クラシックカメラ カメラのナニワ 千里中央店

あのSPでも、そのSPでもなく、このSPです。ってどのSP? ~オリンパス35SP~

オールドレンズを探しているとおっしゃるお客様の探しているそのレンズが、ワタクシにとってはそんなに古くない(というかワタクシの青春真っただ中時代の)レンズだったりしたときに、ひそかに傷つく今日このごろです。

ワタクシの青春時代はすでにOLDなのでしょうか?

さて、そんなワタクシが写真を撮り始めたのは、まだ小学校5年生だった、今を去ること38.5年ほど前。

家で使っていたカメラをもらい受けたのが始まりです。そのカメラこそが今回ご紹介するオリンパスSPなのです!

つまり…、今回ブログで取り上げる「SP」が、国産レンジファインダーの最高峰とも言われる“あの”ニコンSPでなく、今でも中古カメラ店でしょっちゅう見かけるほど売れまくった“その”ペンタックスSPでもなく、特に誰からも気にされていないであろう“この”オリンパス35SPであるのは、そのようなとても個人的な理由です。

だから今回のブログの内容はテストには出てきません。(閲覧数伸びなさそうだなー。まあいっか)。

これがオリンパス35SPです。

1969年発売で35ミリフィルム使用、レンズ固定式のレンジファインダーカメラです。

レンズは42mm/1.7で、このクラスのカメラのレンズにしては明るく思われるかもしれませんが、当時はけっこうこんなカメラがあったんですよね。

そのころよく一緒に撮影に行っていたM君の一眼レフには1.8のレンズがついていたので、ボディでは負けてるけどレンズは勝ってるとひそかに思っていました(たった0.1の差で勝ったと思うみみっちいやつですよ、ワタクシは、どうせ)。

また42mmという、50mmよりやや広い画角が、目で見た範囲(本当の視野は180度近くあると思いますが、それではなくて、パッと見たときに何があるか認識できる範囲)に近く感じられて使いやすいと個人的に思っています。

露出制御はプログラムEEだけでなくマニュアルも可能です。

絞りリングを「A」に合わせて、シャッターリングを小窓の位置にすることで、小窓の中に「A」文字が現れてプログラム撮影ができるようになります。

マニュアルで撮影する場合は、ファインダー内の露出計に示された数字が小窓の中に出てくるように絞りとシャッターを設定します。上の写真では「15」が表示されています。


フィルム感度はボディ側面にあるダイヤルで設定します。

ピント合わせは、ファインダー内の真ん中の像がダブって見えるのを、ピントリングを操作して一つに重ねることによっておこないます(って言われてもよくわかりませんよね。お店に来てくださればご説明いたします)。

そして、このカメラ一番の特徴はスポット測光ができることです。そうです、名前の「SP」はスポットからきているのであります。

このボタンを押している間はスポット測光に切り替わります。

ワタクシが譲り受けたとき、すでに説明書がなかったので、前の使用者である父にこのボタンは何かと尋ねたのですが、ひとこと……、

「わからん」

と返されたので、高校生になるくらいまでこのボタンは何なのかわからないままでした。

当時はインターネットなんてなかったので、わからないことが何年もわからないままだったりしたんですよねー(わからないまま終わる、そんなのはい~やだ!って顔がパンの人は言いますが、わからないものはわからないままだったわけです)。

んで、何かわかったころには一眼レフを持っていたので、結局当時スポット測光を活かして撮影することはありませんでした。というか露出計自体ほぼ使っていませんでした。

つまり「SP」の意味なし!

でも、一眼レフを使うようになったワタクシ、その後オリンパスのOM-4やOM-4Tiといったスポット測光機を使うようになったのは、はじめにSPを使ったのが影響しているのかもしれません。

あ、スポット測光がわからない人を置いてきぼりにしてしまうところでした。スポット測光とは画面のわずか一部分だけの明るさを測って露出を決める方式です。

画面の中に明るさが極端に異なる部分があるような場合に、どちらか一方だけの明るさを測って露出を決めることができます。

42mmの1.7なので、開放にすれば結構ボケます。ただしボケ味は硬さが残ります。

当たり前ですが、絞れば十分シャープです。やや樽型の収差があるような……。

※この5枚コダックポートラ160使用

 

壁板の質感もよく出ていると思います。

※AGFA VISTA使用

 

使っていて気になるところとしては、シャッターの最高速が1/500秒なので、明るい場所で開放にできないことがしばしばあります。

そして、レンジファインダーの宿命ですが、最短撮影距離が85㎝とあまり寄れないところ、シャッターのストロークが重いことなどが挙げられるでしょうか。

あ、それからとっても細かいんですけど、ストラップの取り付け金具の位置が低くて、ぶら下げたカメラが上向いちゃうんですよねー。

この写真どこにもピントが合っていません。レンジファインダーカメラはファインダーがボケないので、ピント合ってると思ってピント合わせずに撮ってしまいました。小学校5年生のワタクシに笑われそうです。

この3台がワタクシ所有のオリンパスSPたちです。なぜ3台あるかというと、中古屋さんで見つけた時に自分が今持っているのより状態がいいと追加で買っちゃうんですよね。

ちなみに、38.5年前に譲り受けた個体は、実家の物置に眠っているためここには写っていません。

いかにも昭和チックな見た目が、そんなに古くないレンズを「オールドレンズ」と呼んで憚らない「近頃の若者」にもウケそうです(いや、ウケんか)。

でも今のカメラと違ってズッシリと重く、手になじむ道具感や金属部分の手触りも所有欲を掻き立てるのではないでしょうか(いや、掻き立てんか)。

オリンパスのこのシリーズの中では上位にあたるモデルなので、元気に動く個体ならまだまだ使えると思います。

どこかで見かけられたら、みなさんも買っちゃってもいいかも!(いや、買わんか)。

それでは、またまた。

この記事のハッシュタグ

関連の記事

クラシックカメラ
2024/09/05

カメラ今昔物語 【コンタックス137MD 編】

  • #カメラ今昔物語
  • #コンタックス
  • #カールツァイス
クラシックカメラ
2024/08/30

Voigtlander VITESSA【使用レビュー】

  • #フォクトレンダー
クラシックカメラ
2024/07/12

コンタックスAriaで名古屋港を撮ってきました。

  • #コンタックス
もっと見る