こんにちは。
レモン社 横浜店の溝渕です。
今回は、Nikonから出ている「AI AF DC-Nikkor 135mm f2D」
をご紹介させていただきます。
さて、詳細を読んでいただく前に一つ。
タイトルで「超!なんとか~」など書いておりますが、
人が写った写真は“1枚たりとも”ございません!
ご理解の上ご覧くださいませ。
(人がいたような痕跡のある写真は僅かにございます。)
レンズ上部にある「DEFOCUS IMAGE CONTROL(以下DC)リング」これは
球面収差の補正度合いを操作することによって前ボケ、後ろボケの具合を変化させるものです。
F(front)側、R(rear)側の両方に2~5.6までの目盛りが刻まれており、F側に回すと前ボケ、R側に回すと後ろボケがそれぞれ優先される描写になります。
(ちなみに、目盛りは5.6までしか刻まれておりませんが、更にもう一段階回ります)
そのためDCリングが中央にきている状態では、球面収差は限りなく0になるまで補正されています。
中望遠の明るい単焦点レンズかつ、DCリングの位置によっては非常に柔らかな描写が得られるということでポートレート用途での人気が高いレンズですが、上に書いてある通り人は“一切”写しておりません。重ねてご容赦ください。
仕様
焦点距離 |
135mm |
開放F値 |
F2~F16 |
最短撮影距離 |
1.1m |
最大倍率 |
0.13倍 |
レンズ構成 |
6群7枚(+保護ガラス1枚) |
絞り羽根枚数 |
9枚(円形絞り) |
寸法 |
約79mm×120mm 全長128mm |
重量 |
815g |
フィルター径 |
72mm |
DCリングの効果
1、2枚目の様に開放側でDCリングを回すことで。その効果を実感することが出来ます。しかし、3枚目の写真の様にF値を絞り込みDCリングを中央にセットすれば一転してシャープな描写も見せてくれます。
元々、美しいボケを出してくれるレンズなのであえてDCの効果は使わずに撮影してもいいでしょう。
1~3枚目までは同一の被写体でそれぞれ「DC中央」、「F側最大」、「R側最大」で撮影を行っています。
このように開放状態でDCリングを目盛りの更に奥まで回すと、ピントが合っているにもかかわらず全体がぼやけた様になり、まるでソフトフィルターを装着しているかのような写真に仕上がります。
特に電子接点のないマウントアダプターを装着しMFで撮影するのはピーキング等のアシストを考慮しても慣れないと難しいかもしれません。
逆光耐性
発売は1995年と少々古く、最新レンズの様に素敵なコーティングが施されたレンズではないので逆光撮影時のフレアやゴースト、開放でのパープルフリンジの発生を抑えることは困難です。
それを欠点と捉えるか、レンズの個性・味と捉えるかは人によりますが、3枚目のようにUVカットが施されたプロテクターを装着することで、僅かではありますが抑えることが可能です。
組込み式のフードが付いていますが、135mmという焦点距離に対しては少し大きさが物足りなく感じます。開放側での使用がメインとなる様な焦点距離のレンズなので、フードの付け替え等も思案した方がいいかもしれません。
作例
まとめ
DCリングの効果を使用せず、通常の135mm単焦点として使用した場合は非常に使いやすい1本です。AF速度も飛び回る鳥や低速で飛行する航空機程度の動きであれば問題なく追うことが出来ます。
ただ、収差を変化させる場合、意図したとおりの画にするにはある程度の慣れが必要になり、通常時とは一転して撮影者の経験・スキルを求めてきます。
使いこなすためには多くの撮影で経験を積むしかないでしょう。
収差を変化させることで生み出るボケを完璧に制御下に置くのも、レンズに遊ばれ思いもよらない画が撮れるのも、DCレンズを使う楽しみのような気がします。
【AI AF DC-Nikkor 135mm f2D】
商品コード:4960759019042
使用機材 カメラ:D750 / レンズ:AI AF DC-Nikkor 135mm f2D
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