ニコン F3の製造年による違いについて

ニコンF3はフラッグシップ機Fシリーズ3台目の機種として、初めて電子制御式シャッター・絞り優先AEを搭載したカメラです。1980年3月から2000年6月に生産完了になるまで20年間製造されました。シリアル番号も120万台から200万台と広範囲にわたっております。F3HPが発売された82年3月の頃のシリアル番号は146万から147万台だそうです。

個々のF3がいつ製造されたかは「ロットスタンプ」で知ることができます。裏ふたをはずすとボディ側に4ケタの数字とアルファベットが黒インクで押されています。

シリアルNo. 1543054のロッドスタンプ

一ケタ目  製造月 1から9までは1から9月、Oは10月、Nは11月、Dは12月

二ケタ目  製造年 西暦年の末尾一ケタの数字

三ケタ目  ボディタイプ Vが通常ボディと初期のチタン、Tがチタン、OがF3PあるいはLimited

四ケタ目  仕様識別記号 設計変更の都度、アルファベットあるいは数字の昇順で変わる

という意味だそうです。また1980年製にはスタンプはないそうです。

写真のスタンプ O2VFはシリアルNo. 1543054 から82年10月製になります。


また、ニコンF3は製造期間が長いため、細かい仕様変更も施されております。

ニコンF3初期からの変更点

○シャッターダイヤルのB(バルブ)の色がオレンジから白へ

○多重露光レバーの形が太い形状から細長い形状に

○グリップの素材の変更 ステアリング素材のビニールレザーからゴム素材へ。オーバーホールの際に現行品に交換される

○AEロックボタンの高さが低かったのが高く押しやすくなった。オーバーホールの際に現行品に交換される

○イルミネーターボタンの形状が押しやすくなった

○シャッターダイヤルのAポジションからのロック解除ボタンの高さが高くなりプラスチックのガードが付いた。

○ASA/ISO感度の表示リングの部分がストレートの円筒形だったのが段差がついた。オーバーホールの際に現行品に交換される

○前板の形状 マウント側から見て11時と1時の方向に突起

などなど他にもあるそうです。上の3つは昔に聞いたことあるあるという点。しかしオーバーホールして交換されていたら完全初期タイプのF3にはなかなかお目にかかれなさそうですね。


前期の多重露光レバー

後期の多重露光レバー

実は劇的な前期と後期の違いは最後の前板の突起の有無。これは1983年に発売されたF3AFのオートフォーカス用の電気接点を取り付けるための台座らしく、ボディのダイキャストをこれに一本化したということです。

ちょっと露出オーバー目に・・・ 前期


後期

今のAF機にもここに接点がありますね。


F3はシリアル番号が軍艦部にあるため、交換すると番号も新しくなってしまいますが、先のロッドスタンプとこの突起の有無でいつ製造されたF3かはある程度絞れそうです。とは言え、新しいのもいいですがこの突起がなくグリップがつるつるするきれいなF3をみたときは逆に感動でした。


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