【オールドレンズレビュー】AI Nikkor 50mm f/1.2s を使ってみた!

こんにちは、カメラのナニワ鹿児島店の米田です。

今回はニコンのオールドレンズ の中でも特に人気の一本である【AI Nikkor 50mm f/1.2s 】をご紹介します。

今回ご紹介する【AI Nikkor 50mm f/1.2s】は【AI-S Nikkor 50mm f/1.2 】というような表記がされていることもありますが、どちらも同じレンズになります。

※以後は、【AI Nikkor 50mm f/1.2s】を【AI-S 50/1.2】と表記します。


【AI 50/1.2とAI-S 50/1.2の違い

ニコンの50mm/F1.2レンズは、1978年に発売された【 AI 50mm f/1.2】 と

1981年に発売され、今なお現行モデルの【 AI-S 50mm f/1.2】 の2種類があります。

細かな変更点はいくつかありますが、主な変更点は以下の3つになります。

  1. 絞り羽が7枚→9枚に増加
  2. 重量が390g→360gに軽量化
  3. コーティングの改良

AI-Sレンズが発売されて約38年もの間、現行モデルとして出ており、コーティングも何度か変更されているので、好みのコーティングのレンズを探してみるのも楽しいかもしれません。


【AIとAI-S の見分け方

AIモデルとAI-Sモデルはそれぞれ記号的な表記はされておらず、パッと見ただけでは判別がつきません。

ですので、少し本題から反れますが、AIとAI-Sレンズの見分けかたをご紹介します。

レンズによって細かな違いはありますが、代表的な違いは以下の2つになります。

  1. レンズ裏側のマウンドリング部の半月状のくぼみの有り無し
  2. 最大F値の色が異なる

※手元にAI 50mm/F1.2が無かった為、写真はAI 50mm/F1.8を使用しています

<左>AIレンズ  <右>AI-Sレンズ

赤丸の部分、AIモデルはマウントリングにくぼみが無いですが、AI-Sモデルの場合くぼみが有ります。


AIレンズ

AI-Sレンズ

最大F値の色の違いですが、AIモデルの場合は最大F値(22)が上列は青色で下列は白色です。AI-Sモデルの場合は最大F値(22)が上列も下列もオレンジ色となっています。

以上の2点がAIモデルとAI-Sモデルの違いを判別する際に見るべきポイントとなります。


【 1981年発売の現行モデル

【AI-S 50/1.2】は、現在も生産され続けており、新品で手に入れることの可能なオールドレンズという立ち位置にいます。まさに現行モデルのオールドレンズというところでしょうか。生産され続けているということは、故障した際もメーカー側で修理が可能ということになりますので、いろいろと安心して使用することが出来ますね!

※追記:2020年生産終了となりました。


SONY α7 にマウントアダプターを介して装着し撮影してきました。

それでは、作例をご覧いただきたいと思います!


【作例】

開放で撮ると、独特なとろけるようなボケが出ます。周辺減光も効いててオールドレンズらしい暗さです。また、全体的にシャープネス低めな写りがフィルム写真の様な雰囲気を彷彿とさせます。


オールドレンズ特有のフレアが出ます。光源が強い環境ですと、収差のせいで被写体の輪郭が滲みますが、それがかえって味になります。


動物も柔らかい表現で写しだすことができるので、哀愁漂う雰囲気になります。


シャープネスも低く、とろけるようなボケ味で花の可愛らしさも強調されます。


モノクロで撮ってみるとその良さが更にわかります。光と影の豊かな階調表現と独特のボケが合わさり、絵画的な写りを見せてくれます。


F11まで絞ると、開放F値とは対照的にパリッとした描写になります。


【まとめ】

絞り開放の描写は、他のレンズでは表現できない個性的な写りをしてくれます。

とろけるようなボケ味、収差による程よい滲み、豊かな階調表現。グルグルと渦を描くような前ボケが写真をより一層、幻想的に見せてくれます。

また、少し絞り込むとニコンらしい繊細な描写をしてくれる為、様々な表現を楽しむことが出来ます。

【AI-S 50/1.2】は、絞り開放で特に個性的な表現ができるレンズなので、ポートレートや動物、花など特定の対象を決めて、深いボケを楽しみながら撮影するには最適のレンズといえるでしょう!

皆様もぜひ、このレンズを使ってみてはいかがでしょうか?


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