今月の新入荷情報第2弾~!
ご紹介させていただきますのはまたしてもロシアもの、旧ソ連製カメラの「SMENA 8M」でございます。
しかし侮るなかれ、こちら見た目のわりに「良く写る」カメラとして今なお根強い人気を誇る機種となっております。
界隈での愛称は「スメハチ」です。
では作例をお見せしながら解説していきましょう。
「トイカメラ」と言いますと周辺減光の出ている写真や独特のカラーバランスになっている写真を思い浮かべる方が多いかと思いますが、こちらのスメハチは比較的素直な写真が撮れます。
レンズのスペックは焦点距離40mmの開放f値4です。青色の発色に定評があり、その独特の色合いを「スメナブルー」と呼んで愛好する方も。
ちなみにレンズだけ取り外してマウント改造したものを中古市場で見かけることもあります。
使用したフィルムはLomographyのCOLOR NEGATIVE 400。ちなみにLomography(ロモグラーフィシェ株式会社)は、このカメラを製造したLOMO(レニングラード光学器械合同)の製品にインスパイアされた学生たちが立ち上げた会社です。
Lomographyの製品に興味がある方はこちらも参考にどうぞ。
【新入荷情報】Daguerreotype Achromatのボケ感で楽しもう!!
発色傾向は淡めで冷色系に寄り気味でしょうか。時々青空を撮った時などにパステル調の柔らかな水色が出るのがいい感じ。
ピント合わせはファインダー素通しの目測式ですが、最短に合わせていたのを忘れてそのまま遠景を撮ったらだいぶボケボケになってしまいました……。
フルマニュアル機ですのでシャッターを切る前に設定確認をお忘れなく。
とはいえ、きちんとピントが合った時のシャープさはかなりのもの。枯れ枝の一本一本が丁寧に解像されています。
F8~16ぐらいまで絞って使うとパンフォーカスにしやすく、ピント合わせの難易度も緩和されます。
絞り開放だと一転してクセのある描写になります。木漏れ日を撮ったらすごいぐるぐるしました。
後ろの方の枝がかなり滲んでぼやけています。このように像がぼけて二重に見える現象を「二線ボケ」と言いますが、二線ボケがかなり出やすい傾向があります。
一段絞ってもまだちょっとぐるぐるしています。デイジーの白い花びらがぼんやり滲んで神秘的な感じになりました。
ハイライト(写真の明るい部分)に滲みが出やすいのもこのカメラの描写の特徴です。
ロシアものらしく逆光耐性は低めで、フレア・ゴーストともにかなり出やすいです。
右端のほうに白っぽいもやのようなものが出てしまっていますが、これは内面反射した光が映り込んでしまったものです。
スメハチではよく起こる現象らしく、これを抑えるために一部の好事家はボディ内に植毛材を貼っています。
1/60に設定して手持ち撮影。夜でも撮れます。
雨の日に撮影。シャッタースピードダイヤルに描いてあるお天気マーク表示ですと1/15に設定推奨ですが、手持ちだと手ブレする可能性が高いので1/60以上に設定しておくのをお勧めします。
シャッターチャージと巻き上げが連動していませんので、一度シャッターを切った後に再度レンズシャッターをチャージすれば何度も同じコマに画を重ねられる多重露光ができます。
同じ被写体をちょっとずらして多重露光。残像が出てるみたいで個人的にはわりと気に入っています。
いかがでしょうか?
なお、慣れない方は撮影時にデジタルカメラを一緒に持っていきますと露出計&距離計を兼ねることができて楽です。
あまり”粋“ではない撮り方ですが、どうしても失敗したくない場合にお試しください。
最後に簡単な商品情報です。
商品名:SMENA 8M
商品コード:2111012256717
販売価格:7,000円
ランク:B
商品状態:スレ小
※2020年3月時点での情報です。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。
また次のブログでお会いしましょう~。