あの日、富士フイルムイメージングプラザ大阪にてX-Pro3を触らせてもらって以来、X-Pro3のことしか考えられない身体となってしまいました。
私には夏に購入したばかりのX-H1という素晴らしい相方がいるにも関わらず、「あなたはどこで何をしているんだろうか。
私以外の誰かの手によって、今日も写真を撮っているのだろうか」と、ついそんなことばかり考えてしまうのです。
そんな私に訪れたのは「X-Pro3の撮影レビューを書いてみない?」という悪魔のささやきでした。
私は潤んだ目で見つめてくるX-H1を泣く泣く家に置いて、X-Pro3とともに出かけたのであります。
新フィルムシミュレーション「クラシックネガ」が好きすぎる
これまでも富士フイルムは様々なフィルムシミュレーションを用意してユーザーを満足させてきました。
カラーフィルムの再現となると、特にリバーサルフィルムを模した「ベルビア」「プロビア」「アスティア」の色調の豊かさが素晴らしいです。
しかし、多くの方が想像する「フィルム写真」というと、もっと淡く、懐かしさを感じるようなものではないでしょうか?
その点今回の「クラシックネガ」は「フィルムのSUPERIAを再現した」とだけあって、撮って出しからマジでフィルム。淡い。
これが撮って出しででる幸せ。
特にこの葉っぱの緑色の再現に惚れ惚れしました。
本物の粒子感。進化したグレイン・エフェクト
フィルム写真が持つ独特の粒状感を再現することで好評だった「グレイン・エフェクト」の機能が進化しました。
これまでは強度「強」「弱」の2段階で調整できましたが、粒度を「大」「小」と設定できるようになり、計4種類のグレイン・エフェクトを使用することができます。
私は粒度「大」がまさにISO400のフィルムで撮ったような粒子感でとても気に入りました。
グレイン・エフェクトに対する富士フイルムのこだわりは相当なもので、本物のフィルムと同じように明るいところは粒子が少なく、シャドウ部分にはほどよく粒子が乗るようになっています。
Photoshopなどで加工して粒子を乗せることもできるのですが、やはりグレイン・エフェクトの表現が圧倒的です。
X-T3ゆずりの快適なオートフォーカス
「神レンズ」とされるXF35mmF1.4 Rには「オートフォーカスが若干もっさりしている」という弱点がありますが、X-Pro3のセンサーはX-T3と同じ X-Trans CMOS 4で、オートフォーカスが高速で正確なため、その弱点が解消されます。
爆速とまではいきませんが、ノンストレスで撮影できるレベルに感じました。
暗いところも迷わない。
シャッターチャンスは逃さない。
背面液晶が隠れたことによるいろいろ
X-Pro3の背面液晶が隠れていることは前回お伝えしましたね。
今回は富士フイルムが想定しているであろう撮影スタイル、基本液晶は確認せず、ほとんどファインダーのみで撮影を続けました。
X-Proシリーズ伝統のOVFは撮影範囲外も見れるのでスナップショットに最適ですし、EVFに関してもかなり綺麗になり、タイムラグもほとんどありません。
撮影した写真をファインダー内に表示する設定にしていましたので、液晶を確認する必要もなくバシバシ快適に撮影できました。
しかし気を付けなければならない点もあります。
ファインダー内での写真確認は画面が小さいため、実際よりガチピン(ピントが合っている)かつ、ブレてないように感じるのです。
例えばこちらのシャッタースピードを落とした写真。
手持ちで撮影して、結構イケるやん!と思ったのですが、帰って拡大して確認すると建物部分が少し手振れしていました。
こういった場面ではやはりX-H1の手振れ補正が頼もしいですね。
オートフォーカスも自動露光もばっちり効きます。
ただ、「液晶を確認しない」という前提でいくと、フィルムカメラを構えているときと同じように、F値やシャッタースピードをある程度計算して撮る必要があるでしょう。
全ての世代へ贈る新写真体験
他のカメラに比べて撮影者へ要求される比重が大きいかもしれません。
しかし逆に言えば、デジタルカメラなのにマニュアルのフィルムカメラで撮っているような楽しさがそこにあります。
家に帰ってから、これは狙い通りうまくいったとか、これは失敗したとか一喜一憂をしたのは、まるでフィルムが現像から上がってきたときのようでした。
先ほどは考えて撮らなければならないと言いました。
でもX-Pro3は私にこう語りかけてくるのです。
「とにかく撮って、失敗もして、私と一緒に成長すればいいんだよ」と。
軽くてタフなボディなので、カバンに入れて撮りたい時にスッと出して撮るも良し、じっくり構えて狙うのも良し。
X-Pro3を持った時の質感の素晴らしさ、撮って出た写真の美しさがとにかく撮りたい気にさせるのです。
デジタルカメラの良さとフィルムカメラの楽しさを両立させる、というのはX-Proシリーズに共通したコンセプトだと思いますが、今回背面液晶が隠れたこととクラシックネガが生まれたことで、一つの完成が見えたのではないでしょうか。
デジタル世代もフィルム世代も、きっと新たな撮影体験を得ることができるでしょう。
追伸:X-Pro3から搭載された「カラークロームブルー」で青空を撮ってみたかったのですが、完全な曇天だったため今回は撮影できませんでした。誰かレビューお願いします…
これまでも富士フイルムは様々なフィルムシミュレーションを用意してユーザーを満足させてきました。
カラーフィルムの再現となると、特にリバーサルフィルムを模した「ベルビア」「プロビア」「アスティア」の色調の豊かさが素晴らしいです。
しかし、多くの方が想像する「フィルム写真」というと、もっと淡く、懐かしさを感じるようなものではないでしょうか?
