケなファッションした状態でこれを持ち運ぶとクラッチバッグに見えかねない
そんなサイズ感です。
意外と重たい
持ったときに「えっ!重たッ!!」ってなります。
「お前このかばんに何入ってんねん!!」ってなるやつ意外にずっしりしてます。
GFX50S、50Rを持ったときに感じる「軽すぎ!!」の真逆だと思ってください。
【makina67が映画出演!?】
なんと、今回レビューに使用したmakina67が実は、2019年7月5日(金)に公開される【藤原達也】さん主演映画【ダイナー】に機材提供させていただきました!!
どのシーンで出てくるかはまったく不明ですが、観に行こうと思います。
監督はCONTAX645など、フィルムカメラを使用されている【蜷川実花】さんです。
代表作といえば【ヘルタースケルター】ですかね。
何か意図があってmakina67をオファーした気がするので、どんなシーンに使用されているかめちゃくちゃ楽しみです。
【makina67はオシャレアイテム】
純正の革ケースがめちゃくちゃオシャん。
なんかクラッチバッグみたいな形でオシャ。
ホンマにメンズ用のクラッチバッグに見える。
いやアリでしょ。
この革ケースは便利で、ボディにストラップをつけた状態でも使えます。
パッと見て思ったのが、【女性のハイブランドにありがちなその大きさで何が入るん?】
と思ってしまうバッグ、もしくは【女性ファッション誌に付録でありがちなカバン】
そんなサイズ感です。
ちょっとしたパーティーや二次会なんかにはもってこいですね(は?)
と、純正ケースはいいアイテムです。
【作例】
※データ化は全てGT-X 830です。
長々とお待たせしました。
【FUJICOLOR PRO160NS】
鳥さんです。雨降る前の曇りで、そこまで明るくなかったこと、フィルムの感度が低かったことが重なったので、開放で撮りました。
シャッタースピード1/500が限界なので、ISO400を入れようもんなら屋内ぐらいしか開放できないと思います(偏見)。
【FUJICOLOR PRO400H】
【使用して思ったこと】
・67フォーマットとしてはコンパクト!!
↑やはりRF(レンジファインダー)は サイズが小さくてスペースを取りません。しかし、やや重たい
・NIKKORだけで描写は柔らかめ!
↑レンズの光学の状態が悪いわけでもなかったんですが、柔らかい描写だと思いました。
・独特の操作だがピント合わせがしやすい
↑巻上げレバーとピントリングが同居してる形ですが、慣れればとても扱いやすいです。
購入するときは蛇腹の穴あきだけは最低限チェックしてください。