【HASSELBLADの超広角中判ミラーレスフィルムカメラ】 903SWC 使用レビュー

自粛期間というのは小学校の頃の夏休みに似ている気がしました。
いざ、出勤するとなると自粛も終わるのか、、、
と夏休みの終わりが近づき登校日が迫ってくる。

うん、そっくりだ。
唯一違う点では宿題がないこと。
やってもいない宿題を目の前に絶望したあの感覚。
あれがないというのはいいもんです。
宿題をやっていないことが悪いですが、、、


はい、ということで今回はハッセルブラッドの超広角中判ミラーレスカメラ
903SWCの使用レビューです。
わざわざミラーレスという単語を入れなくてもいいんですが、
最近ユーザーが増えてきている X1D Ⅱ 50C という中判デジタルミラーレスカメラがあります。そのカメラの検索を妨害するためにタイトルを決めました。

ていうか超広角中判ミラーレスフィルムカメラってなんやねん。

わざわざ喧嘩を売る必要性などないんですがね、、
ホンマ性格腐ってる、、、


【れっきとした中判ミラーレスカメラ】

ちょっと小話を

このSW(スーパーワイド)シリーズの原点はSWAというカメラから始まります。
SWAに続きSW、その次にSWCSWC/Mと改良を重ねて販売されていました。
1954年から34年後の1988年にこの903SWCが発売されました。

903SWCの良さといえばその使いやすさ。

ファインダーが樹脂製になり、水準器を内蔵したこと

巻き上げクランク側のストラップ取り付け位置が高くなり使いやすくなったこと

この二点です。
たかがそれだけがSWC/M以前のユーザーからすると使いやすさが飛躍的に違います。


【スペック】

  • 焦点距離:38mm(35mm判換算21mm)
  • F値:4.5~22
  • シャッタースピード:B(バルブ)、1~1/500秒
  • フィルター径:B60(専用バヨネット)
  • 最短撮影距離:0.3m

【作例】

※GT-X830でデータ化をしました

※写真は去年の11月から1月にかけて撮影しました。

【PORTRA 160】

F/8.0 1/125秒 ISO100 歪みなくスッキリとした描写。ポートラとの相性も良いです。

F/8.0 1/250秒 ISO100 目測ですが、ある程度絞っておけばピントを外す心配がなく、速射性に優れます。

F/5.6 1/125秒 ISO100 右下に写ってしまっているカバンは写らない前提で撮影したのですが、誤算でした。こういうあたりはしっかりとファインダーで確認するべきでした。

F/8.0 1/125秒 ISO100 ポートラを使うと淡いやさしい雰囲気の写真になることが多い印象ですが、さすがZEISS。 しっかりとコントラストがあり、眠たくない印象に仕上がっています。

F/8.0 1/60秒 ISO160 正方形で超広角だとこういう場所で撮影したくなります。

F/8.0 1/125秒 ISO160 この川といえば、鴨川等間隔のMVのロケ地ですね。そう宇治川ね。

【Ilford DELTA 100 PROFESSIONAL】

F/8.0 1/125秒 ISO100 超広角は寄って大迫力で見せるのもおもしろいですよね。この時は規制線が張られておりそこまで近づけませんでした。さらに規制線まで写ししまう失態、、、

F/6.3 1/30秒 ISO100 しっかりとピントがきていて立体感があり、とても好みな写真。超広角は上を見上げてみるとおもしろい。

F/8.0 1/125秒 ISO100 方向をもう少し右に向けていればと後悔。こういうシンメトリーに近い状況はSWCにはもってこいです。

F/11.0 1/60秒 ISO100 手前の柵がわずかにボケていますがそれより奥は全てピントが合っています。

【NEOPAN 100 ACROS】

F/4.5 1/30秒 ISO100 神戸元町の折角堂さんで撮影。開放F値が低い点では室内での手持ち撮影はリスキーになります。レンズシャッターなので頑張れば手ブレせずにいけるとは思います。手ブレしないように気をつけても水平が取れていない場合もあるので、三脚がベストです。

F/4.5 1/30秒 ISO100 たくさんの眼鏡が置いてあるオシャレな空間です。大事に使い続ける眼鏡を選ぶなら折角堂さんはオススメです!筆者も愛用中!

F/4.5 1/250秒 ISO100 絞り開放最短撮影距離で撮影しました。最短とはいえ、これぐらい離れます。最短で絞り開放なので背景もボケています。ちなみに一眼レフであらかじめ露出とピントの距離を測り、同じ設定で撮影しています。

【PROVIA 100F】

F/11.0 120秒 ISO100 長秒露光をしました。絞り値をF/11.0まで絞り、露光時間は2分です。このポジ原版を見たときはさすがにテンションが上がりました。本当にとんでもない素晴らしいレンズです。

F11.0 1秒 ISO100 朝焼けを撮影しました。2秒、1秒、0.5秒で段階露光を行い、一番しっくりきた1秒露光した画像です。プロビアらしい発色です。

絞り開放で撮影。しっかりとピントを外しました。猫に動かないでと言っても仕方がないのは重々承知しております。

【EKTACHROME E100】

F/8.0 1/250秒 ISO100

F/8.0 1/60秒 ISO100 室内から外へ向けて撮ってもこのように写ります。写真の中だけで広く感じることができます。

F11.0 1/125秒 ISO100 左上の感光が気になるところですが、しっかりと絞って撮影してますので、奥の方のビルも問題なく見えます。

F11.0 1/125秒 ISO100 絞れば逆光耐性も悪くないです。開放での逆光は試しておりませんが、Zeissのレンズですので問題ないでしょう。知らんけど。。。


【まとめ】

まずは、デジタルバックが使えるカメラですので、
息が長いカメラで間違いないでしょう。
今後も人気が出てきそうなが気がします。

SWCシリーズは中判カメラのなかでは小さいサイズですので、非常に持ち運びしやすく扱いやすいカメラです。いざというときはフィルムバック(マガジン)、ファインダーを外してバラバラにして収納することもできます。

過去のSWCシリーズよりもファインダーも見やすくなり
それとともに水準器も見やすくなり水平も取りやすくなりました。

また、過去にフォクトレンダーがSWC用に6×6のアングルファインダーを販売していましたので、低い位置などはそのファインダーを使用するのもおもしろいかもしれません。

描写に関しては現行のレンズに勝るとも劣らない非常に素晴らしいレンズです。
デジタルバックを使用し撮影しても文句ないでしょう。

仕上がった写真の数枚は水平が少し傾いていたりしました。
そういう写真を見ると、すごく気になります。
超広角であり、正方形である性質上余計気になるかもしれません。
アタシは水平警察ではないんですが、
このカメラはしっかりとファインダー内で水準器を確認して撮ると良さそうです。

最後にこのカメラを使用してアタシが一番思ったことを
「SWCあるある」として言って終わりたいと思います。
SWCユーザーの方も共感してもらえるはずです。

レンズキャップしたまま撮影しがち