カメラ沼の深層 レモン社 銀座教会店

レンズ名の由来 いくつ知ってる?日本編

皆さまこんにちは。銀座教会店の中村でございます。

いたるところでイルミネーションが始まってにぎやかな季節になってきましたね。

オールドレンズ遊びの世界に足を踏み入れてから初めての冬を迎えます私としましては、早くいろいろなレンズを試してみたくてワクワクしております。

 

さて、そんなこんなで今回のテーマは「レンズ名の由来」についてです。

はじめてカメラに触り、色々な交換レンズに興味を持ち始めた方は、あまりにも多くのメーカーが様々な名前のレンズを出していることにまず驚かれるのではないでしょうか?

かつて「写真はレンズで決まる」というキャッチコピーがありましたが、カメラの「目」たるレンズの知名度はそのままメーカーの評価に直結します。

そのため、どこの会社もレンズ開発に心血を注ぎ、世に受け入れられるようにと個性的な名前をつけてきました。

今回はそんなレンズの名前の由来を会社ごとに整理してまとめてみました。

これから様々なレンズに触れてみたい、という方々の助けとなれば幸いです。

参照した企業Webサイト、参考文献などの情報は記事末尾に示しておきます。

 

それではどうぞ!

 

【ニコン】

ニコンのレンズ銘柄といえば、言わずとも知れた「ニッコール(NIKKOR)」。

これはかつての社名である「日本光学工業株式会社」の略称「日光(NIKKO)」に由来します。

一説によると当時はレンズ名の語尾を「R」にするのが流行っていたらしく、それに倣って「NIKKOR」という名前にしたと言われています。

 

【キヤノン】

キヤノンはレンズをマウント名だけで表していますので、基本的に銘柄をつけていません。

唯一例外と言えるのは、創業期にレンジファインダーカメラ用レンズとして作られた初の自社レンズ「セレナー(SERENAR)」でしょう。

これは社内公募によって選ばれた名前で、月面にある海の名前に由来しています。

 

【オリンパス】

オリンパスのレンズ銘柄は「ズイコー(ZUIKO)」です。

オリンパスの前身は「株式会社高千穂製作所」という会社ですが、電力供給枠の確保のために同じ敷地内の「瑞穂光学研究所」を別会社として登録し、自社レンズの開発を進めていました。

この研究所の名前から「瑞」と「光」の二文字を取り、「瑞光(ズイコー)」と名付けたそうです。

ちなみに「瑞光」とは、めでたいしるしとみなされる光のことでもあります。

 

【ペンタックス】

ペンタックスの「タクマー(TAKUMAR)」レンズの名前は、創業者・梶原熊雄氏の親戚にあたる梶原琢磨氏に由来しています。

明治時代にアメリカで活躍した肖像写真家で、ミズーリ州のセントルイスにて写真館を営んでいました。

英語版Wikipediaに「one of the seven greatest photographers in the United States(アメリカ合衆国で最も偉大な7人の写真家のうちの1人)」との言葉が載っているほどの著名人です。

 

【ミノルタ】

かつてミノルタのレンズは、緑色に見える独自のコーティングから「緑のロッコール」というキャッチコピーで知られていました。

この「ロッコール(ROKKOR)」という名前は、ミノルタ創業の地である兵庫県武庫群(現在の西宮市)にほど近い六甲山に因んでつけられたものだそうです。

 

【コニカ】

コニカのレンズ「ヘキサー(HEXAR)」「ヘキサノン(HEXANON)」は、ギリシア語で6を意味する「hex」から来ています。

これは、コニカの前身である小西六写真工業株式会社を創った杉浦六三郎(のちの六代目杉浦六右衛門)氏の名前に由来するネーミングとなっています。

 

【マミヤ】

マミヤのレンズには「セコール(SEKOR)」の名がつけられています。

マミヤの前身であるマミヤ光機製作所は、シャッター及びレンズを世田谷工場にて製造していました。

この工場は後に法人化され、世田谷光機株式会社となりましたが、この社名から「セコール」と名付けられたとのことです。

 

 

日本のメーカーにつきましてはこのあたりで一区切りとさせていただきたいと思います。その他にもフジノン(富士フイルム)リケノン(リコー)ヤシノン(ヤシカ)トプコール(トプコン)などがありますが、社名に由来するのが一目で分かる名前になっていますね。

 

ちなみにペトリのレンズ銘柄「オリコール」の由来も調べましたが、あまりにも資料が乏しく、詳細不明となっております……。

このあたりについて詳しいペトリ通の方がおられましたらご教示くださいませ。

 

なお、情報ソースとしてはメーカーのWebサイト内の記述を参照するようにしましたが、それができなかった場合は書籍などを参考にしております。

メーカーごとの参照ページおよび参考文献は以下の通りです。

 

ニコン

https://www.nikon.co.jp/ir/faq/

キヤノン

https://global.canon/ja/c-museum/history/story02.html

 オリンパス

https://fotopus.com/dev_spirits/maitani/vol01/index.html

 ペンタックス

https://www.facebook.com/ricohimaging.jp/posts/1770033903094297/

 参考文献

『カメラ名の語源散歩』新見嘉兵衛 著 写真工業出版社

 

来月のブログではこの続きの海外編をやっていきたいと思います。

特に海外のメーカーはレンズの名前に対するこだわりが強く、しかも外来語であるため日本人である私たちには直感的に分かりにくい名前が多いです。

なるべく分かりやすく整理できるよう頑張ります!

 

それでは最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

来月もよろしくお願いします~。

この記事のハッシュタグ

関連の記事

カメラ沼の深層
2024/07/15

IXY史上最も美しいオールドコンデジ Canon IXY3 【愛しの猫撮影レビュー】

  • #キヤノン
  • #古デジ
カメラ沼の深層
2024/05/21

ジャンクオールドコンデジ 購入時の注意点

  • #古デジ
カメラ沼の深層
2024/05/07

コンデジを持って出かけよう📷【20年以上前のコンデジ使ってみた】

  • #オリンパス
  • #古デジ
もっと見る