造りの美しさに惚れてレビューするのは何回目でしょうか?
今回はレモン社銀座教会堂店にて分解清掃後のレンズを使用しました。
物によってはお断りする場合もございますが、
ライカのレンズ、ライカのボディであれば、修理が可能です。
カメラのナニワで修理受付することが可能ですので、
何かあればお持ち込みください。
【貴婦人と呼ばれる美しいレンズ】
美しさに惹かれてレビューするのはC Distagon 50mm F4 T*以来です。
やはりですね、クロームのボディにレッドスケールはキマッてかっこええんです。「貴婦人」と呼ばれるだけの理由はあります。
持った感触もまた人間の手になじむように持ちやすいです。
調整後の個体ゆえになおさら手になじみます。
絞りのクリック感もすばらしく、絞り動作もウットリさせられます。
上から見た図。細かく刻まれたローレットが美しいです。
見て美しい、触って美しい、撮って美しい、こんなレンズはなかなかないと思います。
【スペック】
- 1961年製造番号(シリアルナンバー)1844001から光学が第二世代(2nd)となる。外観は変わりなし
- 1968年以降は外観がブラッククロームに変更される
- レンズ構成:5群7枚
- 焦点距離:50mm
- F値:1.4~16
- フィルター径:E43
- 最短撮影距離:1m
- 1960年~1963年にスクリューマウント用も製造されました
- コード:スクリューマウントSOWGE/11014
:バヨネットマウントSOOME/11114
【作例】
※現像とデータ化は店舗にお願いしています
※使用個体は分解清掃後調整を施したものです
【NEOPAN 100 ACROS Ⅱ】
F/8.0 1/125秒 ISO100 晴天で絞って撮影。木漏れ日がふつくしいです。
F/8.0 1/250秒 ISO100 古いレンズですので、ゴーストはしっかりと出ます。
F/8.0 1/1000秒 ISO100 先ほどの写真から少し角度を変え、露出を二段アンダーにしました。
F/2.8 1/60秒 ISO100 雨の日、F1.4ぐらいあると安心して撮影できます。
F/1.4 1/250秒 ISO100 神戸元町にある折角堂さん。オシャレな眼鏡がたくさん置いてあるステキな空間です。筆者もここで購入した眼鏡を愛用しています。伊達メガネですので、レンズはKodakのDA-TEというレンズを入れています。ちょっと大人な眼鏡が欲しい方はぜひ行ってみてください。
F/8.0 1/250秒 ISO100 メリハリがついているしっかりとした描写です。
【FUJICOLOR NAUTRA 1600】
※ISO感度設定は400で撮影しています(2段オーバー)
F/11.0 1/2000秒 ISO1600 SUMMILUXの金目は黄色の輝かしいコーティングでしたが、ゴーストの色はオレンジ色で出現しました。
F/8.0 1/1000秒 ISO1600 早朝の公園。オーバーホール後ということもあり、嫌みのないヌケの良い描写です。
F/11.0 1/1000秒 ISO1600 朝の光は美しいことは事実ですが、その美しさをより美しく再現してくれると思いました。
F/1.4 1/125秒 ISO1600 マンションの花壇にある明かりで撮影。これぐらいの光量であれば問題なく撮影できます。
F/11.0 1/2000秒 ISO1600 フレアやゴーストは角度によって、すさまじいことになります。
F/1.4 1/125秒 ISO1600 室内でも外光さえ入れば、手ブレすることなく撮影可能です。
F/11.0 1/1000秒 ISO1600 シルエットが丸い。悪口ではない。褒めてもいないが、、、
F/11.0 1/1000秒 ISO1600 皆さんも瞬間的にこういう顔をしてブランコに乗っている瞬間があるはず。そういうことをこのレンズは教えてくれます。←はぁ?
F/1.4 1/2000秒 ISO1600 ものは試しと明らかにオーバーなのは承知で絞り開放で撮影。
【SUPERIA X-TRA 400】
F/8.0 1/2000秒 ISO400 ご覧の通り、逆光耐性は強くないです。
F/8.0 1/500秒 ISO400 道路の中央線で分かれる季節。
F/1.4 1/125秒 ISO400 背景の庭にある葉っぱがぐるぐる回ってます。収差はしっかりとあるレンズです。もちろん絞れば問題ないです。
F/1.4 1/60秒 ISO400 雰囲気最高ですね。昭和町の長屋でやっている「げしとうじ」さん。まさに昭和な光景。
F/1.4 1/30秒 ISO400 グラスにピントを合わせて撮影。顔はすでにボケており、さすが大口径F1.4といったところ。
F/8.0 1/2000秒 ISO400 たまには堂々と光源に向け潔く散ろう。Zeiss Ikon ZM の測光も潔い。
F/8.0 1/500秒 ISO400 結局は一番搾りなんですよ。
【SUPERIA VENUS 800】
F/8.0 1/250秒 ISO800 なんてことない写真。車のホイールが見事に止めることができた。
F/8.0 1/250秒 ISO800
F/2.8 1/2000秒 ISO800 じつに嫌みのないクリアな描写です。
F/8.0 1/500秒 ISO800 大阪天満宮に初詣。初めて行きましたが、白とピンクのこれは何ですかね?
F/5.6 1/1000秒 ISO800 こういうさわやかな写真を邪魔するのは写真左下にあるゴーストである。フードの必要性を感じます。
F/8.0 1/500秒 ISO800 神社の木漏れ日は大概美しい。
F/5.6 1/125秒 ISO800
F/8.0 1/250秒 ISO800 文句のないシャープな描写です。
【Cinestill 50D】
F/1.4 1/125秒 ISO50 Cinestill 50Dとズミルックスとの組み合わせで右に出るものはない。そう思わせるフィルムの特徴と描写性能です。
F/1.4 1/125秒 ISO50 ピント位置を変えて撮影。この組み合わせで一生写真を撮り続けたい。
F/1.4 1/2000秒 ISO50 Mマウント使用ボディはZeiss Ikon ZMなんですが、そのときにCinestill 50Dを使用することが多いです。ISO50、絞り開放で撮影すると絶妙な雰囲気の写真が生まれるからです。こんな光景であろうと絞りは開放で撮影します。
F/1.4 1/125秒 ISO50 絞り開放で手前にピント合わせると背景によってはこのようにぐるぐるボケます。あぁ非点収差。
F/1.4 1/125秒 ISO50 何も考えて撮影していないけど、いいように見せてくれるこのレンズはどえらい。
F/1.4 1/125秒 ISO50 F1.4の立体感は見事。
いかがでしたでしょうか?
私的感想として、
【ズミルックス35mmほど暴れることなく、
程よく柔らかい描写です】
絞れば力強い描写を発揮してくれます。
当時新品でこのレンズが販売されていると思うとゾッとします。
今の光学状態よりはるかに綺麗だと考えると、
とんでもない描写をしていたと考えられます。
現在は曇っていたり、バルサム切れしていたり、
何かしら描写に影響する光学状態の個体が多いです。
また、ピントリングが回らないものも過去にはありました。
ですので、しっかりメンテナンスされた状態で使用されることをおすすめします。