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キヤノン EOS M6 MarkII 使用レビュー

こんにちは。カメラ担当の池田です。

さて今回は、2019年9月に発売されました「キヤノン EOS M6 MarkII」の使用レビューをお届けいたします。

EOS M6 MarkIIは2017年4月に発売されましたEOS M6の後継機種として登場。約2年半でのモデルチェンジとなりました。

2年半という時を経て、EOS M6 MarkIIは大きく進化して世に放たれました。

機能はもちろんのこと、操作性なども向上していますので、前モデルと比較をしながらEOS M6 MarkIIの魅力をお伝えしたいと思っています。

 

外観

まずは外観から見ていきましょう。

右が前モデルのEOS M6。そして左がEOS M6 MarkII。

デザインは良く似ていますが、グリップ部が少し改良されホールディング性が良くなっています。

またボディカラーは、ブラックとシルバーの2種類が用意されています。EOS M6 MarkIIのシルバーは前モデルより少し濃くなっており渋みを増しています。

 

同じく、右が前モデルのEOS M6で左がEOS M6 MarkII。

カメラ上部(軍艦部)は大きく改良されています。

EOS M6 MarkIIでは、EOS M6に装備されていた露出補正ダイヤルがなくなり、メイン電子ダイヤルとサブ電子ダイヤルが操作しやすいように装備され、直感的な操作が可能となりました。

またメインダイヤルの中心にはダイヤルファンクションボタンが設けられており、撮影する上で比較的使用頻度の高い、ISO感度やドライブモード、ホワイトバランスなどを素早く変更できます。

なくなった露出補正ダイヤルですが、メインダイヤルや背面のコントロールホイールなどで設定可能です。

 

EOS M6 MarkIIはEOS M6と同様、ファインダーは装備されていませんが、別売の外付けファインダーを装着することができます。

日中の屋外で撮影される場合などは、液晶画面が見づらくなることも多いので、ファインダーがあると便利です。

 

 

スペック

前モデルとの基本スペックの比較です。

性能 EOS M6 MarkII EOS M6
画素数 約3250万画素 約2420万画素
映像エンジン DIGIC8 DIGIC7
測距点 143点 49点
測距輝度範囲 EV -5~18 EV -1~18
連続撮影速度 約14コマ/秒 約9コマ/秒
連続撮影可能枚数 ファイン:約54枚 RAW:23枚

ファイン:約26枚 RAW:17枚

質量 408g 390g

 

以上が基本スペックの比較ですが、この中で大きく進化している機能は、やはり連写性能とオートフォーカス性能ではないかと思います。

連写性能は最高約14コマ/秒と飛躍的に向上しています。また、その際にはミラーレス一眼の欠点でもあった残像感はほぼなく、ブラックアウトフリーでの撮影が可能となりました。

これにより、動く被写体撮影においても、信頼してしっかり使えるカメラになったと言えるでしょう。

オートフォーカス性能については、人物撮影をする方にはとってもありがたい、今流行りの瞳AF機能も搭載されています。(※EOS M6は非搭載)

また、暗いシーンでのオートファーカス性能も向上しており、F1.4レンズ使用時は-5EVという暗い状況でもピントが合うようになりました。ネイチャー撮影の方には嬉しい性能アップです。

 

新機能

①RAWバーストモード

デジタル一眼のEOSシリーズでは初搭載となる機能で、被写体にピントを合わせたまま最高約30コマ/秒の高速連写が可能となります。撮影後にカメラ内で決定的瞬間を捉えた写真を切り出すことができます。

また、シャッターボタンを押す直前から記録を開始する「プリ撮影」を選択することができ、野鳥や昆虫が飛び立つシーンを撮影するのに適しています。

 

②Fvモード(フレキシブルAE)

2018年秋発売のフルサイズミラーレス一眼「EOS R」に初搭載され、好評だった機能がEOS M6 MarkIIにも搭載されました。

作品づくりに必要不可欠な、シャッタースピード、絞り、ISO感度をそれぞれオートもしくは任意で設定できるモードで、状況に応じて変更したい項目を設定できるオールマイティーな撮影モードです。

 


動く被写体でこのカメラの性能を発揮できると思い、鉄道、飛行機をメインの被写体として撮影してきましたのでご覧ください。

 

作例

シャッター速度優先オート 1/500秒 F6.3 ISO6400

オートフォーカス性能と連写性能が向上したということで、鉄道を被写体に選び撮影してみました。

結果はEOS M6から大幅な進化を感じる事となりました。

オートフォーカス性能はもちろんのこと、ブラックアウトなしの連写ができることで、一眼レフと同じ感覚で撮影できるのは本当にありがたい事です。

シャッターを押した感触も良く、写欲がどんどん沸いてきます。

秒間14コマの連写性能まで必要ないと思われる方も多いと思いますが、動く被写体は一瞬で状況が変わる場合も多く、決定的瞬間を逃さないという意味でも連写性能は速ければ速い方が良いと思っています。

そしてこの写真、ISO6400で撮影しているのですが、ノイズによる大きな画質劣化はなく常用で使えるレベルでした。ISO感度の設定範囲は前モデルと変わらないものの、感度拡張ではISO51200相当まで上げることができます。

映像エンジンがDIGIC8になったことで、高感度性能も上がったと言えます。

 