その点今回の「クラシックネガ」は「フィルムのSUPERIAを再現した」とだけあって、撮って出しからマジでフィルム。淡い。
これが撮って出しででる幸せ。
特にこの葉っぱの緑色の再現に惚れ惚れしました。
本物の粒子感。進化したグレイン・エフェクト
フィルム写真が持つ独特の粒状感を再現することで好評だった「グレイン・エフェクト」の機能が進化しました。
これまでは強度「強」「弱」の2段階で調整できましたが、粒度を「大」「小」と設定できるようになり、計4種類のグレイン・エフェクトを使用することができます。
私は粒度「大」がまさにISO400のフィルムで撮ったような粒子感でとても気に入りました。
グレイン・エフェクトに対する富士フイルムのこだわりは相当なもので、本物のフィルムと同じように明るいところは粒子が少なく、シャドウ部分にはほどよく粒子が乗るようになっています。
Photoshopなどで加工して粒子を乗せることもできるのですが、やはりグレイン・エフェクトの表現が圧倒的です。
X-T3ゆずりの快適なオートフォーカス
「神レンズ」とされるXF35mmF1.4 Rには「オートフォーカスが若干もっさりしている」という弱点がありますが、X-Pro3のセンサーはX-T3と同じ X-Trans CMOS 4で、オートフォーカスが高速で正確なため、その弱点が解消されます。
爆速とまではいきませんが、ノンストレスで撮影できるレベルに感じました。
暗いところも迷わない。
シャッターチャンスは逃さない。
背面液晶が隠れたことによるいろいろ
X-Pro3の背面液晶が隠れていることは前回お伝えしましたね。
今回は富士フイルムが想定しているであろう撮影スタイル、基本液晶は確認せず、ほとんどファインダーのみで撮影を続けました。
X-Proシリーズ伝統のOVFは撮影範囲外も見れるのでスナップショットに最適ですし、EVFに関してもかなり綺麗になり、タイムラグもほとんどありません。
撮影した写真をファインダー内に表示する設定にしていましたので、液晶を確認する必要もなくバシバシ快適に撮影できました。
しかし気を付けなければならない点もあります。
ファインダー内での写真確認は画面が小さいため、実際よりガチピン(ピントが合っている)かつ、ブレてないように感じるのです。
例えばこちらのシャッタースピードを落とした写真。
手持ちで撮影して、結構イケるやん!と思ったのですが、帰って拡大して確認すると建物部分が少し手振れしていました。
こういった場面ではやはりX-H1の手振れ補正が頼もしいですね。
オートフォーカスも自動露光もばっちり効きます。
ただ、「液晶を確認しない」という前提でいくと、フィルムカメラを構えているときと同じように、F値やシャッタースピードをある程度計算して撮る必要があるでしょう。
全ての世代へ贈る新写真体験
他のカメラに比べて撮影者へ要求される比重が大きいかもしれません。
しかし逆に言えば、デジタルカメラなのにマニュアルのフィルムカメラで撮っているような楽しさがそこにあります。
家に帰ってから、これは狙い通りうまくいったとか、これは失敗したとか一喜一憂をしたのは、まるでフィルムが現像から上がってきたときのようでした。
先ほどは考えて撮らなければならないと言いました。
でもX-Pro3は私にこう語りかけてくるのです。
「とにかく撮って、失敗もして、私と一緒に成長すればいいんだよ」と。
軽くてタフなボディなので、カバンに入れて撮りたい時にスッと出して撮るも良し、じっくり構えて狙うのも良し。
X-Pro3を持った時の質感の素晴らしさ、撮って出た写真の美しさがとにかく撮りたい気にさせるのです。
デジタルカメラの良さとフィルムカメラの楽しさを両立させる、というのはX-Proシリーズに共通したコンセプトだと思いますが、今回背面液晶が隠れたこととクラシックネガが生まれたことで、一つの完成が見えたのではないでしょうか。
デジタル世代もフィルム世代も、きっと新たな撮影体験を得ることができるでしょう。
追伸:X-Pro3から搭載された「カラークロームブルー」で青空を撮ってみたかったのですが、完全な曇天だったため今回は撮影できませんでした。誰かレビューお願いします…