シャッター速度優先オート 1/1000秒 F4.5 ISO200

動きものという事で、飛行機も撮影してみました。

AFモードはピントを追従する「SERVO AF」にセットしています。

1枚目の鉄道写真のように、正面からやって来る被写体を撮影する場合は、オートフォーカスが迷ったりすることは少ないのですが、上の写真のように後追いで撮影する場合は、被写体が急に現れたりしますので意外とピントを迷ったり、フォーカススピードが遅くてなかなかピントが合わないという状況もあるのですが、M6 MarkIIはしっかりとピントを合わせてくれました。

オートフォーカス性能は信頼できるものとなっています。

 

シャッター速度優先オート 1/100秒 F6.3 ISO6400

暗くなってからの飛行機撮影。ちょっと構図をミスしました。

ここ大阪空港の千里川土手は、滑走路の誘導灯が輝く始める夕暮れ時が最高のシャッターチャンスとなります。

私が撮影したこの日も、このシーンを狙って多くのカメラマンが訪れていました。

EOS M6 MarkIIのオートフォーカスの進化ひとつに、暗いシーンでの性能のアップがあります。F1.4レンズ使用時では最大-5EVという低照度でもオートフォーカスが可能となりました。

上の写真のようなかなり暗い状況でも、的確にピントを合わせてくれるので本当に頼もしいです。

また、この写真もISO6400で撮影しています。拡大して画像を確認しますとノイズを確認できますが、ISO6400ということを考えると十分な描写力だと思います。

 

シャッター速度優先オート 1/1000秒 F6.3 ISO400

神戸空港に着陸する飛行機を撮影した1枚です。

薄曇りでしたので、光線は強くありませんが逆光状態での撮影です。

この写真の前からシャッターを切り続けていますが、どれもしっかりピントが合っておりオートフォーカス性能について不満を感じることはありません。

逆光状態での写真ですが、飛行機がシルエットになることはなく、機体に書かれた文字がはっきり読めるくらい描写されています。また空の階調も再現されています。

これは、キヤノンの「オートライティングオプティマイザ」というを明るさやコントラストを自動調整してくれる機能によるもので、逆光のシーンをはじめ、明暗差の大きいシーンでも階調豊かな表現をしてくれます。

 

シャッター速度優先オート 1/8秒 F8 ISO800

手ブレ補正について、少し触れておきたいと思います。

キヤノンのEOS Mシリーズはボディ内手ブレ補正ではなく、レンズによる手ブレ補正となっていますが、EOS M6 MarkIIには「デュアルセンシングIS」というカメラ側でもブレ量を検知して手ブレを補正する機能が搭載されています。

その機能に対応しているレンズは、上の写真を撮影したEF-M 18-150mm F3.5-6.3 IS STMをはじめ、EF-M 15-45mm F3.5-6.3 IS STM、EF-M 55-200mm F4.5-6.3 IS STMの3本で、これらのレンズを使用することで強力な手ブレ補正効果が得られます。

上の写真は、手持ち撮影で1/8秒という低速シャッターで撮影していますが、拡大してもブレていませんでした。

 

絞り優先オート F8 1/50秒 ISO400

絞り優先オート F8 1/400秒 ISO400

これまで動く被写体に強いカメラという事を強調して書いてきましたが、もちろん風景写真の分野でも使えます。

画素数は約3250万画素あり、繊細な描写を求められる風景写真でも十分耐えられる画質を持っています。

風景写真は色んな気象条件のもと撮影することが多いので、防塵防滴仕様になっていない事だけが少し不安ですが、それ以外については不便や不満を感じることはありませんでした。

風景写真を撮影する場合は、やはり電子ビューファインダーの装着をオススメいたします。今回は雪の中での撮影が多かったのですが、液晶だけでは露出が適正かどうかがわかりにくく、電子ビューファインダーが活躍しました。

また小型軽量ボディというのも、ハイキングや山登りをしながら風景を撮影する方には最適な1台となっています。


 

まとめ

個人的にEOS M6 MarkIIは、発売が発表されてからずっと気になっていた商品のひとつでした。

その理由としまして、今までのキヤノンのミラーレス一眼はまったくと言っていい程、動く被写体を意識してないのでないだろうかというスペックでした。ミラーレス一眼は従来の一眼レフと比較して、動きものに弱いというのは仕方のない部分であるのも事実です。

しかし、オリンパスやソニー、富士フイルムなどの上位モデルには動きものを強く意識した機種もありますが、キヤノンにはそれらに匹敵する機種がなかったのも事実です。

EOS M6 MarkIIの登場により、ブラックアウトフリーを実現した高速連写と高性能オートフォーカスで動きものをしっかり捉えることができるようになりました。

この性能がフルサイズミラーレス一眼「EOS R」シリーズに搭載されれば、最高の1台が生まれるのではないでしょうか。

 

あえてEOS M6 MarkIIの不満な点を挙げるとすれば、ファインダーが内蔵ではなく外付けであること。別に、外付けでも構わないのですが、少し窮屈なカメラバッグに収納する時に接点部分が破損しないか心配になってしまいます。

これだけの性能を持ったカメラですので、妥協せずEOS M5のようにボディにファインダーが内蔵されている方が良かったように思います。

もちろん個人的な思いです。

キヤノンさんの未来は明るいと感じる1台でした。

 

この記事に関するお問い合わせは・・・カメラ担当 池田まで

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